2025年も残すところあとわずか。年末商戦の足音が聞こえてきます。かつてはアメリカのイベントだった「ブラックフライデー」は、今や世界共通となり、クリスマス商戦へと続く一連の流れは、越境ECなどの市場において重要な期間となっています。

2025年冬の世界的な商戦のトレンドと、国ごとの消費傾向をご紹介します。

1. 2025年冬のトレンド

以前は「クリスマス商戦」が主役でしたが、越境ECの爆発的な普及もあり、近年は「ブラックフライデー（＆サイバーマンデー）」に移っています。クリスマスが本質的に「文化（キリスト教圏）」や「ギフト」に根差しているのに対し、ブラックフライデーは「割引」という万国共通のキーワードを持っています。

また世界的に、インフルエンサーによる「ライブコマース」や、SNS経由で購入する「ソーシャルコマース」が活発化しています。消費者は「タイパ（タイムパフォーマンス）」を重視し、AIによるレコメンド機能を活用して「探す手間」を省く傾向にあります。そのため、パーソナライズされた提案から、決済・配送までのスムーズな体験が強く求められています。

ブラックフライデー、クリスマス商戦、年末商戦の違いをみてみましょう。

ブラックフライデー＆サイバーマンデー

• 期間: 11月初旬～12月中旬
• 特徴: EC売上の最大化、大幅割引
• 準備: 商品説明の最適化、広告LPの作成、決済画面のUI/UX改善が鍵となります。

クリスマス商戦

• 期間: 12月上旬～12月25日
• 特徴: EC＋実店舗の連携、ブランドロイヤリティの促進、ギフト需要
• 準備: ブランドストーリーの発信、ギフトガイド作成、SNSでの共感型コンテンツが効果的です。

年末商戦

• 期間: 11月下旬～翌年1月（旧正月まで）
• 特徴: 次年度に向けた関係構築、在庫一掃
• 準備: グリーティングメールの配信や、顧客情報の更新手続きが推奨されます。
  
  

2. 地域別に見るトレンド

「冬の商戦」と一口に言っても、地域によって重視されるイベントや消費者のマインドは異なります。

欧米圏

インフレ鎮静化の兆しが見え始めたことに伴い、高額商品の動きが復調傾向です。ブラックフライデーからサイバーマンデーまでの期間は、ホリデーシーズンの準備としての色が濃く、迅速な配送オプションが購買の決め手になりやすいです。品質やブランドストーリー、そして環境への配慮（エコ配送など）が高く評価される傾向にあります。クリスマス直前には、顧客へのホリデーメッセージの配信が進む時期です。

アジア圏

中国では11月11日の「独身の日（ダブルイレブン）」に売上が大きく伸びますが、その熱気はブラックフライデーにも波及しています。韓国では、全国的なショッピングフェスティバル「コリアセールフェスタ」と時期が重なります。東南アジアでは、11.11、12.12といったゾロ目の日に行われる「メガセール」が主流です。インドでは、冬は「ウェディングシーズン」であるため、ギフトや衣類、宝飾品の需要が継続します。クリスマスは宗教的な色合いよりも、年末のビッグセールとして捉えられ、美容・ファッション関連の動きが活発化します。

まとめ

ターゲット市場に合わせたローカライズは、商戦期を最大限に活用することに繋がります。2025年冬が実りあるものであるとともに、皆様にとって楽しいものでありますように