トライアル翻訳をうまく活用して、翻訳品質を確保しよう!
近年、インバウンド対策の強化を背景に翻訳需要が伸びており、翻訳会社も増えつつあります。選択肢が増えるのはいいこと。しかし、数ある翻訳会社の中から自分たちにとって最適な一社を選ぶのは、なかなか難しいですよね。
初めて翻訳を外注する場合はもちろんですが、既存取引のある翻訳会社からの移行を考えている場合も、苦心されているのではないでしょうか。
- ・初めての翻訳外注。自分たちにとって最適な一社はどこの会社だろう
- ・見積もりをとったけど、見合う品質の翻訳が納品されるのか不安
- ・費用と納期回答だけで、翻訳会社を決めていいのだろうか
こうした悩みを解決する手段としてぜひ利用していただきたいのが、多くの翻訳会社が提供する「トライアル翻訳」のサービスです。
この記事では、
これらについて説明していきます。
トライアル翻訳とはなにか?
実際に発注する前に、その翻訳会社が提供する翻訳文の品質を確かめることができるサービスです。
発注する側としては、自分たちのニーズと払う料金に見合った翻訳文が本当に納品されるかどうか、不安ですよね。品質に自信のある翻訳会社は「実際に発注してもらえれば、満足してもらえるのに…」と考えています。そこで、翻訳会社の多くは、お客様の不安解消のために、原稿の一部を無料または割引価格でお試し翻訳するサービスを提供しています。
トライアル翻訳を利用するメリット
トライアル翻訳を利用すると、実際に翻訳されたものを正式発注前に見ることができ、品質を確認することができます。その品質が費用と見合ったものかどうかを判断できる、絶好の機会と言えます。
また、トライアル翻訳の翻訳文に対して翻訳会社にフィードバックを伝えることで、正式受注後の翻訳品質を高めることもできます。
トライアル翻訳を利用する際に気を付けるポイント
トライアル翻訳で品質を確認し安心して正式発注したのにもかかわらず、納品された翻訳文の品質が低かった、という話を聞くことがあります。このようなことを避けるためには、以下の2点に注意してみてください。
トライアル翻訳を担当した同じ翻訳者が、正式発注後も担当するのかどうか
トライアル翻訳を依頼する前に、同じ翻訳者が正式発注時も継続して担当するのかどうか確認することをおすすめします。
ほとんどの翻訳会社では、正式受注後に担当することを想定した翻訳者がトライアル翻訳も対応します。しかしながら、正式受注の時期が明確でない案件では、翻訳会社としても特定の翻訳者の稼働を確保することが難しいこともあります。
正式に発注できる時期が決まっていることが理想ですが、そうでない場合は、いつまでに発注すれば同じ翻訳者を確保できるのか、翻訳会社に確認してみてください。
トライアル翻訳用の原稿は、きちんと品質を確認できるものか
トライアル翻訳では通常、翻訳できる分量が決まっています。これは無料または割引価格でトライアル翻訳のサービスを提供しているためです。
限られた分量の翻訳文で品質を確認するためには、どの翻訳者が翻訳しても大きな品質の差がでない原稿を使ってもあまり意味はありません。原稿内容を厳選する必要があります。
たとえば、その業界や専門分野に精通しているかどうかを確認したい場合は業界用語や専門用語が頻出する原稿を、社内文書ルールが定まっており、スタイルガイドや用語集に沿った訳文に仕上がるかどうかを確認する場合は社内用語を多用している原稿を、といったように求める品質を確かめることができる原稿を提示する必要があります。
この2点をきちんとおさえておけば、「トライアル翻訳では品質がよかったのに納品物は違った」という事態を極力避けることができます。
まとめ
このように、ポイントをおさえた上でトライアル翻訳を活用すれば、事前に翻訳品質を確認することができ、発注する際のリスクを軽減することができます。また、その翻訳会社がスピード感をもった誠実な対応をするかどうかも合わせて確認できます。
翻訳品質とは、納品される翻訳文だけで決まるものではありません。対応力をもった翻訳会社であれば、正式発注後に納品された翻訳文に満足できなかった場合も、フィードバックを伝えれば丁寧に対応してくれます。
そうした対応力を確認するためにも、納期に余裕がある案件であれば、積極的にトライアル翻訳を利用してください。
ご利用条件についても記載しております。お申込み前にご確認ください。
執筆:田村嘉朗
大手通信会社ロンドン支社勤務を経て、2013年より翻訳者として活動
専門は通信、マーケティング