翻訳してほしい!とWIPジャパンにたどり着いた方々は、「品質が良い翻訳をしてほしい!」とお望みの方が多いのではないでしょうか?
品質を求めてWIPジャパンにたどり着いた方、大正解です!何しろWIPジャパンの最大の売りは「品質の良さ」なのですから。
この品質は何もアウトプットだけの品質を指すのではありません。翻訳に従事するスタッフ全員の人間的な資質も指して「品質」と呼んでいます。
今回は翻訳の品質担保の中核を担う「バイリンガルチェック」を担当するチェッカーの皆さんに、お仕事の内容や今後の野望などを聞いてみました。
リンギストとしての彼らのプロフェッショナリズムに触れてもらうとともに、人間性をも垣間見てもらい、よりWIPを身近に感じていただければと思います。
WIPに対する信頼性をさらに増していただけること間違いなしです!
Q1. どうしてチェッカーの仕事をしようと思ったのですか?
『映画をよく観るのですが、その影響で英語が大好きになりました。それをきっかけに、日本語と英語の朗読レッスンに参加するようになり、言語の表現というものに魅力を感じ、校正という仕事にたどり着きました』
『以前は別の翻訳会社でコーディネーターをしていました。コーディネーターの仕事をしていく中で、もっと直接的に翻訳工程に関わりたいと思い、チェッカーを志しました。なぜ翻訳者じゃなくてチェッカーなのか?というと、人の文章を読むのが好きだったからですね。翻訳者としての経験もありますが、0から1を作るよりも、既存のものの品質を高めていく方が自分の性に合っていると感じたのです。また、チェッカーの仕事では翻訳者、コーディネーター、クライアントと関わることもでき、チームプレーができる点も魅力でした』
『当初は翻訳コーディネーターをしていました。コーディネーターをしながらチェッカーの仕事も行い、ついにはチェッカーを専業とするようになりました』
『翻訳業界で働きたい!という気持ちがあり、チェッカーという仕事ならば翻訳工程を俯瞰して見られるため、総合的な力が得られると感じたからです』
『以前の会社では日々のタスクの傍ら社内で翻訳もしていましたが、自己流ではなくもっと翻訳者としての力量を高めていきたい、と思い、チェッカーの仕事を始めました』
もともと翻訳関連の仕事に従事される中でチェックに興味を持った方、英語への興味からチェッカーへの道を選ばれた方など、バックグラウンドはそれぞれですね!
皆さんに共通しているのは言語や表現に対する強い興味・関心です。
Q2. 週にどのくらい(何本)のチェックを担当していますか?
『状況により、ですね。1週間で7~8本担当したこともあれば、大規模な案件に携わったときには、ひとつの翻訳を3か月かけてチェックしたこともあります』
『案件の規模は様々ですが、1週間に約8本のチェックを担当しています』
『週によってまちまちです。大きなもの1本をひたすらチェックすることもあれば、大小合わせて5本チェックするときもありますね』
『案件の規模でだいぶ変わってきますが、1本~7本くらいですかね』
『ボリュームにもよりますが、一日平均2本チェックとして、週に10本くらい担当しています』
ボリュームによりますが、皆さん一日に1~2本ほど対応されているようです!
チェックに3か月かかる案件…いったい何十万ワードあったのでしょう。
Q3. どのようにチェックしているか、フローを教えてください
皆さんの意見をまとめると、以下のようにチェックされているようです。
① 案件の仕様を確認
・どのようなテイストで翻訳したいか、指定されている用語はあるか、参考資料はあるか、など。
② 原文と訳文を突き合わせながら、訳漏れや誤訳がないか、固有名詞や数値が間違っていないかをチェック
・レイアウト調整が必要な場合は、翻訳前に多少調整しておく
・このときに修正が必要そうな箇所をピックアップしておく
③ 修正が必要な個所を修正する
・必要に応じて翻訳者や英語ネイティブチェッカーに表現の問題がないかを相談する(母国ではない言語を修正する場合、必ずネイティブの意見を聞いてから修正)
④ 訳文全体を通して読み、修正によって論理的に破綻していないか、用語の不統一がないか、レイアウトが崩れていないかを確認する
⑤ クライアント向けのコメントをまとめる
・誤訳はもちろんですが、「日付」「数字(金額)」「固有名詞」は三大重要ポイント(ケアレスミスが発生しやすい)なので、チェッカーの皆さんにもとても気を使っていただいています。
ひとくちにチェックといっても様々なステップを経て作業いただいているのですね!
Q4. これまで担当した仕事で、いちばんつらかったことを教えてください。
『いままでチェックの仕事で辛さを感じたことはないです』
『色々辛かったことはあるけれども、喉元を過ぎれば…という感じで終わったら達成感でいっぱいです(笑)』
『納品後に、「あそこはもっとこうすれば改善できたかも」と気づくとき、悔しさを感じます』
『リードタイムが短いがチェック分量が多く、またレイアウト調整も必要だったときには、時間との戦いでした…』
『急ぎの案件で、チェックの時間が限られているときは、プレッシャーを感じます』
やはり納期との戦いになりやすい仕事です。
ただ辛いことがないという方や(すごいですね!)、終わり良ければ総て良し精神の方も。
Q.5 つらい状況をどのように乗り越えますか?
まとめると以下のような回答をいただきました。
・つらい状況に陥ってしまう前に、コーディネーターをはじめとして他のチェッカーやネイティブチェッカーと相談してチームで進めていくようにしている。
・事前に固有名詞などを調べたり、原文を読み込んだりして下調べし、チェックを効率的に行えるようにしている。
・クライアントが最重要視しているものを最優先にし、優先度の高い順に確実にチェックしていく
ひとりで抱え込まないことは大切ですね。翻訳のお仕事は孤独になりがちですが、チェッカーだからこそ色んな人を巻き込んで仕事ができるようです。チームで仕事をすると、より魅力的な訳文が仕上がりますね!
納期とのバトルについては、下調べや優先順位をつけるなど、あらかじめ整理しておくことで臨む方が多いようです。
WIPのチェッカーが非常にチェックという仕事に対してプロフェッショナリズムをもって取り組んでいることがおわかりいただけたかと思います。
チェックの仕事に対する愛も感じますね!「好き」な気持ちはすべてを超越します。
後編では、チェック時に大切にしていることや楽しいと感じること、そして今後の野望についても聞いていきたいと思います。お楽しみに!
(川嶋)
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