<img src="https://trc.taboola.com/1341089/log/3/unip?en=page_view" width="0" height="0" style="display:none">
  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • pocket
  • はてな
Feb. 08, 2019

医療・医薬(メディカル)に強い翻訳会社を選ぶときに注意すべき7つのこと

誤訳が人の生命をも左右しかねない医療・医薬(メディカル)分野の翻訳には、高い専門性と豊富な経験が求められます。
医療・医薬(メディカル)に強い翻訳会社を選ぶときに、どのような点に注意すべきなのか。今回は7つのポイントをご紹介します。

0. 医療・医薬翻訳の分野について

まず、医療翻訳とは、医学や薬学に関わる翻訳全般を指し、大きく3つの分野に分けることができます。


A. 医学、学術系の翻訳
医学論文、医学書、医学系のジャーナルの記事など、医学関係の書籍の翻訳です。
また、数は少ないものの、学会用の資料・原稿の翻訳もあります。

B. 医薬品に関する翻訳
新薬の「承認申請」の書類、発売後の副作用報告などの医薬品の研究開発や治験に関連するドキュメントの翻訳を指します。
おもに製薬会社で必要となる翻訳です。
うがい薬やコンタクトレンズ装着薬、いびき防止薬のような医薬部外品、化粧品、サプリメント、バイオ関連などの翻訳も医薬翻訳に該当します。

C. 医療機器に関する翻訳
 外資系医療機器メーカーが新しい製品を開発し、厚生労働省など各国の規制当局に承認申請を行う際に必要となる書類、その機器の販売にあたって必要な規制当局から発令されるガイドライン、製品の取扱説明書、販売用の資料、などの医療機器の研究開発や治験に関連するドキュメントの翻訳です。

 

医療・医薬翻訳では、論文や資料に関して普通に生活しているだけでは使うことのないような専門用語が多く、また用語のジャンルも医学・薬学だけでなく、関連する食品やバイオテクノロジーなど、多岐にわたります。医療分野全般でみても、内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻科、皮膚科、整形外科など、その内容は細かく、幅広く分類されていることが分かります。

さらに、医療翻訳では、誤訳が人の命に関わることが多いため、幅広く深い専門知識だけでなく、高度な語学力、読解力も必要です。つまり、医療分野における翻訳は、ジャンルが幅広く、かつ専門的な内容、さらにミスの許されない翻訳になり、高度な技術を持った優秀な翻訳者が必要になります。

では、具体的にどのような点に注意して翻訳会社を選ぶべきでしょうか。以下、順番に述べていきます。

 

WIPの医療(メディカル)翻訳はこちら

1. 取引の実績はどうか

medical-translation-agency_1 医療・医薬翻訳は、専門性が高く、知識のある翻訳家が求められます。そこで、ひとつの目安になるのが取引実績です。

 

評判の悪い会社であれば、取引実績も少ないため、ホームページなどでもほんの数例の実績しか紹介していません。しかし、高いクオリティの翻訳会社であれば、たくさんの依頼を受けているはずです。つまり多くの取引実績を有しているため、翻訳会社を選ぶ際の大きな指標になります。

また、日本語で全く同じ表記でも、文脈や分野によって意味が異なる場合があり、翻訳の際には考慮する必要があります。また、和訳の際にも同じです。

 

例えば、日本語で「意識下」と表記されているものを英語に翻訳する際に、動物実験や一般医薬の分野では「意識下での鎮静」、「意識下での挿管」など、「意識のある状態で」の意味を指し、「in the conscious state」もしくは、「awake」などと翻訳することができます。しかし、脳神経や心理学の分野では、「意識のない状態で/無意識で」の意味で「in the subconscious state」もしくは「unconsciously」と訳すことになります。辞書で「意識下」を検索しても、「subconscious」のみヒットするため、専門知識がない翻訳者の場合には、変な翻訳になってしまうことがあります。

各分野でそれぞれ使われる専門用語も異なるため、医療翻訳は「一般の翻訳とは異なった技術が必要になる」非常に難易度の高いものであることが分かります。

 

そのため、きちんと各分野に精通した翻訳者に対応してもらわないと、大幅な手直しが必要になり、余計な時間やコストがかかります。

 

2. 最新情報に詳しいか

医学は、日々新しい研究が行われ、その進歩、更新のスピードが非常に早いとされています。

何か研究結果を発表する際の医学論文や資料などでは、後に更新される用語でも、最新の用語を使わないと、医療業界で論文を認めてもらえない可能性が出てきてしまいます。したがって、その翻訳を行う翻訳者も、続々と登場する新しい用語や知識をアップデートしていなければついていけなくなります。

例えば、業界で定着している訳語はあるか、一般的に普及しているかなど、依頼された翻訳によって訳文を読む対象者が変わるため、細かで適切な対応が求められます。また、細かいニュアンスや表現がうまく伝わらないと、論文を評価してもらうことも難しくなってしまいます。

特定の分野に精通している翻訳会社や翻訳者は、業界内の最新情報を日頃からリサーチしています。そのため、最新の論文等の翻訳も安心して依頼することができます。

 

3. 表記されている登録翻訳者の数で左右されない

medical-translation-agency_2 翻訳会社のHPなどにある、「医療・医薬分野の登録翻訳者○○○人」という表現には注意が必要です。

これは、実際には登録しているだけで、翻訳会社が仕事を回していない割合が高く、大量注文が来たときのための補欠要員も含めた翻訳者の人数になるためです。

登録翻訳者がたくさんいるにも関わらず、注文が入るたびに別途求人を出している会社もあり、「登録翻訳者数が多い=信頼できる翻訳者の数が多い」と限らない点、留意が必要です。

 

4. 依頼の際には文書や資料も用意する

medical-translation-agency_3 医療・医薬用語は、依頼者の想像以上に伝わりにくく、母国語でも解釈が難しいものです。

そのため、依頼する際には原稿だけでなく、文書や画像などの資料を用意しておくとよりよい翻訳が得られます。

特に和文英訳を依頼する際には、英訳しやすいように、原稿自体の文章を整えておくことも重要です。これは、原文になる日本語が、英語に比べて主語を明記しなくても文章を書くことができるため、英訳の際に主語がはっきりしないことがあるからです。

さらに、日本語では名詞の単数・複数形が曖昧ですが、英訳の際には区別する必要があること、英文としては日本語原文にある単語を一部省略して訳出するのがよい場合もあります。

他人である翻訳者が原文自体をある程度理解できないと、よりよい訳文にはなりません。

 

5. 校正サービスをしているか

また、医療・医薬翻訳は、「命」を扱う分野であることから、正確な情報が求められます。そこで、翻訳のなかに「校正サービスが含まれているかを確認することも大切なポイントです。

例えば、どれだけ素晴らしい新薬でも、開発の際に研究結果の資料にひとつでも曖昧な点があれば、行政からの認可はもらえません。それは、医療翻訳・医薬翻訳の分野に関しては、用語や表現、論文、資料などを翻訳した際に、何かひとつでも間違いがあれば、それを読んだ人が間違った治療を行い、患者や被験者の命を奪う可能性があるからです。

特に論文の分野だと、正式に受理されるまで何回も校正する必要がある場合があります。これを毎回、翻訳依頼をしていると、大幅な時間とコストが費やされてしまいます。1つの案件について継続的にサポートしてもらえるかどうかが重要になってきます。

翻訳サービスのなかには、再校正を引き受けてくれるところや、それに備えたフォローの手厚い会社もあり、きちんと確認することが大切です。


また、会社によっては翻訳だけでなく内容にまでアドバイスしてくれるサービスもあり、単に医学論文の英訳を頼むだけでなく、論文を発表する前の第三者のチェック機関として、翻訳業者を利用している研究者もいます。

 

6. 情報セキュリティ上の体制はどうか

medical-translation-agency_4 翻訳対象のファイルに書かれている様々な情報について、情報漏えいのリスクも考えておかなくてはいけません。

例えば、開発中の新薬に関する翻訳を依頼したはずが、その翻訳会社から新薬に関する機密情報が漏れ、他人に特許申請されてしまえば、研究が全て水の泡になってしまいます。つまり、リスク対策を行っているかどうかは非常に大切なポイントになります。

多くの翻訳会社では、社内の翻訳者だけでなく、フリーランスの登録翻訳者も数多く抱えています。フリーランスの登録翻訳者は、国内だけでなく国外にも点在し、依頼言語や内容によって選ばれます。そして、依頼された翻訳を行うために、顧客ファイルにアクセスする必要があります。

また、ファイルを共有するためにログインIDやパスワードの共有、ファイル預かりサービスなどを使ってのファイルを転送、メール添付によるファイルの送受信、テキスト文を検索エンジンにテキストコピーして検索など、様々なところに大きなリスクがあります。

実際に、翻訳会社の社員が翻訳を依頼された原稿をサーバー上の内部資料ファイルに保存していた際に、不注意でパスワードをかけておらず、翻訳対象であった資料の情報が漏えいした事例があります。

他にも、故意ではなく無料翻訳サイトに入力した内容、例えば利用者の入力情報、個人間のメールだけでなく、中央省庁や銀行、弁護士と依頼者間でやり取りされたメール、顧客への融資に関するやり取りや採用情報、セミナーに関する打ち合わせといった、企業や個人を特定できる形でインターネット上に誰でも見られる状態で外部に公開されていた事例もあります。

悪意があってもなくても、機密性の高い内容が一度外部に公開されてしまえば、取り返しがつきません。

そのため、ウイルスソフトの使用や作業PCのパスワードロック、登録翻訳者・チェッカーとのNDA(秘密保持契約)の締結など基本的な対策を行っているかどうかを、依頼する前にきちんと確認することが大切です。

 

7. 対応のスピードはどうか

医療・医薬翻訳に限らず、翻訳を依頼する際には、翻訳者との間に翻訳会社の担当者が入り、やり取りを行うことがほとんどです。

翻訳スタッフとの間に担当者が入ることで、翻訳依頼を手軽にできますが、担当者によって翻訳を円滑に進められるかどうかが決まってきます。一概には言えませんが、見積もりの時点での対応のスピードは、基本的に仕事のスピードにも比例してきます。

医療翻訳は特に専門性が高いため、スピードだけに関して言えば、早すぎても翻訳の質が低下するなどの問題も起こり得ますが、こちらの質問・疑問にしっかり受け答えしてくれるかどうか、などきちんと対応してもらえるかどうかは大切な判断ポイントの1つです。

 

 

まとめ

以上、医療・医薬分野に強い翻訳会社を選ぶときに注意すべき点について説明をしました。医療翻訳では専門用語も多く、誤訳は命に関わってきますので、翻訳会社には高い専門性と豊富な経験が求められます。

 

今回紹介しました7つの点に留意されて、翻訳会社を選ばれることをお勧めします。

 

WIPの医療(メディカル)翻訳はこちら

  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • pocket
  • はてな

翻訳会社を選ぶおすすめの依頼方法:失敗しない10のキホン

WIPの翻訳をつくるサービスはこちら