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2020 Dec. 17

【翻訳者派遣|多言語人材サービス】翻訳者を知り、翻訳者のスキルを活かす

 

私は2013年から英日翻訳者として活動しています。そのキャリアの延べ半分以上がオンサイト(常駐)での翻訳です。

 

今は翻訳会社でオンサイト勤務していますが、過去には実際のクライアント先に常駐して翻訳業務に携わったことがあります。そのクライアント先での常駐翻訳に携わっていた頃、たびたび感じることがありました。

 

それは・・・

 

翻訳者のスキルを舐めておられるんじゃないか(過激な表現、失礼!)ということです。

 

ひょっとして、翻訳者は翻訳しかできないと思っていませんか?

 

 

翻訳者は翻訳しかできない?

当時の私はIT系企業に翻訳者としてオンサイト勤務し、プロジェクトで発生するドキュメントを翻訳していました。

オンサイトで勤務していると、翻訳以外の業務が見えます。特に翻訳業務の前後工程は見えやすい。

私が参加していたプロジェクトの場合、前工程では、私を含む数名の翻訳者がそれぞれどのドキュメントを翻訳するかが決められ、後工程では、外部テクニカルライターによる日本語校正、IT専門用語の補足説明や事実確認が行われていました。

私は、プロジェクトに参加する前、当然ながら前工程と後工程にも関わることになると思っていました。

ところがいざ蓋を開けてみると、私たち翻訳者はそのどちらにも関わることなく、翻訳するドキュメントだけを渡され、黙々と翻訳して提出することになっていました。

・・・もったいない!実にもったいない!そう思いました。

と言うのも…

まず前工程で翻訳者を巻き込んでもらえれば、それぞれの専門分野の観点から得意なドキュメントを選ぶことができるかもしれない。そうすれば品質は上がります。

翻訳済みのドキュメントとこれからのドキュメントを照らし合わせることで、類似ドキュメントをカテゴライズできるかもしれない。そうすれば、翻訳済みの文章を活かしたスピーディな翻訳が可能になります。

そして後工程でも翻訳者を巻き込んでもらえれば、重点的に見直して欲しい箇所を外部テクニカルライターに伝えることができるかもしれない。そうすれば品質は上がります。

そもそも複数いる翻訳者どうしでIT専門用語の補足説明や校正を行えば、外部テクニカルライターに依頼する必要性がなくなるかもしれない。そうすればコストが下がります。

プロジェクトも終盤にさしかかり、メンバーとも打ち解けてきた頃、プロジェクトマネージャーに聞いてみました。

「なんで前後の工程に私たちを巻き込まなかったんです?」
「え?翻訳者の方々って翻訳だけじゃないんですか?」

 

翻訳者のスキルは語学力だけではない

翻訳者のスキルといってまず思い浮ぶのは、語学力でしょう。

翻訳者であれば、一定の語学力を持っているのは確かです。より具体的に言うならば、たとえば英日翻訳者の場合は、高い「英文読解力」と「日本語表現力」を有しています。

ところが実際は、翻訳者が身につけているのはそうした読解力や表現力だけではありません。

ビジネスの現場で翻訳に携わる多くの翻訳者は、高度な専門知識を習得しています。

たとえば、法務関連の翻訳を専門とする元弁護士、弁理士の資格をもつ特許翻訳者、金融系の翻訳に携わる公認会計士、薬剤師を経て独立した医薬翻訳者など。こうした誰もが知る資格をもつ翻訳者は、そんなに珍しくはありません。

実地でしか得ることのできない専門知識も翻訳に活かせます。自動車メーカーでのエンジニア職で培った経験をもって車両関係の工業翻訳に携わったり、化粧品の販売員のキャリアを持ち化粧品ポスターの翻訳をしたり。

業界経験だけでなく、職種で得た知見もあります。営業職で培ったスキルを活かしてプレゼン資料の翻訳を専門としたり、広報職で慣れ親しんだWeb広告の翻訳を得意としたり。

習得しているのは知識だけではありません。

コミュニケーションスキルや問題解決能力、マネジメントスキル、リーダーシップを発揮できる翻訳者だっています。

切りがないのでこのくらいにしておきますが、オンサイトかどうかに限らず、翻訳者はこうした優れた専門知識や時にはソフトスキルを活かして、翻訳に取り組んでいるのです。

 

オンサイト翻訳者のスキルを活用する

「翻訳者」と聞くと、無言でパソコンに向かい、辞書を片手に一人で黙々と訳文を書いている様子がイメージされるかもしれません(私も翻訳者になる前はそう思っていました)。

ところが実際は、特にオンサイトでの翻訳を希望している多くの翻訳者はコミュニケーションを厭わないように思います。それどころかチームでの翻訳を好む翻訳者もいます(私もその一人です)。

前述のとおり、翻訳者は高い専門知識を有しています。社内(クライアント)特有の表現に馴染みはないけれど、ある分野においては社内のプロジェクトメンバーよりも造詣が深いことだって大いにあり得ます。

そしてソフトスキルに強い翻訳者だっています。

もし、こうしたオンサイト翻訳者を、直接的な翻訳業務だけでなく、翻訳業務の前後工程や関連業務にコミュニケーションを取りながら巻き込めたとしたら・・・?

翻訳者に翻訳前のドキュメントを一読してもらうことにより、ドキュメントの誤りを発見したり、表現を改善したりすることができるかもしれません。原文の品質向上は、当然ながら訳文の品質向上につながります。

似たような内容のドキュメントをまとめることができれば、表現のブレを解消でき、さらに翻訳スピードも上がります。

(複数の翻訳者がいる場合)得意な分野を翻訳し、そうでない分野はチェックに回るなどすることで、品質とスピードの向上、さらにコストが下がります。

翻訳関係のミーティングは翻訳者にリードしてもらうことで、より適したスケジュールを組むことだって。

さらには。

ドキュメントを含むコンテンツの企画段階から翻訳者が参加すれば、翻訳後ドキュメントのターゲット読者の視点(ローカル視点)を含めたディスカッションができます。

そうすれば、コンテンツや自社ブランドに最適な翻訳品質を追求することだってできます。

もはやイメージされる「翻訳者の業務」の枠を超えている部分もあるでしょう。それでも、オンサイトで翻訳してもらうメリットの一つは、コミュニケーションの取りやすさ。これを活かさない手はない。

オンサイトでのコミュニケーションを通じて翻訳者がプロジェクトチームの一員になれれば、プロジェクトの価値自体を高める翻訳が手に入るかもしれません。

 

翻訳者のスキルチェックの重要性

オンサイト翻訳者がこのようにプロジェクトに関われるかどうかは、もちろんプロジェクトの性質にもよると思います。

また、契約で翻訳者に依頼できるのが「翻訳業務のみ」となっていれば、いきなり本人にそれ以外の業務を指示したり依頼したりすることはできません。

そこで大事になってくるのが、翻訳者のスキルと意向を前もって把握することです。前もって把握することができれば、翻訳者のスキルと意向に応じて、翻訳に付随する業務を依頼することができます。

問題は、翻訳者のスキルチェックは難しいということ。過去に翻訳者と仕事をしたことがあったり、日常的に翻訳業務に携わったりしていない限り、なおさらです。

その難しさゆえに、TOEICや英検といった資格や帰国子女という経歴で判断してしまい、翻訳スキルを見誤ってしまうことがあります。

また、仮に専門知識の有無を確認できたとしても、それを翻訳に活かせるかどうかは別問題です。

さらには、翻訳者に常駐してもらいチームの一員になってもらうには、人柄を含めたソフトスキルの見極めも大事になってきます。

それでも私が強調したいのは、適切なスキルチェックがあり、その翻訳者を知ることができ、チームを組むことができれば、これまで見てきたとおりたくさんのメリットがもたらされるかもしれないということ。

もし翻訳者に常駐してもらうことを検討中なら、翻訳者に翻訳を依頼するだけでなく、翻訳者とチームを組むことまで視野に入れてみてはどうでしょうか。

プロジェクトや事業の目的に対し、翻訳を手に入れることはあくまで手段のはず。

翻訳者とチームを組めば、プロジェクトや事業の目的に対して付加価値の高い翻訳を手に入れられるかもしれないのです。

 

関連記事:オンサイト翻訳(翻訳者常駐)のメリット

 

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執筆:田村嘉朗
大手通信会社ロンドン支社勤務を経て、2013年より翻訳者として活動
専門は通信、マーケティング

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