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Feb. 09, 2021

お客様ができる翻訳コストカット(その4)

 

お客様が翻訳会社に翻訳を依頼されようとした際、「コスト」は最も気になる点の一つかと思います。前回は、以下の「2 CATツールを使用する」ことでコストカットを実現する方法をお伝えさせていただきました。

1 Excelでメモリを管理する
2 CATツールを使用する
3 原稿をシンプルにする
4 翻訳のスケジュールを確保する

 

今回は、原稿をシンプルにすることでコストを抑える方法についてお伝えさせていただきます。

3 原稿をシンプルにする

原稿が複雑なレイアウトになっている場合は、翻訳料金とは別にレイアウト調整費が発生する可能性が高くなります。もちろんお客様の方でレイアウト調整をされる場合は別ですが、それぞれ事例を交えながら、コストを少しでも抑える方法についてお伝えします。

 


(Excel原稿の事例1)

1つの文章にもかかわらず、複数のセル(複数行)にまたがってレイアウトされている原稿を支給していただくことがあります。

このような場合、原文の文章の長さと訳文のそれとは異なりますので、翻訳作業に加えて、レイアウト調整の作業が発生します。1つのセル内に文章が入っていれば自動的に調整されるのですが、複数のセルにまたがっている場合は、列の長さに合わせて、文章を途中で区切るなどしてレイアウトを調整する必要があります。

したがって、その費用が別途かかってしまうのですが、お客様が原稿作成をされる際に、複数行にまたがりそうな文章については、セルを結合するなどして、1つのセル内にまとめて頂くことで費用を抑えることができます。

 

 

(Excel原稿の事例2)

シートや列が非常に多く、翻訳対象のセルがまばらに位置する原稿
を支給していただくことがあります。

このような場合、翻訳作業に集中しづらく、翻訳モレや誤訳などのミスが発生する可能性が高くなるため、翻訳を始める前に、Excel上で対象のセルのみを表示させたり、別途Wordファイルに翻訳対象のみをまとめたりし、翻訳が終わった後にまた元の状態に戻す必要があります。

したがってこの作業に対する費用が別途かかってしまうのですが、もしこの作業をお客様の方で対応していただければ当然その費用は発生しません。

 

 

(PowerPoint原稿の事例)

PowerPoint原稿の場合はレイアウト調整費が発生することが多いのですが、言語ペアと原稿のレイアウトの組み方により料金が左右されます。


たとえば、原文が日本語で、訳文が英語の場合、どうしても英語の方が幅長の文章になりますので、余白が少なく、文章がぎっしり記載されている原稿ですと、英語のレイアウト調整に時間と労力がかかります。

一方、原文が日本語で、訳文が中国語の場合、中国語の方が短い文章になりますので、上記のような原稿でも、中国語のレイアウト調整に要する時間や労力は減ります。

このようなことから、料金に差が出てくるわけです。原文より訳文の方が長くなることが分かっているような場合は、原稿を作成される際にその分も見越して、余白を多めにとったり、テキストボックスなどオブジェクト同士で干渉しないようにレイアウトを組んでいただいたりすると費用をある程度抑えることができる可能性があります。

なお、スライド内のテキストボックスの数が非常に多くなる場合は、言語ペアがどうであれ、レイアウト調整に時間と労力がかかってしまうため費用に変更はありません。

(原稿内の画像とwebサイトの事例)
画像内の文字
もし原稿内に翻訳対象の画像が含まれる場合は、そのままでは翻訳の納品ができません。なぜなら、お客様がどの文章の翻訳かが分かるように、原文の文字を起こすか、ナンバリングをする必要があるからです。少量であれば費用がかかることは稀ですが、量が多くなるとやはりこの作業の費用がかかってしまいます。

また、webサイトの翻訳を依頼される際にも、ご支給がURLのみですと、同じように文字起こし等の作業が発生します。ですので、これらのような場合はお客様の方であらかじめ原文をWordなどでまとめていただくと費用を抑えることができます。

 

Illustrator-logo
(InDesign/FrameMaker/原稿の事例)

原稿がInDesignやFrameMakerの場合、もしお客様の方で編集作業が可能であれば、翻訳会社には翻訳作業のみを依頼していただくことでコストを抑えることが可能です。

元データさえご支給いただければ、翻訳支援ツールにて翻訳を行い元データに上書きしてお戻しすることができるため、翻訳作業の費用のみが発生する形になります。

ただし、元データがIllustratorの場合は、翻訳支援ツールを使用できないため、翻訳作業のみを依頼される場合でも、別途Wordの対訳表作成などの費用が発生してしまいます。もちろんお客様の方で原文をWordなどにまとめていただければその費用は発生しません。

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以上、いかがでしたでしょうか。

原稿が複雑になればなるほど翻訳作業以外の費用がかかってしまいます。したがって、できるかぎり原稿はシンプルにまとめていただくことがよいのですが、どうしても業務上、原稿が複雑になってしまうことはあるかと思います。

そのような場合でも元原稿とは別に、翻訳対象のみを抜き出したWordなどを別途準備していただくとある程度費用を抑えることが可能かと思われます。

次回は「4 翻訳のスケジュールを確保する」についてお伝えします。(中後)

 

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