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Jul. 01, 2025

予算を最大限に活用!官公庁が翻訳を効果的に外注する方法

 

国の根幹を支える官公庁(中央省庁、関係機関、外局など)の方達は、国内外への情報発信、国際条約の締結、海外機関との連携など、多岐にわたる業務で高品質な翻訳を必要とされていることでしょう。法令、白書、外交文書、国際会議資料、そして専門性の高い調査報告書など、扱う文書は多種多様です。

しかし、「厳格な公的予算と複雑な調達ルールの中で、どうすれば最適な翻訳サービスを選び、最大の成果を得られるのか?」と悩む担当者の方も少なくないはずです。


この記事では、官公庁の予算区分から考える翻訳外注のパターン、そして翻訳会社選びの具体的なポイント見積もり依頼のコツ(特に随意契約時)、さらには情報セキュリティとトラブル回避策まで、予算を賢く使い、国民への説明責任を果たしながら翻訳成果を最大化するためのすべてを解説します。

官公庁における翻訳外注の主要パターン

官公庁の活動内容と予算構造に基づき、翻訳外注の主なパターンを4つに分類します。

 

1. 国際連携・外交活動に伴う翻訳

国際社会における日本のプレゼンスを高め、他国との協力関係を構築するための翻訳です。

  • 主な目的:

    • 国際条約・協定: 二国間・多国間条約、協定、議定書などの法務翻訳。

    • 外交文書: 外交交渉記録、公式声明、公電、書簡などの翻訳。

    • 国際会議資料: 国連、G7/G20、APECなどの国際会議における発表資料、議事録、配布文書の翻訳。

    • ODA関連文書: 政府開発援助(ODA)事業の計画書、評価報告書、契約書などの翻訳。

  • 主な使用予算:

    • 外務省予算: 外交活動、国際協力事業に充てられる予算。

    • 各省庁の国際協力・連携推進費: 所管分野の国際協定締結や連携事業のための予算。

    • 運営費交付金: 法人の基本運営に必要な経費の一部。

  • 主な外注先の例:

    • 法務翻訳や国際政治・経済分野に専門性が高く、国家機密を扱える厳格なセキュリティ体制を持つ翻訳会社。

2. 政策立案・情報発信に伴う翻訳

国民や国際社会に対し、国の政策や取り組みを正確かつ分かりやすく伝えるための翻訳です。

  • 主な目的:

    • 法令・規程: 新たな法律、政令、省令、ガイドラインなどの多言語化。

    • 白書・年次報告書: 国民経済白書、防衛白書、環境白書など、各省庁が発行する白書や年次報告書の翻訳。

    • 政府広報: 政策の解説、イベント告知、パンフレット、ウェブサイトコンテンツの多言語化。

    • プレスリリース: 重要な政策発表や統計情報を海外メディアに発信する際の翻訳。

  • 主な使用予算:

    • 広報広聴費: 政策の広報や国民への情報提供に必要な予算。

    • 調査研究費: 政策立案のための調査報告書作成に関連する予算。

    • 各省庁の事業費: 所管業務に関連する情報発信に必要な経費。

  • 主な外注先の例:

    • 行政文書、広報翻訳に強く、専門用語や公式なトーンを正確に再現できる翻訳会社。DTP(組版)対応可能な会社も便利です。

3. 調査研究・技術開発に伴う翻訳

特定の分野における調査研究や、技術開発の成果を国内外で共有・活用するための翻訳です。

  • 主な目的:

    • 学術論文・報告書: 研究機関や省庁が実施した調査研究の学術論文、技術報告書の翻訳。

    • 特許文書: 国際的な特許出願のための特許明細書、図面説明、審査書類の翻訳。

    • 規格・基準: 国際的な標準規格、技術基準、認証ガイドラインなどの翻訳。

    • 技術提携資料: 海外の研究機関や企業との技術提携に関する技術仕様書、契約書などの翻訳。

  • 主な使用予算:

    • 研究開発費: 科学技術振興、特定の技術開発のための予算。

    • 知的財産関係費: 特許出願や権利化に関わる費用。

    • 運営費交付金: 法人の基本運営に必要な経費の一部。

  • 主な外注先の例:

    • 該当分野(科学、工学、医療、情報通信など)の専門性が高く、学術論文や特許翻訳の実績が豊富な翻訳会社。

4. 組織運営・法務・コンプライアンス関連の翻訳

官公庁の円滑な運営を支え、法令遵守を確保するための翻訳です。

  • 主な目的:

    • 内部規程・ガイドライン: 国際機関派遣職員向け規程、外国人職員向け服務規律などの多言語化。

    • 契約書: 海外のベンダーとのITシステム導入契約、コンサルティング契約、施設管理契約などの法務翻訳。

    • 監査報告書: 国際的な監査機関への提出資料、内部監査報告書の翻訳。

    • 研修資料: 国際協力事業における現地職員向け研修マニュアル、教材の翻訳。

  • 主な使用予算:

    • 一般管理費: 職員の人件費や総務・経理など、組織運営に必要な経費の一部。

    • 法務費: 法律相談や契約関連業務に必要な費用。

  • 主な外注先の例:

    • 法務翻訳、ビジネス翻訳に強みを持つ翻訳会社。特に、日本の行政法規や国際法に精通していると安心です。

翻訳会社選びの具体的なポイント:公的予算と説明責任を果たすために

官公庁が翻訳会社を選ぶ際には、一般的な品質・コストに加え、公的資金の適切な使用、透明性、説明責任、そして情報セキュリティの最高基準を満たすことが極めて重要です。

公的調達・会計制度への対応力

    • 入札参加資格と実績: 翻訳会社が国の競争入札参加資格を有しているか、そして過去に官公庁との取引実績があるかを確認しましょう。入札の要件(格付け、実績、体制など)を満たしているかは必須です。

    • 随意契約・見積もり提出の理解: 少額契約や特定の理由による随意契約の場合、複数の見積もり取得、見積書の詳細な内訳記載、納品書・請求書の厳格な形式など、官公庁特有のルールに精通し、柔軟かつ正確に対応できるかを確認しましょう。

    • 予算執行の知識: 各省庁の予算区分や会計ルール(年度末の対応、繰越手続きなど)を理解し、スムーズな手続きに協力してくれるかどうかも重要なポイントです。

  1. 最高レベルの情報セキュリティと機密保持

    • 官公庁が扱う情報は、国家機密、未発表の政策情報、個人情報など、極めて機密性が高いものが含まれます。翻訳会社が厳格な機密保持契約(NDA)を締結できることは必須であり、その内容(損害賠償、情報の破棄など)も厳しく確認しましょう。

    • 情報セキュリティ体制: ISO/IEC 27001(ISMS)などの国際的な情報セキュリティ認証を取得しているか、物理的セキュリティ(入退室管理)、ネットワークセキュリティ(暗号化通信、アクセス制限)、人的セキュリティ(従業員への機密保持教育)が徹底されているかを詳細に確認しましょう。

    • 翻訳データの管理: 翻訳データの授受方法(セキュアな専用システム利用の有無)、翻訳会社でのデータ保存期間、作業終了後のデータ消去方法など、データライフサイクル全体にわたるセキュリティを確認しましょう。

  2. 専門分野の知識と翻訳者の質

    • 各省庁の所管分野(外交、経済、科学技術、医療、法律など)に深い専門知識を持ち、専門用語や法令用語に精通した翻訳者が在籍しているかを確認しましょう。誤訳は政策や国際関係に重大な影響を及ぼす可能性があります。

    • ネイティブチェック体制: 特に、国際社会に向けた公式文書や白書など、高い品質と自然な表現が求められる文書の場合、ネイティブスピーカーによる最終的な表現調整(ネイティブチェック)が不可欠です。

  3. 品質管理体制と説明責任

    • 多段階の品質管理プロセス: 翻訳、校正、レビュー、ネイティブチェックなど、徹底した品質管理プロセスが確立されているか。品質保証に関する明確な基準を持っているかを確認しましょう。

    • 問い合わせ・修正対応: 納品後の質問や修正依頼に対し、迅速かつ的確に対応してくれるか。特に、査読コメントへの対応など、外部からの意見を受けての修正が発生する可能性も考慮しておきましょう。

見積もり依頼時の注意点と準備:無駄のない予算執行のために

効果的な翻訳外注のためには、事前の準備が不可欠です。

  1. 翻訳の目的、ターゲット、公開範囲を明確にする

    • 目的: 国際社会への公式発表、海外政府機関との交渉、内部資料など、翻訳の目的を明確に伝えることで、品質レベルや表現の厳密さを適切に調整できます。

    • ターゲット読者: 国際機関の担当者、海外の専門家、一般市民など、誰が読むのかを具体的に伝えることで、翻訳会社は最適な翻訳者を選定し、適切なトーンで提案できます。

    • 公開範囲: 公開文書か、非公開の内部資料か、特定の関係者のみへの配布か、などによっても機密性への配慮や作業体制が変わります。

  2. 原稿の正確性と完全性を確保する

    • 依頼する原稿は、正確で分かりやすい日本語で書かれているかを事前に確認しましょう。曖昧な表現や誤字脱字が多い原稿は、翻訳の品質低下や修正コストの増加につながります。法令用語など、官公庁特有の表現は統一されているか確認しましょう。

    • ファイル形式: Word、PowerPoint、PDFなど、提供するファイル形式を明確に伝えましょう。PDFや画像データの場合、テキスト抽出作業やDTP作業が発生し、費用や納期に影響が出ることがあります。

  3. 参考資料と用語集を提供する

    • 過去に翻訳した関連文書、省庁独自の専門用語集、公式の表記ルール(地名、人名、組織名など)があれば、積極的に翻訳会社に提供しましょう。これにより、翻訳の一貫性を保ち、品質向上につながります。特に、継続的に依頼する案件では、翻訳メモリ(TM)や用語集の活用が非常に重要です。

  4. 納期と予算の上限を明確に伝える

    • 国際会議の期日、法令公布日など、厳守すべき納期がある場合は明確に伝えます。また、予算の上限がある場合は伝えることで、翻訳会社は予算内で可能な最適なプランを提案しやすくなります。

トラブルを避けるための注意点:国民への説明責任を果たすために

官公庁として、翻訳外注におけるトラブルは、国民からの信頼や行政の信頼性に関わるため、極力避けるべきです。

  1. 厳格な機密保持契約(NDA)の締結と履行状況の確認

    • 契約前にNDAを締結するのはもちろん、翻訳会社が実際にそのNDAの内容を徹底して履行しているか(物理的・技術的・人的管理体制)を定期的に確認することが重要です。必要であれば、セキュリティ監査の実施も検討しましょう。

  2. 契約内容の十分な確認と法務部門との連携

    • 見積書の内容だけでなく、契約書に記載された権利義務、責任範囲、著作権の帰属(特に重要)、損害賠償規定、納品物の瑕疵担保責任、支払い条件、キャンセル規定などを、必ず法務部門や担当部署と連携して事前に詳細に確認しましょう。

  3. コミュニケーションと進捗報告の徹底

    • 翻訳作業中も、疑問点や確認事項があれば遠慮せずに翻訳会社に問い合わせ、認識のずれを防ぎましょう。翻訳会社からの質問には迅速に対応することが、品質維持につながります。定期的な進捗報告を求める体制も有効です。

  4. 納品物の複数段階チェック体制

    • 納品された翻訳物は、必ず依頼部門で内容を確認しましょう。特に、専門用語の正確性、文脈の適切性、法令用語の整合性について、複数名の専門家や担当者がクロスチェックを行う体制が望ましいです。

  5. 著作権と情報公開・利用範囲の明確化

    • 翻訳された文書をウェブサイトや他の印刷物で二次利用する可能性がある場合、翻訳会社との契約で著作権の取り扱い(通常は、対価を支払うことで官公庁に譲渡されるか、利用許諾が得られる)を明確にしておくことが重要です。また、情報公開法に基づき開示請求があった場合の対応についても確認しておきましょう。

まとめ

官公庁における翻訳外注は、国際社会における日本の地位向上、国民への正確な情報提供、そして効率的な行政運営に不可欠な役割を担っています。公的予算を預かる責任を果たすためにも、透明性の高いプロセスで信頼できる翻訳会社を選定し、最高品質の翻訳成果を得ることが求められます。

この記事でご紹介したポイントが、みなさまの官公庁における翻訳プロジェクトの成功に役立つことを願っています。

もし、翻訳外注に関してさらに詳しい情報や具体的なアドバイスが必要な場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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