最近、翻訳の手段として機械翻訳(AI翻訳)を選択する人が多くなり、翻訳アプリの種類もたくさん出てきました。では、機械翻訳を利用するのはどんなケースでしょうか。
中国でも広がる機械翻訳の利用
中国では、個人で海外に出かける時に、現地ガイドに頼るより、機械翻訳を使う傾向があります。ほとんどお金もかからず、スマホで検索すればすぐ翻訳が出てくる利便性もあります。そして、団体ツアーではないプライベートな旅行を満喫することもできます。
会社の場合は、コスト削減の理由だけで機械翻訳を選択しているのではないかと思います。おそらくそうした会社は、海外に進出する計画や目的もなく、外国人は主な販売対象ではないと考えているのかもしれません。少なくともそう感じられます。
このように、機械翻訳の最大のメリットは低コストです。これは逆に、翻訳のデメリットでもあります。つまり「安かろう悪かろう」という言葉は、ある程度において間違いではないのです。
以前、中国でとても盛り上がった翻訳の話題があります。日本で見たちょっと変な誤訳についての話です。その中で面白かった例を共有します。日本で見かけた、ちょっと変な翻訳の例(日中翻訳)
これは上野公園の看板ですが、赤枠の日本語の「お静かにご覧ください」という文章が、中国語訳では「静静さん、見てください」の意味になっています。
この中国語訳は全然間違っていて、何を言っているのかわかりません。
上部の中国語訳は「裏を掃除しています」という意味になっていて間違いです。一方、下部の翻訳は正しいです。
中国で見かけた、ちょっと変な翻訳の例(中日翻訳)
「夫婦の肺の写真」ではなく、正しい和訳は「ホルモンの辛味和え」です。
「私たちの甘いおしり」ではなく、正しい和訳は「ロバ肉の香り炒め」です。どうして機械翻訳による誤訳が使われ続けるのか
どうして上記のような機械翻訳による誤訳を使用したのでしょうか?
理由は機械翻訳の安さにあるからでしょう。機械翻訳と比べ、人力翻訳は確かに高くて、時間もかかります。しかし、正確性からいえば、人力翻訳の圧勝です。
ある国の市場を開拓したいなら、その国の正確な言語表現が必要です。もし、ある会社のホームページを見て、自分の国の言語が機械翻訳によるもので、間違いだらけだったとすると、「多分、この会社は私の国の人を販売対象にしておらず、重視もしていないのだろう。私はこの会社のものは買わない」という気持ちを抱かせることになります。
以前掲載されていた新聞記事によれば、日本のあるドラッグストアが販促資料を機械翻訳し、売上が振るわなかったのですが、人力翻訳で新しく訳出したところ、売上が3倍になったそうです。自然な翻訳かどうかは作業フローで決まる
ちなみに人力翻訳でも、翻訳会社によって、翻訳作業の流れと品質管理が違います。中国におけるほとんどの翻訳会社では、以下の作業フローとなっています。
例:中日翻訳の場合
翻訳:中国人翻訳者
↓
一次チェック:中国人チェッカー
↓
二次チェック:日本人チェッカー
※二次チェックを行わない翻訳会社もありますWIPジャパンの作業フローは、上記とは異なります。
翻訳:日本人翻訳者
↓
一次チェック:日本人チェッカー
↓
二次チェック:中国人チェッカーどちらかよいかは一概に言えませんが、WIPジャパンの作業フローでは、翻訳文の流暢さと正確性が保証されます。それは、母語翻訳者より自然な翻訳はないと考えるからです。
もちろん、機械翻訳の正確性は日々改善されています。旅行などのカジュアルな時に使う場合は、機械翻訳は実に便利です。ただ、オフィシャルな場合、ビジネスで利用する場合は、必ず人力翻訳を選択することを心からお勧めします。
WIPジャパンはコストパフォーマンスが高い翻訳を提供できると自負しています。(李)