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Jun. 22, 2025

昔と今、翻訳の現場はどう変わった?紙原稿が語る、翻訳会社の進化とAI時代の対応術

 

「昔は翻訳会社に原稿を送るって言ったら、FAXか郵送だったんだよ」

もしあなたがベテランのビジネスパーソンなら、そんな話を聞いたことがあるかもしれません。大量の紙が山積みになり、電話とFAXがひっきりなしに鳴る――。そんな翻訳会社のイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに、かつての翻訳業界では、紙の原稿をFAXで送ったり、郵送したり、時には直接手渡しで受け渡しをしたりするのが一般的でした。しかし、デジタル化が進んだ今、翻訳の現場は劇的に変化しました。ほとんどのやり取りがデジタルデータで行われるのが当たり前です。

それでも、ごく稀に、昔ながらの「紙原稿」で翻訳依頼が来ることもあります。今回は、そんな翻訳プロセスの進化と、AI翻訳が当たり前になった時代における「紙原稿」への当社の対応術についてお話ししましょう。

 

昔と今:翻訳プロセスの劇的な変化

昔の翻訳会社:紙と電話が主役の時代

かつての翻訳会社にとって、紙の原稿はまさに「仕事の入口」でした。

  • 原稿の受領: 顧客から送られてくるFAXのガリガリという音、郵送されてくる厚みのある封筒。時に、お急ぎの場合は担当者がバイク便で原稿を取りに走る、なんてこともありました。
  • 翻訳作業: 受け取った紙の原稿を、翻訳者が辞書を片手に手書きでメモをしながら翻訳を進めます。専用の翻訳支援ツール(CATツール)もまだ普及しておらず、人力での作業が中心でした。
  • 納品: 翻訳が完了した原稿も、再度印刷して郵送したり、FAXで送ったり、時には顧客先へ直接納品しに行ったり。もちろん、修正があればそのたびに紙でのやり取りが発生します。

この時代は、物理的な距離や時間の制約が大きく、情報の受け渡しだけでもかなりの労力と時間がかかっていました。

現代の翻訳会社:デジタルデータが標準に

今や、翻訳の現場は大きく様変わりしました。

  • デジタルデータでのやり取りが基本: ほとんどの翻訳依頼は、PDF、Word、Excel、PowerPoint、各種デザインデータなど、すべてデジタルデータで送られてきます。メールやクラウドストレージを通じて、瞬時に原稿の受け渡しが完了します。
  • 翻訳支援ツール(CATツール)の活用: 翻訳者はCATツール(Computer Assisted Translation Tools)を駆使して作業を進めます。これにより、過去の翻訳資産(翻訳メモリ)や用語集を効率的に活用し、品質の均一化と納期の短縮を実現しています。
  • AI翻訳との連携: 高度なAI翻訳(機械翻訳:MT)と人間の翻訳者によるポストエディット(MTPE)を組み合わせることで、大量の翻訳をスピーディーかつコスト効率良く提供することが可能になりました。

これにより、物理的な制約はほとんどなくなり、世界のどこからでも翻訳依頼を受け、どこへでも納品できるグローバルな体制が確立されています。

 

稀にやってくる「紙原稿」:その背景と当社の対応術

デジタルデータが主流の今でも、ごく稀に「紙でしか存在しない原稿」が翻訳会社に持ち込まれることがあります。

なぜ今でも紙原稿が存在するのか?

その背景には、以下のような理由が考えられます。

  • 古い資料や歴史的文書: デジタル化されていない昔の契約書、議事録、設計図など。
  • 手書きのメモや図面: 現場で急遽作成された手書きの指示書や、アイデアスケッチなど。
  • アナログ前提の業務プロセス: 特定の業界や企業で、未だ紙ベースのワークフローが残っている場合。
    • 特に官公庁や一部の規制業界における慣習: 法律や規定により、報告書や申請書類、許認可に関する資料などにおいて、いまだに紙媒体での提出や保管が義務付けられているケースがあります。「原本性」や「押印」の重要性、監査・保管要件、あるいは厳格なセキュリティ上の理由から、デジタル化が進みにくい分野も存在します。
  • 印刷物からの翻訳依頼: パンフレットや書籍、雑誌などの印刷物からテキストを抽出して翻訳したい場合。
  • セキュリティ上の理由: デジタルデータ化できない、またはしたくない機密文書など。

このような「紙原稿」の依頼があった場合、当社ではデジタル時代の技術を駆使して対応しています。

当社の対応術:Google レンズなどのOCR技術を駆使!

  1. 1. 高精度スキャンとOCR処理:

    • まず、専用の高精度スキャナーを使用し、紙原稿をクリアなデジタル画像(PDFや画像ファイル)に変換します。
    • 次に、Googleが提供するGoogle レンズのようなOCR(光学文字認識)技術や、その他の高性能OCRソフトウェアを組み合わせ、画像から文字情報を抽出します。これにより、手書き文字もある程度の精度でテキスト化することが可能です。
    • Google レンズの活用: 例えば、急ぎの内容確認であれば、A4の紙原稿をGoogle レンズで撮影し、瞬時にテキスト化・簡易翻訳を行うことで、大まかな内容を素早く把握することができます。これにより、顧客との初期コミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
  2. 2. テキストデータのクレンジングと整形:

    • OCRで抽出されたテキストデータは、完璧ではありません。文字の誤認識やレイアウトの乱れがあるため、熟練のオペレーターが手動で**クレンジング(修正)**し、翻訳に適した形に整形します。この工程が、その後の翻訳品質を左右する重要なポイントです。
  3. 3. CATツールとAI翻訳の活用:

    • クリーンなテキストデータになったら、通常通りCATツールにインポートし、過去の翻訳資産や用語集を活用。必要に応じてAI翻訳(MT)による下訳を行い、人間の翻訳者がポストエディットを実施します。
  4. 4. 納品形式の柔軟性:

    • 最終的な翻訳データは、WordやPDFなど、お客様のご希望のデジタル形式で納品します。ご要望に応じて、元の紙原稿のレイアウトを再現したDTP(デスクトップパブリッシング)サービスも提供可能です。

まとめ:「アナログ」と「デジタル」をつなぎ、ビジネスを加速する

紙の原稿が稀になったとはいえ、それが存在する限り、私たちは対応する必要があります。かつての手作業中心の時代から、スキャン、OCR、AI翻訳、そしてプロの翻訳者の知見を組み合わせることで、当社は「アナログな情報」を「デジタルな価値」へと変換し、お客様のグローバルビジネスを止めないためのサポートを提供しています。

Google レンズのような身近なAIツールから、プロの翻訳技術まで、貴社の「言語の壁」に関するあらゆる課題は、ぜひ当社にご相談ください。どんな形式の原稿でも、最適な翻訳ソリューションをご提案いたします。

 

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