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「DTP翻訳」と聞くと、多くの人がInDesignやIllustrator、FrameMakerといった専門性の高いソフトウェアを思い浮かべるでしょう。しかし、ビジネスの現場で最も頻繁に多言語化されるドキュメントは、実はWordやExcelで作成されたものです。契約書、プレゼン資料、レポート、価格表、顧客データ――。これらは日常的に国境を越え、翻訳が必要とされます。
「Word/Excelは単なるテキスト編集ソフトでは?」と思われるかもしれません。しかし、これらもまた「簡易レイアウト」を持つDTPドキュメントとして、専門DTPソフトとは異なる特有の課題と効率化のポイントが存在します。
本記事では、Word/ExcelデータをDTP翻訳の視点から捉え直し、効率的な多言語化プロセス、よくあるトラブルとその回避策、および「コストを抑えつつ品質を確保する」ための当社のノウハウを、徹底解説します。
1. Word/ExcelがDTP翻訳の対象となる理由:その「簡易レイアウト」の重要性
WordやExcelは、一見すると「文字と表の塊」に見えますが、実際には「簡易DTP」としての機能を持ち合わせています。
1-1. 一般的なビジネス文書の主流
多くの企業で日々の業務に用いられるため、グローバル展開時には必然的にこれらのファイルの多言語化が必要になります。製品仕様書、サービス約款、Webサイトのテキスト、社内規程など、その範囲は多岐にわたります。
1-2. 意外と複雑な「簡易レイアウト」
- Wordの場合:目次、ヘッダー/フッター、ページ番号、図表番号、インデント、箇書き、スタイル設定、画像配置、テキストボックス、SmartArtなど、簡易ながらも文書構造や視覚的要素が組み込まれています。
- Excelの場合:セルの結合、色付け、罫線、グラフ、コメント、図の挿入など、データそのものに視認性を高めるためのレイアウト情報が含まれます。
1-3. 翻訳後の「体裁維持」がビジネス成果に直結
ビジネス文書では、単に翻訳が正確なだけでなく、「読みやすさ」「信頼性」といった体裁が重要です。改ページが崩れたり、表の幅が変わったりするだけで、内容の理解度が下がり、ビジネス上の機会損失に繋がりかねません。Word/ExcelのDTP翻訳では、原文のレイアウト意図を忠実に再現することが求められます。
2. Word/Excel DTP翻訳の「4つの課題」とプロの解決策
専門DTPソフトにはない、Word/Excel特有のDTP翻訳課題が存在します。
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① テキスト抽出の精度と「隠れた情報」:Word/Excelは、テキストボックス、図形内のテキスト、コメント、メモ、オブジェクトのaltテキスト、非表示セルなど、「通常のコピペでは見落としがちな情報」が散在しています。当社では翻訳支援ツール(CATツール)の設定を細かく調整し、すべてのテキスト情報を確実に抽出します。
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② 文字増減によるレイアウト崩れ:Wordでは改ページがずれ、Excelではセルの結合や列幅が崩れることがあります。当社では熟練のDTPデザイナーが手動で微調整を行い、原文と変わらない読みやすさを確保します。特にExcelのグラフ内テキストなどは、手動での調整が必須となるケースが多いです。
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③ フォントの互換性と文字化け:欧州言語やアジア言語では、日本語フォントに含まれない文字が多く、文字化けが発生しやすいです。当社ではターゲット言語に適した「商用利用可能で互換性の高い多言語フォント」を選定し、どの環境でも正しく表示されるよう配慮します。
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④ マクロやスクリプトの無効化:翻訳プロセスでマクロが失われたり、誤作動を起こしたりする可能性があります。翻訳前にマクロの有無を確認し、翻訳対象外とすべき部分は事前に保護し、必要な機能は翻訳後に再適用します。
3. プロが教える「翻訳しやすい」Word/Excelデータの作り方:DTP翻訳を見据えた原稿作成術
翻訳コストを下げるためには、制作段階での「仕込み」が重要です。
- 「スタイル」の積極活用(Word):「見出し」などのスタイルを定義することで、翻訳後のフォント一括置換やレイアウト調整が劇的にスムーズになります。
- テキストボックスの削減:極力本文中にテキストを収め、レイヤー構造をシンプルに保ちます。
- 翻訳対象外範囲の明確化(Excel):翻訳不要な列やシートを事前に分離しておくことで、翻訳コストと手間を削減できます。
- 画像をテキストとして扱わない:文字を含んだ図やグラフは、編集可能な形式で提供するか、テキスト部分を本文中に記述します。
- 不必要な改行・スペースの削除:強制改行や連続スペースは、翻訳支援ツールでの処理を妨げ、調整を複雑にする原因となります。
4. Word/ExcelのDTP翻訳ワークフロー:専門DTPソフトとの連携も
当社では、Word/ExcelファイルのDTP翻訳も、厳格な品質管理体制のもとで行います。
- 1. 原稿分析・DTP適性診断:翻訳の難易度、DTP調整の工数を事前に見積もり。
- 2. CATツールによるテキスト抽出・翻訳:翻訳メモリや用語集を活用し、正確に抽出。
- 3. ネイティブによる翻訳・校正:業界知識を持つ翻訳者が自然な表現で翻訳。
- 4. DTP編集・レイアウト調整:文字増減に伴う改ページ、表幅、図版の配置を細やかに調整。
- 5. 品質チェック:翻訳内容とレイアウトの両面から最終検証。
- 6. 最終ファイル納品:修正可能なWord/Excel形式、またはPDFにて納品。
5. まとめ:Word/Excel DTP翻訳でビジネスコミュニケーションを加速
Word/Excelを用いたビジネス文書の多言語展開は、単なる翻訳作業ではありません。それは、貴社の情報が世界のパートナー、顧客、従業員に「正しく」「伝わる」ためのDTP戦略です。
「Word/Excelだから簡単」と安易に考えると、文字化け、レイアウト崩れ、意味の誤解など、思わぬトラブルに繋がりかねません。当社は、Word/Excelの特性を熟知した翻訳者とDTPデザイナーが連携し、貴社のグローバルコミュニケーションを力強くサポートします。
ビジネス文書の多言語化におけるお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

多言語カタログ・マニュアルの品質を、一気通貫のDTP翻訳で実現。 「翻訳後のレイアウト崩れを防ぎたい」「多言語展開の管理コストを削減したい」といった課題を解決します。当社では、翻訳からInDesign・Illustrator・FrameMaker・Word/Excel等のレイアウト編集までをワンストップで提供。高品質な多言語ドキュメントを作成します。















Feb. 13, 2026