現在、業務の翻訳で使えそうなAIのサービスには、従来の「ニューラル機械翻訳サービス」である「Google翻訳」「DeepL翻訳」の2種、「生成AI」である「ChatGPT」「Gemini」「Claude」の3種の合計5種があげられます。(2024年9月現在)
いずれのサービスも、サービスごとに特徴がありますが、特に言語によって翻訳の精度に差がありますので、言語によって使い分けるのがいいのではないでしょうか。
AIサービスの対応言語数
Google翻訳 | DeepL翻訳 | ChatGPT(GPT-4) | Gemini | Claude | |
対応言語数 | 約250 | 32 | 40以上 | 40以上 | 100以上 |
各AIサービスの言語ペアごとのストロングポイント
Google翻訳 | DeepL翻訳 | ChatGPT(GPT-4) | Gemini | Claude | |
英語から欧州言語 | ◎ | ◎ | |||
日本語から英語 | ◎ | ◎ | |||
日本語からアジア言語(中国語簡体字・繁体字、韓国語など) | ◎ | ||||
英語から日本語 | ◎ |
上記はあくまで2024年9月現在の評価となります。AIは日々飛躍的に進歩しているため、短期的に大幅な変動がある場合もありますので、ご了承ください。
従来のAI翻訳(ニューラル機械翻訳サービス)
Google翻訳
DeepL翻訳
生成AIを使った翻訳
ChatGPT
Gemini
Claude
AI翻訳+AIによる校正チェック
日本語から英語
日本語からアジア言語(中国語簡体字・繁体字、韓国語など)
英語から日本語
AI翻訳+人間によるチェック
AI翻訳+社内スタッフによるチェック
AI翻訳+翻訳会社によるチェック
従来のAI翻訳(ニューラル機械翻訳サービス)
従来のAI翻訳は、人間がAIにデータを学習させることで、そのデータの中からAIが適切な回答を探して提示するという性質のものでした。従来のニューラル機械翻訳の代表的なサービスが「Google翻訳」や「DeepL翻訳」となります。
- 非常に手軽に利用できる(利便性)
- すぐに翻訳結果が表示される(即時性)
- 無料版であればコストが全くかからない(コスト削減)
- 「英語から欧州言語への翻訳」に関しては、非常に精度が高い
- 訳抜け、誤訳の可能性がある
- 「アジア語同士の翻訳」に関しては評価が低い(日本語⇔アジア言語など)
-
訳文の文章表現を指定できない(業界特有の言い回しなどの文章表現)
-
スタイルガイドに基づく文章スタイルの指定ができない
- 高度な専門用語などを含んだ文章の翻訳に課題
- 品質要求が高い案件にはまだ難しい
Google翻訳
https://translate.google.co.jp/
「Google翻訳」無料版と有料版の主な違い
-
セキュリティの懸念
- 入力されたテキストデータは、サービスの改善や機械学習モデルの訓練に使用される可能性がある- 個人情報や機密情報を含むテキストの入力は推奨されていない
- カスタマイズオプションが非常に限定的
- 用語集の設定や分野の選択ができない
- 特定の専門分野や企業固有の表現に対応することが困難
- セキュリティの向上
- より厳格なデータ保護ポリシーが適用
- 企業のニーズに合わせたセキュリティ設定が可能
-
カスタム翻訳モデルの作成が可能
- 用語集を設定できる
- コーパス(過去の翻訳データ)を活用してエンジンをカスタマイズできる
- 特定の分野や企業独自の用語や表現を使った翻訳が可能に
無料版「DeepL翻訳」と有料版「DeepL Pro」の主な違い
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セキュリティの懸念
- 無料版のDeepL翻訳で入力した内容はサービス向上を目的とした学習データとして利用
- 文字数制限がある
- ファイル翻訳には、月単位での利用回数制限
- ファイル翻訳では、翻訳結果の編集不可
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文字数制限がない
- セキュリティの向上
- 翻訳の作成と送信に必要な範囲でのみ一時的に保存され、翻訳文を受け取った後は削除される - ファイル翻訳で、月に利用できる回数が増える
- ファイル翻訳では、翻訳結果の編集が可能に
- 日本語の敬体・常態にも対応可能に
- 従来型ではない、次世代翻訳(LLM系)も登場
生成AIを使った翻訳
- 手軽に利用できる(利便性)
- すぐに翻訳結果が表示される(即時性)
- 無料版であればコストが全くかからない(コスト削減)
- イギリス英語とアメリカ英語の指定ができる
- 訳文の文章表現を指定できる
- スタイルガイドに基づく文章スタイルの指定ができる
- 対話形式で翻訳の修正指示などが可能
- 「アジア語同士の翻訳」に関しても一定の評価を得ている
- プロンプト(ユーザが入力する指示や質問)が、訳文の品質に大きく影響する
- 品質管理(毎回、出力結果が異なることがある)
- 訳抜け、誤訳の可能性がゼロではない
- 高度な専門用語などを含んだ文章の翻訳に課題
- 品質要求が高い案件にはまだ難しい
ChatGPT
- ChatGPTのインターフェースは50以上の言語に対応(翻訳対応言語数は不明)
- 「GPT-4」の翻訳精度が翻訳業界でも高評価
- 文脈を理解し、説明や言い換えを加えながら翻訳できる
Gemini
- ウェブアプリとモバイルアプリでは40以上の言語に対応(翻訳対応言語数は不明)
- マルチモーダル機能により、テキストだけでなく画像や音声も含めた翻訳が可能
- まだ発展途上のサービスであり、機能や精度の向上が期待される
Claude(クロード)
AI翻訳+AIによる校正チェック
一度AIが翻訳した翻訳結果を「生成AI」に校正チェックさせることで、翻訳の品質を向上させることができます。言語によっていろいろな組合せが考えられますが、以下は現時点でおすすめする言語ペアとAIの組合せです。
日本語から英語
「日本語から英語」の翻訳に関しては、「DeepL翻訳」と「ChatGPT(GPT-4)」 の精度がかなり高いので下訳にはこちらをおすすめします。
翻訳結果を「ChatGPT(GPT-4)」 で校正チェックを行えばかなりの翻訳精度が期待できます。
「日本語から中国語簡体字・繁体字などのアジア言語」に関しては、最初にAIが翻訳する段階で「ChatGPT(GPT-4)」が飛び抜けていますので、「ChatGPT(GPT-4)」による翻訳+「ChatGPT(GPT-4)」による校正チェックがおすすめです。
「Claude」は流暢な日本語のアプトプットを強みとしていますので、「英語から日本語の翻訳」に関しては、まず最初に「ChatGPT(GPT-4)」で翻訳を行い、「Claude」で文章表現を含めて校正チェックを行うのでおすすめです。
AI翻訳+人間によるチェック
AI翻訳+社内スタッフによるチェック
AI翻訳+翻訳会社によるチェック
- 参考文献: