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Aug. 22, 2024

世界各国の単位等の表記法【WEBサイト多言語対応 最新基本ガイド2】

昨今は円安の影響もあり、外国人観光客が増えている中、人だけではなく、物やサービスの行き来も国を跨いで活発になっています。日本は依然として貿易赤字ではあるものの、2023年の輸出額は100兆8865億円で過去最高を記録しました。

少子高齢化で日本市場が縮小傾向にある中、世界人口とともに拡大中の外国市場は、今後さらに注目される存在です。日本の商品やサービスを外国市場に売り込む上で、「表記」は重要な役割を果たします。理由の一つとして、顧客に安心して購入してもらうためには、顧客の国・文化・言語に合わせることが不可欠ということがあげられます。安心は信用に繋がるので、表記一つ一つも競争力強化につながる布石となります。

ここでは「多言語化に不可欠な最新の表記法」を、「1.日付」「2.数字」「3.単位」「4.商品サイズ」「5.通貨」「6.電話番号」「7.肩書」の順にご説明していいます。

  1. - 目次 -

    1.日付

    2.数字

    3.単位

    4.商品サイズ

    5.通貨

    6.電話番号

    7.肩書

    まとめ

 

1.日付

「日付」の表記法の身近な存在として、食品の「消費期限」や「賞味期限」があります。日本では「消費期限24.02.06」といった表記が一般的です。ほとんどの日本語話者は、これを見てすぐに「消費期限は2024年2月6日」だと分かります。しかし、日本語以外の言語話者にとってはどうでしょうか。

実際、輸入食品の中には、「EXP 06022024」といった、日本式になっていない記載もあります。これは2024年2月6日が消費期限なのでしょうか、それとも2024年6月2日でしょうか?

「日付」は、国によって表記法が異なります。上の表は、それを表したものです。特筆すべきところは、言語が同じ英語でも、アメリカとイギリスで表記法が違うということです。

アメリカでは、「12/04/05」が「2005年12日4月」であるのに対して、イギリスやフランス、ドイツでは「2005年4月12日」となります。日本と中国では、「2012年4月5日」だと思う人も多いでしょう。また、日本には和暦があります。「12」が平成12年かもしれないし、2012年かもしれないと、場合によっては迷う人もいるのではないでしょうか。

  1. 出典:「12/04/05」

    アメリカ:2005年12日4月

    イギリス、フランス、ドイツ:2005年4月12日

    中国:2012年4月5日

    日本:2012年4月5日、平成12年4月5日

日付は何かの期限を表すことが多いので、誤表記は特にビジネスにおいて問題になると考えられます。日付は、表記法の重要なポイントの一つといえるでしょう。

 

2.数字

「数字」では身近なものとして金額が考えられますが、「1,234,567.89」という表示をみて、何を思い浮かべますか?日本人だと、「123万4千5百67円89銭」と思う人が多いのではないでしょうか。

数字も言語や国により表記法が異なりますが、日付と違い、アメリカとイギリスが同じ表記法になっています。

世界の国では、以下のような表記法がみられます。

  1. ・「1,234,567.89」3桁ごとにカンマで区切り、小数点はピリオドで表示:
    日本、米国、英国、中国、韓国、豪州、タイなど

    ・「1.234.567,89」3桁ごとにピリオドで区切り、小数点はカンマで表示:
    欧州(オーストリア、ベルギー、デンマーク、ドイツ、イタリアなど)、南米(ブラジル、アルゼンチンなど)

    ・「1 234 567,89」3桁ごとにスペースで区切り、小数点はカンマで表示:
    欧州(フランス、スウェーデン、ノルウェー、チェコなど)、ロシア、南アフリカなど

    ・「1,23,45,678.9」小さい方は3桁で、その後2桁区切り、小数点はピリオドで表示:
    インド、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、など

数字は金額や数値を表し、ビジネスにおいても不可欠な要素となるので、表記法に気を付ける必要があります。

 

3.単位

日本では長さをセンチ(cm)やメートル(m)、重さをグラム(g)やキログラム(kg)で表します。江戸時代以前は、長さに寸(3cm)や丈(3m)などが、重さには両(37.5g)や貫(3.75kg)などの単位が使われていました。明治以降に、フランスで制定されたメートル法が導入され、現在に至ります。

上の表を見ると、現在アメリカ以外はメートル法を採用しています。アメリカと一部イギリスで用いられるヤードポンド法と、その他の国が用いるメートル法では、以下のような違いがみられます。

  1. ヤードポンド法
    ・inch (インチ):約2.5cm (指の第一関節)
    ・foot (フット) / feet (フィート) :約30cm (成人男性の足のサイズ) 
    ・yard(ヤード):約91cm (成人男性の一歩) 
    ・mile (マイル):約1.6km (2歩分×1000) 
    ・square feet (スクエア・フィート):0.09平方メートル(㎡)、または、0.028坪 
    ・acre (エーカー):0.4ヘクタール(hr:100m×100m)、または、サッカーグラウンド1つ分
    ・ounce (オンス):約28g(片手一杯の1/4ぐらい) 
    ・pound (ポンド):約453g(人が1日に食べるパンの重さ・1斤) 

特に不動産や飲食関係では、長さや重さの単位をよく使うと考えられます。メートル法を採用していないのが一か国だけとはいえ、日本の最大貿易相手国はアメリカなので、ヤードポンド法は忘れてはならない存在です。

単位でもう一つ留意すべきものが、「温度」です。
 
アメリカやイギリスの旅行中、現地の天気予報を見てびっくりした経験のある方もいるのではないでしょうか。天気予報で「77」度など、摂氏の気温としてはありえない数字が表示されることがあります。

温度も長さや重さ同様に、アメリカとイギリスは、他の国とは違う単位を用いる傾向にあります。

また、カナダでは、気温は摂氏で表示する一方、オーブンの温度は華氏で表記することが多いといわれており、同じ英語圏でも国により単位の使用方法が様々であることがわかります。

  1. 摂氏(Celsius、セルシウス、℃) と華氏(Fahrenheit、ファーレンハイト、℉)
    ・氷点:摂氏0℃、華氏32℉
    ・体温:摂氏36.5℃、華氏97.7℉ 
    ・沸点:摂氏100℃、 華氏212℉

計算式は、{摂氏(℃)×1.8}+32 =華氏(℉)となっています。

 

4.商品サイズ

「商品サイズ」は、世界各国で異なります。日本ではJIS規格が有名ですが、他の国や地域にも、それぞれ独自の規格や基準があります。特に、服や靴のサイズ表記は国ごとで大きく異なるといわれています。

日本国内では、ユニクロなどがサイズ比較表を掲載しており、インバウンド需要が高い今、外国人観光客の購買意欲を高めたり、顧客満足度を上げたりするのに有効な手段であるといえます。

商品を外国市場に売り込む際も、同様に商品サイズの比較表を掲載したり、サイズの表記法をその国に合わせたりすることがすすめられます。

数字は金額や数値を表し、ビジネスにおいても不可欠な要素となるので、表記法に気を付ける必要があります。

 

5.通貨

通貨」も国ごとで異なりますが、自国以外の通貨はあまり詳しくない人も多いのではないでしょうか。特に日本円と中国人民元は、通貨記号がどちらも「\」であるため、注意が必要です。同じ\表記でも、中国人民元で\1500の商品は、日本円表示では約\30,000となり、およそ20倍です。クレジットカード払いなのでは、中国人民元と日本円を間違うトラブルが起きることもあります。一方、「ドル($)」を知っている人は多く、$と\の表記も違うので、トラブルは起きにくいと考えられます。こうした理由からECサイトにおいて、ドル換算表記は親切であるといえます。

ECサイトの多言語化やドル換算表記については、WEBサイト多言語対応 最新基本ガイド1~外国市場の2W1H~の記事も合わせてご参照ください。

 

6.電話番号

「電話番号」に関しては、日本では「-」で区切りますが、他の国では空白で区切ったり( )が入ったりして、表記法は様々です。

そもそも、電話の国番号から違います。日本の国番号は「81」ですが、アメリカは1です。海外から日本の「03-1234-5678」に電話をかける時は、国番号を加えて「+81-3-1234-5678」となります。外国へ提出する文書に電話番号を書く時も、国番号からです。

また、「フリーダイヤル」というものがありますが、これは和製英語で、アメリカではtoll free number、イギリスではfreephoneと呼ばれることに留意しておくと良いでしょう。 さらに、携帯電話の呼び方も異なり、アメリカではcellular phoneやcell-phoneまたはcell、イギリスやオーストラリアではmobile phoneやmobileと呼ばれます。

その他に、時間の表記も異なります。日本では時間を「9:00~18:00」というように表記しますが、英語圏では「9:00 a.m.-6:00 p.m.」とすることが多いです。

 

7.肩書

「肩書」についても多岐にわたります。各国で商法が異なるので、定訳はあってないようなものともいえます。

同じ英語圏でもアメリカとイギリスで異なり、アメリカは少し仰々しく、イギリスは控えめな表現をする傾向にあります。

  1. アメリカとイギリスの肩書例
    アメリカ: President、CEO、Vice-President、Account Executiveなど
    イギリス: Managing Director、Chief Executive など

また、英語に関しては、米国英語と英国英語が有名ですが、使用国や地域の範囲は、英国英語の方が広いといわれています。

  1. 米国英語と英国英語の使用国
    米国英語:アメリカ、韓国、フィリピン、メキシコ、中南米、日本など
    英国英語:イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港、パキスタン、バングラデシュ、インド、ネパール、タイなど

商品やサービスを売り込みたい国の英語表記が、米国英語なのか英国英語なのかを知っておくと良いでしょう。

また、肩書とともに留意すべきポイントが、「姓名」の表記法です。日本は、一昔前では「山田花子」を「Hanako Yamada」と英語表記することが多かったですが、最近では文化庁の方針により、「Yamada Hanako」や「YAMADA Hanako」と表記することが多くなっています。

 

まとめ

表記は言語の範疇に留まらず、国ごとに異なるといってよいでしょう。表記法は総じて、国ごとの「ライティング文化」と捉えることができます。

今後、日本人口・日本市場の縮小にともない、外国市場への進出が重要となってきます。日本全体で外国語市場に挑戦していくことが望ましいと考えられます。

外国市場に挑戦するには多言語化が欠かせません。その多言語化に不可欠な、最新の表記法をご紹介させていただきました。お役に立てたら幸いです。

  1. 参考文献
  2. 日本経済新聞 WEBニュース

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA23BLQ0T20C24A1000000/

    三郷市 みさとデジタル古文書講座について 単位編

    https://www.city.misato.lg.jp/soshiki/syogaigakusyu/shogaigakushu/4/digitalmuseum/digital_komonjo/442.html

    AU 国番号一覧

    https://www.au.com/mobile/service/global/call/country-code/

 

 

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