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Sep. 12, 2025

【DTP翻訳】取扱説明書翻訳で失敗しないための完全ガイド|料金、注意点、翻訳のプロが解説

 

海外市場で製品を販売する際、取扱説明書は単なる補足資料ではありません。それは、製品の安全な使用方法を伝え、ユーザー体験を向上させ、そして何よりも現地の法規制を遵守するために不可欠な、企業の責任を示す文書です。しかし、日本語の取扱説明書をそのまま外国語に翻訳するだけでは、深刻な誤解や事故につながるリスクをはらんでいます。

取扱説明書翻訳は、言語能力に加え、技術的な正確さ、専門知識、そして各国の規制要件を深く理解したプロの技術が不可欠です。本記事では、取扱説明書翻訳で失敗しないための注意点から、料金目安、実際の事例まで、包括的に解説します。

 


目次


 

分野・業界業種別、取扱説明書の翻訳が必要となるシーン

取扱説明書は、製品の特性や用途に応じて多種多様な種類が存在します。以下に、主要な分野・業界別に翻訳が必要となる取扱説明書の種類をまとめました。

製造業・機械・電子機器

  1. ユーザーの安全と製品の正常な動作を確保するために、極めて正確な翻訳が求められます。

    • ユーザーマニュアル: 製品の使用方法、トラブルシューティング、保守方法などを記載。

    • インストールガイド: ソフトウェアや機器のインストール手順をステップごとに解説。

    • サービスマニュアル: 技術者向けに、製品の修理やメンテナンス方法を詳細に記載。

    • 安全データシート(SDS): 化学物質の危険性や安全な取り扱い方法を記載。

  2. 医療・医薬・化学

    誤訳が人命に関わるため、最も厳格な正確性が求められます。各国の規制当局の承認を得るためにも重要です。

    • 医療機器マニュアル: 機器の操作方法、注意点、安全に関する警告などを厳密に説明。

    • 医薬品添付文書
      : 医薬品の成分、効能、用法・用量、副作用、禁忌事項などを正確に記載。

    • 臨床試験プロトコル: 臨床試験の手順や評価項目を詳細に記載。

  3. 金融・法務・不動産

    専門用語や特有の言い回しが多く、厳密な翻訳が求められます。各国の規制や法律への配慮も重要です。

    • サービス約款利用規約: 金融商品やサービスに関する規約を正確に説明。

    • 契約書: サービス提供や取引に関する法的文書。

    • 不動産賃貸マニュアル: 賃貸物件の入居者向けに、設備の利用方法や規則を説明。

  4. 教育・学術

    専門用語に加え、分かりやすさが求められます。対象読者(学生、研究者など)に合わせた表現が重要です。

    • 教育用ソフトウェアマニュアル: ソフトウェアの操作方法や学習コンテンツの利用方法を解説。

    • 研究機器マニュアル: 研究者が使用する専門機器の操作方法を解説。

全種共通の取扱説明書翻訳における注意点

取扱説明書は、単なる文章の置き換えではありません。以下の点に特に注意が必要です。

  • DTP(デスクトップパブリッシング)への配慮

    • 文字数の増減: 日本語は文字数が少ないため、英語やドイツ語などのアルファベット言語に翻訳すると、文字数が1.5倍〜2倍に増加する傾向があります。翻訳の段階で、レイアウトに収まる簡潔な表現を選ぶ必要があります。

    • フォントの互換性: 使用するフォントが、翻訳する言語の文字セットに対応しているかを確認する必要があります。

    • 図表との連携: 図中の部品番号や注釈の翻訳も漏れなく行い、図とテキストが完全に一致するようにします。

  • トーン&マナーの統一

    • ブランドイメージの維持: 「です・ます調」で親しみやすくするか、「〜せよ」といった命令形で厳密に記述するかなど、製品の特性に合わせたトーンを維持することが重要です。

    • 一貫した用語: 製品名、部品名、警告文言など、取扱説明書全体で用語が統一されている必要があります。翻訳メモリや用語集の活用が不可欠です。

  • 正確な翻訳と法的・規制的要件

    • 厳密な正確性: 安全警告、手順、技術仕様は、一語一句正確に翻訳する必要があります。誤訳は製品の誤用や事故につながります。

    • 各国の法規制: 製品が販売される国・地域の法律に準拠した表現やフォーマットにすることが求められます。特に、欧州市場のCEマーキングや、医療機器における米国のFDAの規制など、特定の規格への準拠は不可欠です。

分野・業界業種別の取扱説明書翻訳における注意点

  1. 製造業・機械・電子機器

    • 部品名・型番: 正式な名称や型番は変更せず、統一した表記を徹底します。

    • 警告文言: 「Danger(危険)」、「Warning(警告)」、「Caution(注意)」といった警告レベルの翻訳は、現地の安全基準に合わせた表現にします。

    • ステップバイステップの指示: ユーザーが迷わないよう、番号付きリストや簡潔な動詞を用いて、手順を明確に翻訳します。

  2. 医療・医薬・化学

    • 専門用語の厳密性: 薬品名、成分名、病名などは、国際的な標準表記や現地の規制に準拠した厳密な翻訳が求められます。

    • 法的・規制的表現: 各国で異なる法規制やガイドラインを考慮した表現にする必要があります。

  3. 金融・法務・不動産

    • 法的文言の正確性: 契約条件、免責事項、リスク開示情報など、法的拘束力を持つ可能性のある文言は、現地の法律の専門家によるチェックが推奨されます。

    • 通貨・日付表記: 通貨記号(€, $など)や、日付の表記方法(例:MM/DD/YYYY, DD/MM/YYYY)を現地の習慣に合わせます。

取扱説明書翻訳の料金目安と費用対効果

取扱説明書翻訳の料金は、主に翻訳料金DTP(デスクトップ・パブリッシング)費用の二つで構成されます。

翻訳料金の目安

  1. 翻訳料金は、翻訳する言語の文字数(または単語数)と、内容の専門性によって変動します。

    • 日本語文字数ベース: 1文字あたり 18円〜30円が一般的な目安です。

    • 専門性による変動: 専門性の高い分野の翻訳は、料金が高くなる傾向にあります。

  2. DTP費用の目安

    翻訳されたテキストを、元の取扱説明書のデザインに流し込み、レイアウトを調整する作業費用です。

    • 1ページあたり 5,000円〜20,000円が目安です。

    • 変動要因: ページ内の文字量、図やグラフの多さ、デザインの複雑性によって費用は大きく変動します。

  3. 費用対効果を最大化するポイント

    • DTP作業の一貫依頼: 翻訳とDTPを同じ会社に依頼することで、連携不足による修正コストや時間のロスを防ぎ、結果的に総コストを抑えることができます。

    • 翻訳メモリの活用: 取扱説明書は改訂やシリーズ製品で共通の文章が多く使われるため、翻訳メモリを作成・活用することで、大幅なコスト削減と納期短縮が可能です。

取扱説明書翻訳のケーススタディ

海外向け家電製品のマニュアル多言語化

依頼主: 大手家電メーカー

目的: 新型デジタルカメラの取扱説明書を、欧米・アジア向けに英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語に翻訳したい。

翻訳対象言語:
英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語


当社の対応プロセス:

  • ご相談とデータ入稿: 日本語版の取扱説明書データを、Adobe FrameMakerおよびIllustrator形式でご提供いただきました。安全に関する警告文や図版が多いことが特徴でした。

  • 用語集の作成と専門翻訳: 事前にデジタルカメラの技術用語集を作成。各言語の技術分野に精通した翻訳者が、専門用語の統一を徹底しながら翻訳を開始しました。

  • 翻訳メモリの構築: 過去に翻訳された類似製品のマニュアルデータと、今回の翻訳内容を翻訳メモリとして構築。これにより、次回以降の製品マニュアル翻訳のコストと時間を大幅に削減できる基盤を確立しました。

  • 多言語DTP作業と最終チェック: 翻訳されたテキストをDTPデータに流し込み、図版のキャプションも各言語に差し替え。翻訳後の文字数増減に合わせて、レイアウトを調整しました。また、各国の専門家による最終チェックを行い、各国の安全基準に準拠しているかを確認しました。

結果: お客様からは、「複雑なマニュアルを、複数の言語で正確かつ一貫性のある内容に仕上げてもらえた。製品を安心して海外に投入できる」と高い評価をいただきました。

取扱説明書翻訳をご利用いただいたお客様の声

  • 医療機器のマニュアル翻訳をお願いしました。厳密な専門用語が正確に翻訳されており、現地の医療機関からも信頼を得ることができました。」(50代 医療機器メーカー)

  • 「当社の産業機械の取扱説明書を翻訳していただきました。膨大な量の文書でしたが、用語の一貫性が保たれており、技術者も安心して使用できます。」(40代 製造業)

  • 「海外向けのゲームソフトマニュアルを翻訳してもらいました。単なる直訳ではなく、ゲームの世界観に合った言葉選びで、ユーザーにも好評です。」(30代 IT・ゲーム開発)

取扱説明書翻訳に関してよくある質問(FAQ)

Q1. 取扱説明書のデータはPDFしかないのですが、翻訳できますか?
A1. はい、可能です。PDFや画像データからも翻訳は承っております。ただし、元のデザインデータ(Adobe InDesign、Illustratorなど)がない場合、DTP作業は一からレイアウトを再構築する必要があるため、別途費用と時間がかかる場合があります。

Q2. 翻訳とDTP作業を別々の会社に依頼するメリット・デメリットは?
A2. 翻訳とDTPを別々に依頼すると、翻訳後のテキストが長すぎてレイアウトが崩れるなど、連携不足による問題が頻発しがちです。当社では、翻訳からDTPまで一貫して対応することで、これらの問題を解消し、品質管理を徹底しています。


Q3. 翻訳料金以外にかかる費用はありますか?

A3. 翻訳料金に加えて、デザインデータ(Adobe InDesign、Illustratorなど)への翻訳テキストの流し込み、フォント調整、レイアウト調整などのDTP作業費用が別途発生します。正確な費用は、原稿を拝見した上で個別にお見積りいたします。


Q4. 取扱説明書の翻訳で、特に重要な点は何ですか?

A4. 最も重要なのは「安全」です。誤訳による製品の誤使用や事故を防ぐため、安全に関する警告文や手順は、各国の規制や慣習を考慮した厳密な翻訳が求められます。


まとめ:翻訳メモリの活用と長期的なコスト削減

取扱説明書は、製品のライフサイクルを通じて何度も改訂されることが一般的です。その都度ゼロから翻訳を依頼していては、コストと時間ばかりがかかってしまいます。

そこで重要となるのが、翻訳メモリの活用です。翻訳メモリとは、過去に翻訳した原文と訳文をデータベースとして蓄積する技術です。これにより、改訂版の翻訳では、変更・追加された部分のみを翻訳すればよくなるため、翻訳コストを大幅に削減し、納期を短縮できます。

当社では、単なる翻訳だけでなく、お客様の長期的なコスト削減と効率化を見据えたご提案を行っています。海外展開における取扱説明書翻訳でお困りの際は、ぜひご相談ください。

 

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