日本国内でヒットした「機能性表示食品」を、そのまま海外へ展開したい――。 そう考えたとき、多くのメーカー様が最初に直面するのが「現地の法規制(表示規制)」の壁です。
特に東南アジアや東アジアの国々では、食品と医薬品の境界線が非常にシビアです。日本の感覚で「疲労感を軽減」「睡眠の質を改善」「美肌効果」といった表現を直訳して持ち込むと、多くの国で「未承認医薬品」とみなされ、通関で止まるか、店頭から撤去されるリスクがあります。
しかし、現地のスーパーやドラッグストアに行くと、なぜか「法的にはNGなはずの表現」を巧みに使っている競合商品が棚に並んでいることがあります。なぜ彼らはそれができるのでしょうか?
今回は、多くの日本企業が見落としている「机上の法令調査(原則)」と「現場の運用実態(本音)」のギャップについて、実際の支援事例を交えて解説します。
📋 目次
1. 「条文確認」だけではビジネスチャンスを逃す
海外進出の際、まずは現地の法律を調査するのが一般的です。しかし、公開情報に基づくだけの調査(いわゆる机上調査)では、以下のような「教科書的な回答」しか得られないことがほとんどです 。
「食品において、体の機能増強や治療を暗示する表現は原則禁止です」
「効果効能を謳うには医薬品登録が必要です」
これを受けて「何も言えないなら売れない」と進出を断念したり、逆に「どうせバレないだろう」とリスクを軽視して強行し、トラブルになるケースが後を絶ちません。 ここで重要なのは、「法律の条文(原則)」と「当局の運用(実態)」は必ずしも一致しないという事実です 。
2. 「黙認ライン」を見極めるWIPのアプローチ
WIPが推奨しているのは、条文の確認にとどまらず、「どこまでなら許容されるか(黙認ライン)」を突き詰める調査手法です 。
多くの国では、法令上は禁止されていても、特定の言い回しや文脈、あるいはビジュアル表現であれば当局が黙認しているケースが存在します。この「勝ち筋」を見つけるために、私たちは以下の2つのアプローチを行います。
1. 現地専門弁護士による「運用実態」の確認
単なる条文翻訳ではなく、現地の実務に精通した弁護士から「法的な建前」と「実際の運用・摘発リスク」についての見解(Legal Opinion)を取得します。
2. 「現地現物」による競合分析
現地の売り場を実際に調査し、競合他社がどのようなパッケージ表現や広告コピーで規制をクリア(あるいは回避)しているか、その手法を棚卸しします。
これらを掛け合わせることで、御社が使いたい訴求コピーに対し、「Red(完全NG)」「Yellow(工夫次第で可)」「Green(問題なし)」の判定を行い、現地で通用する「代替表現(言い換え案)」をご提案します 。
3. 【事例】大手食品メーカー様の海外展開プロジェクト
ある大手食品メーカー様は、独自素材を使用した製品の東南アジア展開にあたり、その高い機能性をどう伝えるかに悩まれていました。
課題
日本国内ではエビデンスに基づき明確な機能訴求(例:特定の健康維持機能)を行っていましたが、進出先の国では食品に対する規制が厳しく、そのまま翻訳すると違法となる恐れがありました 。
解決策
WIPにて現地の法務・実務調査を実施。「原則禁止」というルールの裏にある、当局の「許容範囲」と、現地消費者に響く「表現のトレンド」を徹底的に調査しました。その結果、直接的な効能表現を避けつつ、現地の消費者が自然と機能をイメージできる「言い換え表現」や、リスクを分散させるプロモーション手法を開発しました 。
成果
法務部門が懸念するコンプライアンスリスク(守り)をクリアにしつつ、マーケティング部門が求める訴求力(攻め)を確保した状態で、自信を持って現地展開のロードマップを描くことができました。
4. まとめ:その「翻訳」、リスクではありませんか?
日本の素晴らしい商品を海外に届けるために必要なのは、単なる「言葉の翻訳」ではなく、「規制と市場の文脈を読み解く力」です 。
「現地の法律ではNGと言われたが、本当に道はないのか?」
「競合他社がやっているあの表現は、なぜ許されているのか?」
もしこのような疑問をお持ちであれば、ぜひ一度ご相談ください。条文だけでは見えない「現地のリアル」に基づいた、実践的な解決策をご提案いたします。

【WIPジャパン 海外リサーチ・コンサルティング】 「攻め(マーケティング)」と「守り(法規制)」の両立を支援します。 まずはお気軽にお問い合わせください。












Jan. 30, 2026