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Jul. 01, 2020

翻訳会社に依頼するメリットは?おすすめの探し方とは?

 

最近のAI機械翻訳の開発もあり、自然な翻訳というものが手軽に利用できるようになってきました。メール内容など、わざわざ翻訳会社に依頼するまでもないコンテンツもあることでしょう。では、どういう場合に翻訳会社に依頼したほうがいいのでしょうか?

 

また、翻訳会社から発信される情報が少ない一方で、「人気のある翻訳会社」「翻訳会社のランキング」「おすすめの翻訳会社10選」など、インターネット上には比較サイトの情報で溢れています。こういった情報は参考にはなるものの、重要なビジネスに関わることであるのならば、やはり自分の探して翻訳業者を見極める目を養うことも必要です。

 

翻訳会社に依頼するメリット・デメリットは何か?機械翻訳や社内の人材の翻訳でも大丈夫か?翻訳業者はどうやって探せばいいのか?翻訳会社にはどのようなタイプがあるのか?

 

このような疑問に答えながら、翻訳業界の特徴について解説をしてみたいと思います。

    【目次】
  1. 1. 翻訳会社・翻訳業者に依頼したほうがいいのか?
  2. 1-1. 翻訳会社とは何か?
  3. 1-2. 翻訳会社は何を請け負うのか?
  4. 1-3. 翻訳会社が必要となる場面とは?
  5. 1-4. 翻訳会社に依頼するメリットは?
  6. 1-5. 翻訳会社に依頼するデメリットは?
  7. 1-6. 翻訳会社に依頼しなくても、無料機械翻訳で十分?
  8. 1-7. 社内の語学のできる人が翻訳しても大丈夫か?
  9.  
  10. 2. 翻訳会社・翻訳業者をどうやって探すのか?
  11. 2-1. 検索エンジンで翻訳業者を探す
  12. 2-2. 適切な検索キーワードを選ぶ
  13. 2-3. ディレクトリサービスを使って翻訳業者を探す
  14. 2-4. 電話帳を利用して翻訳業者を探す
  15. 2-5. 口コミサイトを参照して評判のよい翻訳業者を探す
  16. 2-6. 雑誌やウェブ記事から翻訳業者を探す
  17. 2-7. 翻訳関連の雑誌広告から翻訳業者を探す
  18. 2-8. 翻訳関連書籍の執筆者を翻訳業者の候補にする
  19. 2-9. クラウドソーシングで依頼する
  20.  
  21. 3. 翻訳会社・翻訳業者にはどんなタイプがあるのか?
  22. 3-1. 特定の分野に特化した翻訳会社
  23. 3-2. 幅広い分野の翻訳に対応する翻訳会社
  24. 3-3. 特定の表現媒体に特化した翻訳会社
  25. 3-4. 映像翻訳を専門とする翻訳会社
  26. 3-5. コンテンツの制作も請け負う翻訳会社
  27. 3-6. 企画・制作も請け負う翻訳会社
  28. 3-7. 格安翻訳サービスを提供する翻訳会社
  29. 3-8. クラウド翻訳(24時間対応)を提供する翻訳会社

 【関連記事】

「翻訳業者に依頼 (1):はじめて発注する時の注意事項14点」
翻訳業者に依頼 (2):正式発注発注時と納品後の確認ポイント
翻訳会社、初めて依頼する前に知っておきたい【5分で分かる翻訳会社探しのポイント・お役立ちリンク集付き】

 

1. 翻訳会社・翻訳業者に依頼したほうがいいのか?

1-1. 翻訳会社とは何か?

翻訳会社は、その名の通り「翻訳」を手がける業者です。

 

「翻訳」は、三省堂国語辞典(第二版)によれば、「ある言語で表現されている文を、他の言語になおして表現すること」と定義されています。ここには当然、伝えたい内容を維持し、正しく伝達するということが含まれます。


翻訳会社は、言語の垣根を越えて正しく伝達する、あるいは円滑にコミュニケーションするための手助け役のプロということができるでしょう。

 

1-2. 翻訳会社は何を請け負うのか?

一般論として言えば、「翻訳会社・翻訳業者」は翻訳に関する業務を扱う業者なので、翻訳に関する物事全般を引き受けてくれます。

 

ただ、一口に翻訳と言っても、その専門分野や表現形式さまざまです。翻訳会社も、各社それぞれ得意とする分野や形態を持っています。実際に翻訳を依頼する際には、依頼したい案件の分野や形式にもとづき、その扱いを得意とする業者を見つけ出すことが重要となるでしょう。

 

参考:WIPジャパンが対応している「翻訳分野」についてはこちら。

 

1-3. 翻訳会社が必要となる場面とは?

翻訳会社・翻訳業者が必要となる主要な場面は次のように分類できます。

 

  • 内部的人材では、希望する水準を適切な期限では実現できない
  • 内部的人材による作業よりも、外注のほうが低コストになる
  • 特殊な専門知識・スキルが必要である

英語を読み書きできる人、いまどき珍しくはないかもしれませんが、自国語と同レベルまで外国語を操り、細かいニュアンスや専門用語を訳出できる人はまだまだ稀といえるでしょう。

 

たとえ希少な人材がいたとしても、何でも翻訳案件を任せられるわけでもありません。より重要性の低い文書の翻訳となると、なおさら希少な人材に作業をしてもらうわけにはいきません。そのような人材には、本来なら高単価な作業を任せるべきだからです。

 

1-4. 翻訳会社に依頼するメリットは?

翻訳会社・業者に翻訳を依頼するメリットは、一言でまとめてしまえば、翻訳の専門家に委ねられるということです。

 

つまり、翻訳に関する知識やノウハウ、翻訳業務に付帯する事項などを、あらかじめ備えた協力先であるという点です。分野によっては短期間に訳語が変遷する場合があります。また業界の動向や、外国文化の背景に関する知識がなくては適切な訳出が困難な場合もありえます。

 

一概に翻訳といっても、高品質な翻訳文書を作成するには、さまざまな要素を考慮しなくてはなりません。そうした面をまるごと任せてしまえるのが、翻訳会社に依頼できるメリットといえます。

 

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1-5. 翻訳会社に依頼するデメリットは?

翻訳会社・業者に翻訳を依頼する場合と、自社内でなんとか翻訳を行う場合とを比較した場合に、翻訳会社に依頼しない方がよかったという場合がないわけではありません。

例えば、翻訳業者への翻訳依頼は外注なので、内部事情との齟齬が生じやすいという点を挙げることができます。 文書の外国語訳を依頼した場合に、訳文の調子が意図としたニュアンスと異なっていたり、外国語のマニュアルの自国語への翻訳を依頼した場合に、訳語の違いから理解が阻害されたりといった場合も考えられます。

しかしこれらは翻訳会社と十分にコミュニケーションを取り、翻訳内容のすり合わせを行うことで、解消できる性質のものです。翻訳する案件の数や規模、特殊性が一定程度を超えた場合には、翻訳会社に依頼するのに加えて社内で翻訳する体制を別途築く方必要が出てくる場合もあるでしょう。

 

翻訳業者との円滑なコミュニケーションのポイントについては、こちらの記事でも紹介しています(「翻訳業者に依頼 (1):はじめて発注する時の注意事項14点」)。

 

1-6. 翻訳会社に依頼しなくても、無料機械翻訳で十分?

機械翻訳とは、プログラミングによって(その名の通り機械的に)翻訳を行うシステムです。

 

インターネット上にて無料で利用できるAI機械翻訳サービスも近年増えてきています。それでは「わざわざ代金を支払って翻訳を依頼する必要はないのではないか」というとそうとも限りません。

普段話している自然言語は実は非常に複雑で、しかも決して恒常普遍ではありません。さまざまな文化的歴史的背景があり、多くの例外・地域差があり、さらに言葉の意味や使い方はインターネットの影響もあり常に変化しています。

 

翻訳の場合は、言語によって言い回しが通用せず、意訳が必要な場合もあり、業界によっては対応する専門用語が分野や時代によって異なる場合もあります。

そのため、機械翻訳では文書を完璧に翻訳することはまだまだ困難な状況といえます。少なくとも英語から日本語への翻訳に関して言えば、機械翻訳で事足りるようになるのは、もうしばらく先であると言えるでしょう(参考:「AI翻訳アプリの精度をプロの英語翻訳者が実際に検証してみた」)。

また、翻訳の目的によって文体や訳語、書式、文章のニュアンスなどを適切に選択するといったことも、人間のしかもプロの翻訳者でなければこなせない技といえます。

 

1-7. 社内の語学のできる人が翻訳しても大丈夫か?

普段翻訳をしていない人に翻訳作業をしてもらう場合は注意が必要です。

 

英語ができるから、過去に留学をしていたからといったことを翻訳作業の条件とするのは難ありです。翻訳の国際規格であるISO17100には翻訳者の資格条件として、5年以上(あるいは2年以上+学位保持者)の翻訳実務経験を規定しています(参考:「翻訳サービスの国際規格:ISO17100とは」)。

 

つまり、語学力があるからといって、誰でも翻訳ができるわけではなく、ビジネス環境で翻訳作業を一定以上の頻度で行ってこそ、はじめて翻訳者と認められるスタートラインに立てるのです。もちろん、すでに社内に翻訳作業を効率的に進めるための体制・専門部隊を構築している場合などは別です。

 

一言で言えば「餅は餅屋」です。基本的には専門家である翻訳業者に任せたほうがコストパフォーマンスがよいと言えます。

 

また、海外の映画を邦訳する場合のように、特殊な技術が必要になる場合、翻訳兼ナレーター役の人材を要する場合などは、翻訳の専門家である翻訳会社の出番となるでしょう。

 

WIPジャパンの無料トライアル翻訳についてはこちら

 

 

2. 翻訳会社・翻訳業者をどうやって探すのか?

2-1. 検索エンジンで翻訳業者を探す

検索エンジンは、今や翻訳業者を探す手段として最も手軽で汎用性が高いやり方でしょう。

 

検索エンジンで多く検索されているキーワードは、多くの翻訳会社がテキスト広告を出稿しているため、どのような翻訳会社があるのかを手軽に知ることができます。

注意点として、検索エンジンでより目立つ位置に表示されることと、品質の高さは、必ずしも一致・比例するとは限らない場合があります。

 

個別のサービスをよく吟味し、必要に応じてオンラインフォームや電話で問い合わせるなどして検討を重ねる必要があります。

 

2-2. 適切な検索キーワードを選ぶ

ウェブ検索に限ったことではありませんが、検索を行う際には、より一般的・汎用的なキーワードと、特徴的なキーワードの両方を手がかりとして検索することが効率化のためのコツとなります。

翻訳会社を検索するキーワードの例としては、「翻訳会社」を挙げることができます。その他、「翻訳会社 料金」「翻訳会社 依頼」「翻訳会社 見積」「翻訳 外注」などのキーワードも検索に用いられています。

特徴的なキーワードの例としては、文書のタイプや専門分野と組み合わせて「医療 翻訳」や「学術論文 翻訳」などと検索することも効果的です。

 

参考:「翻訳の料金や単価はどのように決まるの?相場はどれくらい?」

 

2-3. ディレクトリサービスを使って翻訳業者を探す

ウェブ検索エンジンの他に、翻訳を専門とするディレクトリサービスを利用する手段もあります。

 

ウェブ検索エンジンの場合は比較サイトやランキングなどのような情報が混入しがちです。一方、ディレクトリサービスは人的に分類整理された項目リストであるため、あらかじめ内容のそぐわない情報が除かれている強みがあります。

日本翻訳連盟ウェブサイト(jtf.jp)内の翻訳会社リストは一覧性が高く使いやすさがあります。また、翻訳会社を探すディレクトリサービスとして、「翻訳者ディレクトリ」(translator.jp)や、翻訳者コミュニティ「ProZ」(proz.com)内の翻訳者・翻訳会社検索サービスなどが比較的よく知られています。

 

 

2-4. 電話帳を利用して翻訳業者を探す

電話帳で探す方法はアナログ的ですが効果的です。

 

紙を手繰って探す方法はキーボード入力とはまた別種の発見や出会いがあるものです。ただ、インターネット上の情報と比べると、情報の総量や新鮮さなどの面において分が悪い面もあるかもしれません。

最近では「iタウンページ」などウェブ上で電話帳を検索できるサービスもあります。 電話帳で「ここだ!」と思う事業者を見つけたら、会社名などでウェブ検索を行い確認すると効率的でしょう。

 

2-5. 口コミサイトを参照して評判のよい翻訳業者を探す

翻訳会社・翻訳業者を対象にした口コミ・レビュー情報を参照することはあまり容易とはいえません。

 

翻訳業界では、レストラン、家電製品、化粧品などのような本格的な口コミ・レビューのようなサイトはあまり期待できません。

「Yahoo! 知恵袋」や「OKWave」のような大手のQ&Aサービスは、さまざまな分野を総合的に扱っているので、翻訳や翻訳会社に関連するQ&Aも含まれ得ます。回答者はそれぞれ消費者・利用者の視点で回答しますので、口コミ情報として参考にできるかもしれません。

 

ただし、あくまで主観を根拠とする情報であることや、公平性が担保されていない情報であることなどには留意しておく必要があるでしょう。

 

2-6. 雑誌やウェブ記事から翻訳業者を探す

翻訳関連の専門雑誌や専門ウェブサイトなどでは、翻訳会社・翻訳業者の取り組みを紹介する記事を掲載していることがよくあります。

 

翻訳業界の雑誌としては、「通訳・翻訳ジャーナル(https://tsuhon.jp/book)」があります。翻訳業界の動向や傾向を知りつつ、翻訳会社の特徴的取り組みを知るのに最適です。雑誌の紹介記事だけで、その翻訳会社に翻訳を依頼しようと決めることは難しいかもしれませんが、どこに頼めばよいのか全く分からないという場合などに、取っ掛かりの一つになるのではないでしょうか。

 

また、日本翻訳連盟では、翻訳業界の最新動向をウェブサイト上(https://webjournal.jtf.jp/)で紹介しています。

 

2-7. 翻訳関連の雑誌広告から翻訳会社・翻訳業者を探す

書店で売られている翻訳関連の専門雑誌に掲載されている広告を手掛かりにする手もあります。

 

雑誌内の広告は情報がまとまっていてわかりやすい点などが強みです。

その反面、探して検討する対象が少数に限られる点が弱みとなり得ます。小規模な翻訳業者を見つけたり複数の翻訳会社を比較したりする点では不得意さがあるといえるかもしれません。

 

2-8. 翻訳関連書籍の執筆者を翻訳業者の候補にする

英語関連の書籍や翻訳書には、執筆・編集者として書籍の製作に携わった翻訳者・翻訳会社のクレジットが記載される場合があります。

書籍を読んでこの翻訳は洗練されているなあと感心したことをきっかけに、その翻訳会社・業者に翻訳案件を依頼する、という流れも考えられます。

 

専門分野の翻訳などで常にパートナーを探している、といった人は、書籍の著者名欄などにも注目するとよいかもしれません。

 

2-9. クラウドソーシングで依頼する

翻訳会社に直接所属せず、個人事業主として翻訳業務を行うフリーランスの翻訳者も存在します。

 

フリーランスの翻訳者といっても、翻訳会社に登録して翻訳案件の仲介を得ている場合が多いのですが、最近では翻訳依頼マッチングサービス、いわゆるクラウドソーシング(クラウド翻訳・ソーシャル翻訳)などのサービスを通じて直接翻訳者の依頼することもできます。

クラウド翻訳(ソーシャル翻訳)に登録している翻訳者は、サービスにもよりますが、本業を他に持ったセミプロの翻訳者であることがあります。また、ソーシャル翻訳の特徴として、翻訳結果の校正は省かれていて、価格もリーズナブルとなっています。

 

フリーランスの翻訳者の中にも特定の専門分野を得意とし、高いパフォーマンスを発揮する人はいます。ただし、品質についての過信や過度の期待は危険といえます。

しっかりとした翻訳文章が必要であるなら、翻訳業務の仕組みによって一定水準以上の品質を確保している翻訳会社・翻訳業者がやはり安心できるといえます。

 

 

 

3. 翻訳会社・翻訳業者にはどんなタイプがあるのか?

3-1. 特定の分野に特化した翻訳会社

翻訳業者の中には、ある特定の専門分野の翻訳を得意とし、特化しているものもあります。とりわけ医学や法律、経済・金融などの分野にこうした特定分野専門の翻訳会社が多く見られます。

医学分野であれば学会への論文提出、法律関連であれば契約書などの書類作成などが主要な翻訳需要と一つとなります。文書に厳密性が要求され、加えて業界内の情報の更新速度・移り変わりが非常に早いといった点を共通点として挙げることができます。

翻訳者も自ら得意とする専門分野を日々怠りなく勉強し、対応する訳語が変わったり新しい用語や概念が登場したりといった変化に対応しています。

また、映画の字幕翻訳やドキュメンタリー番組のテロップなども専門分野に特化した翻訳と言うことができます。こうしたジャンルも、メディアの特性を前提として、字数の制限や瞬時に理解できる言葉の選定など、様々特殊な条件のもとに翻訳を行う専門家の仕事です。

 

3-2. 幅広い分野の翻訳に対応する翻訳会社

医学や特許などの業種については、その分野に特化した翻訳会社もありますが、他の多くの産業分野に関しては、幅広い分野を扱う業者により手広く対応されている場合も多いといえます。

こうした翻訳業者にはさまざまなタイプの翻訳者が登録・在籍していて、それぞれ得意とする専門分野を持っています。さらに「コーディネーター(プロジェクトマネージャー)」と呼ばれるスタッフが、顧客の需要と文書内容に応じて翻訳者を見立ててくれます。

しかし、特定ジャンルの高度に専門的な翻訳は対象外としている場合もあります。事前に翻訳文書の分野や専門性を大まかに伝えて、対応可能かどうかを確認するとよいでしょう。

 

参考:WIPジャパンが対応している「翻訳分野」についてはこちら

 

3-3. 特定の表現媒体に特化した翻訳会社

特定分野の翻訳では、翻訳を行う環境や特殊なノウハウが必要になります。

 

媒体に特殊性がある分野、例えば出版翻訳や映像翻訳、吹き替えといった分野では、その媒体に特化した翻訳会社があります。特殊な機材が必要な場合などは、こうした特定分野に特化した翻訳会社を探すことになります。

 

例えば、音声吹き替えでは翻訳作業の環境以外に録音スタジオが必要になります。こうした場合は、提携する録音スタジオを持った特化型の翻訳会社・翻訳業者に依頼するとスムーズに進むといえるでしょう。

多くの場合は、専業ならではの豊富なノウハウの蓄積や、関連する業界に関する豊富な知識や情報などが特化型翻訳会社の強みになります。いわば、幅広さよりも深さを突き詰めたタイプということができます。

とはいえ、ある媒体に特化した翻訳会社でなければ、こうした翻訳案件ができないわけではありません。場合に応じて設備・機材を手配するなど、さまざまな手を講じて翻訳案件を実現してくれる業者も多くあります。

表立ってアピールしていなくても、実際には対応できる場合もあるります。必ずしも媒体だけにとらわれず、諸条件を顧慮して翻訳会社の候補を選んだ後に問い合わせるといった選定の流れを取ることも、有効な場合があるでしょう。

 

3-4. 映像翻訳を専門とする翻訳会社

映像翻訳や出版、同時通訳といった翻訳のジャンルは、そのメディアの性質により、翻訳の内容が他の翻訳業務とは大きく異なります。そのため、翻訳者・翻訳会社の中でも特に特化しやすいジャンルといえます。

映像翻訳は映画やテレビといった映像作品をメインとする翻訳です。映像は時間と共に流れていくため、一定の表示時間で十分に読める程度の文章量であることや、容易に理解できる言葉を紡ぐといった技術が必要とされます。映像がメインですから、翻訳文は映像の邪魔をしてはならず、映像の端で読める程度の文章であることが要求されます。

出版における翻訳は本の分野や内容にも大きく左右されますが、文学作品などの場合は原文の雰囲気や叙情性をいかに保ったまま翻訳するかといった点も重要な要素になります。文学作品は翻訳後の文章の文学性も問われるわけですから、訳者の名前が重視される傾向がとりわけ強いのも納得のいくことでしょう。

 

3-5. コンテンツの制作も請け負う翻訳会社

印刷物、申請書、ウェブサイトといった媒体は、文書の内容もさることながら文書を載せる媒体の制作にも少なからぬ知識やノウハウが必要となります。翻訳業者のなかには、こうした媒体制作を翻訳と同時に請け負ってくれるところもあります。

例えば出版物の制作では、DTP(デザイン・レイアウト・組版など)を含めた翻訳文書の作成に対応している翻訳会社・業者に依頼すれば、納品段階でデータがすでに印刷物としての体裁まで整っている、といったことが可能です。

ウェブサイトの制作の場合、HTML・CSSのコーディングによるデザイン・レイアウトの作成のほか、データベースシステムの構築などを請け負う翻訳会社もあります。また、こうした媒体制作に携わる翻訳会社は、多くの場合企画・提案も得意です。

翻訳とは別に媒体の制作も外注する場合、翻訳業者に同時に任せてしまうことを検討してみると良いかもしれません。

 

3-6. 企画・制作も請け負う翻訳会社

ウェブ検索エンジンで印刷物やウェブサイトなどの企画・制作に対応する翻訳会社を探す場合、「翻訳」などのキーワードと書籍やウェブサイトに関するキーワードを組み合わせるのが一般的ですが、探したい対象が的確にヒットするようにキーワードを選ぶにはコツがいります。

例えば、書籍の出版にあたり翻訳を依頼したい場合、「印刷」や「DTP」のような、制作プロセスに直結するキーワードを使用して検索するのがミソといえます。「翻訳 書籍」や「翻訳 出版」などのキーワードで検索した場合、翻訳業や翻訳技術に関する書籍、出版翻訳の分野で翻訳者になりたい人向けの情報などが検索にヒットしてしまいます。

同じくウェブサイト制作の場合、単に「ウェブサイト」で検索すると、無料の機械翻訳サービスや翻訳ソフトウェアの紹介ページなどが混ざってきますので、例えば「ホームページ制作」や「ウェブサイト構築」などのように、制作に関するキーワードを含めると検索結果を絞ることができます。

 

3-7. 格安翻訳サービスを提供する翻訳会社

翻訳会社によっては他の翻訳会社よりも低価格で翻訳サービスを提供しているところもあります。

 

そうした企業の多くは、翻訳者のすきま時間を徹底管理することで低価格を実現したり、リライトや校正などの工程を省くことで料金を低く抑えていたりします。

一般論としては、高度で専門性の高い文章を翻訳する場合は、どうしても一定水準のコストがかかります。品質とコストを秤にかけて、安ければOKか、あるいはどの程度の安さでどの程度の品質ならOKなのか、といった見極めが必要になってくるでしょう。

 

3-8. クラウド翻訳(24時間対応)を提供する翻訳会社

いわゆる「翻訳会社」の大半は、一般的企業ですので、1日の中で、営業時間内で営業しています。問合せ窓口からの相談や見積り依頼はいつでも受け付け可能ですが、基本的には営業時間外の問合せは翌営業日の対応となります。

最近ではインターネットの利点を活かして、世界中の翻訳者と翻訳案件のマッチングを行うサービスが登場しています。このサービスは時差を利用して対応可能であるため、事実上ほぼ24時間対応が実現されています。

 

発注後、条件に合った翻訳者が見つかればすぐ翻訳に着手、翻訳完了後に納品、といった流れが可能です。こうしたサービスは多く「クラウド翻訳(ソーシャル翻訳)」と呼ばれています。

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