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2020 Nov. 25

医療分野の翻訳(日英・英日):3つの特徴と4つの注意点


    • 医療(メディカル)分野は専門性が高い分野のため、適切な翻訳会社の選定が難しいと思われていませんか。今回は、医療(メディカル)分野翻訳(日英/英日)を発注するときに参考となる情報を共有します。

       

      1. 医療(メディカル)分野における翻訳の3つの特徴

      1-1. 用語の高い専門性と多様性

      医療分野の翻訳の最大の特徴は、その専門性の高い用語にあります。

      情報を正確に伝えることが重要なため文章自体はむしろシンプルな構造ですが、含まれる用語は非常に専門性が高く、また新しい知識にひもづく新しい用語が次々と生まれています。

      例えば、医学知識が倍になるために要する時間は、1950年頃は50年と推定されていましたが、1980年には7年、2010年には3.5年、そして2020年には73日と、驚くべきスピードで加速しています。したがって、翻訳者は絶えず知識をアップデートしなければなりません。*1

      また同じ単語でも、分野が異なると意味が異なることがあります。例えば、"stroke"は「脳卒中」という意味ですが、"heat stroke"となると「熱中症」という意味になります。

      最近は機械翻訳の精度がますます高まっていますが、専門性の高い医学用語の翻訳には限界があることが指摘されています。

      例えば、保護者に渡す子どもの健康上の注意点を書いた資料を機械翻訳で作成したところ、20の言語のうち正確に翻訳できていたのはスペイン語とポルトガル語のみだったという報告もあります。*2


      1-2. 対応範囲の広さ

      一言で「医療」と言っても、基礎医学には生物学や化学の知識、薬学系であれば薬理学などの知識も必要です。臨床医学では患者診療に関する知識も求められることがあります。学術系の論文は、必ず疫学統計学を用いた解析が行われていますので、統計学などの知識も必要とされるでしょう。

      原稿の種類も、学術論文や学会での発表資料、新薬の承認申請用資料、医療機器の使用説明書など、多岐に渡ります。

      また同じ医療分野の資料であっても、想定される読者層によって表現が変わります。例えば"airway"という単語は、医療者向けには「気道」ですが、一般読者向けには「空気の通る道」と訳した方が適切でしょう。


      1-3. 誤訳が許されない特殊性

      医療分野の資料には生命に直結する内容が含まれており、翻訳が間違っていると健康被害が生じる可能性があるため、誤訳は許されません。実際、翻訳のミスにより多くの人に健康被害が生じたことが報告されています。

      2006年から2007年にかけてドイツで人工関節が誤って使用され、47名の患者が被害を受けました。この誤用の原因は、"non-modular cemented"と記載されていた人工関節のパッケージが、"without cement"あるいは"non-cemented"と誤訳されていたことにありました。残念なことに多くの患者は再手術が必要となり、中には生涯にわたり問題が残った患者もいました。*3

      翻訳者には責任を持って真摯に翻訳に対応する姿勢が求められます。

       

      2. 翻訳を発注するときの4つの注意点

      これらの医療分野の特徴を考慮して、翻訳を発注するときに注意すべき4つのポイントをご説明します。

       

      2-1. 依頼側が注意すべきこと

      これは医療翻訳に限ったことではありませんが、依頼側は翻訳文書の使用目的と読者層を明確に翻訳会社に伝える必要があります。

      2-2. 翻訳会社に医療翻訳の実績がある

      どのような種類の文書の翻訳実績があるのかを確認します。翻訳者は、学術論文、医療機器の使用説明書、新薬の承認申請用資料など種類が違う資料すべてに対応できるわけではありません。

      また、翻訳件数が多い会社は、それだけ最新の知識に触れる機会が増えますので、知識をアップデートしている指標になるかもしれません。

      2-3. 医療専門の翻訳者が対応している

      一つの目安として、日本翻訳協会が定める「医学・薬学翻訳能力検定(英日・日英)」の2級以上を取得している翻訳士であれば、ある程度の品質は担保されるでしょう。

      また、医学英語検定試験(日本医学英語教育学会)の2級以上を取得している翻訳士であれば、かなり高レベルの英語が使える証左になります。

      翻訳能力が問われるものではありませんが、医薬品の治験に関係する資格「治験実務英語検定」(日本CRO協会)に合格している訳者は、治験に対する知識や経験、そして使用される日/英語の用語に精通していることの目安になるでしょう。

      2-4. 翻訳工程に厚みがある

      翻訳を確認する人数が多いほど翻訳のエラーが減ります。翻訳後にチェック工程があるかどうかを確認しましょう。

      また、学術誌などは英文校正の証明書を求めるところもあります。英文校正の証明書を発行してくれるところがよいでしょう。証明書を発行するということは、翻訳に責任を持つことの証にもなります。

      3. 最後に―信頼できるパートナーを見つけましょう

      最初は試行錯誤されるかもしれません。しかしながら、発注先を都度変えるのではなく、少数の信頼できるパートナーを見つけることをお勧めします。

       

      出典:
      *1 Densen P. Challenges and Opportunities Facing Medical Education. Trans Am Clin Climatol Assoc. 2011;122:48-58
      *2 Das, P. Dangers of machine translation: The need for professionally translated anticipatory guidance resources for limited English proficiency caregivers. Clinical Pediatrics , 2019; 58 (2): 247–249
      *3 Fakler JK, et al. Errors in handling and manufacturing of orthopaedic implants: the tip of the iceberg of an unrecognized system problem?" Patient Safety in Surgery 1(1), 5.

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