目次
・InDesignの翻訳とは?
・InDesignファイルを翻訳する主な方法と実践的ポイント
・InDesign翻訳を成功させるための実践的ポイント
・InDesign翻訳のケーススタディ:海外向け製品カタログ
・InDesign翻訳をご利用いただいたお客様の声
・InDesign翻訳の料金目安と費用対効果
・InDesign翻訳に関してよくある質問(FAQ)
InDesignの翻訳とは?
Adobe InDesignは、パンフレット、雑誌、書籍など、印刷物や電子書籍のデザインを専門とするDTP(デスクトップ・パブリッシング)ソフトウェアです。このInDesignで作成されたファイルを、元のデザインやレイアウトを維持したまま多言語に翻訳する作業を、当社では「InDesignの翻訳」と呼んでいます。
InDesign翻訳で重要なポイント
一般的な文書翻訳と異なり、InDesign翻訳では以下の点が重要になります。
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レイアウトの維持: 翻訳によってテキストの長さが変わっても、元のデザインの美しさや読みやすさを損なわないように調整する必要があります。
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効率的なテキスト抽出: 大量のテキストを手作業でコピー&ペーストするとミスが発生しやすいため、翻訳支援ツール(CATツール)を利用してテキストを効率的に抽出・翻訳します。
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専門的なDTP知識: 翻訳後のテキストを元のファイルに流し込み、レイアウトを調整するには、InDesignに関する専門知識が必要です。
InDesignファイルを翻訳する主な方法と実践的ポイント
InDesignファイルを翻訳する際は、主に以下の3つの方法があり、それぞれの特性を理解することが重要です。
1. 翻訳支援ツール(CATツール)を使用する
この方法が最も一般的で効率的です。
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仕組み: InDesignファイルをCATツール(例:Trados、Phrase)に読み込ませることで、テキスト情報だけを自動で抽出します。
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作業プロセス: 翻訳者は抽出されたテキストをツール上で翻訳し、翻訳が完了したファイルをInDesign形式で出力します。これにより、翻訳文が自動で元のレイアウトに反映されます。
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利点:
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翻訳資産の活用: 翻訳メモリや用語集の活用により、過去の翻訳資産をデータベース化。用語の一貫性を保ち、コスト削減に繋がります。
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品質と一貫性の向上: 同じ表現が繰り返し出てくる場合、自動で翻訳文を呼び出すことで、品質と一貫性を担保できます。
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2. AI翻訳ツールとCATツールを連携させる
最近のAI技術の進化により、AI翻訳ツールをInDesign翻訳に活用する動きが広がっています。
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活用方法: CATツールで抽出したテキストをAI翻訳ツール(例:ChatGPT)で一括翻訳し、CATツールに戻して専門家がポストエディット(修正・校正)を行うワークフローです。
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Adobe InDesignのAI機能: Adobe InDesign自体も、テキストの改行位置や行送りを自動で調整する機能(Adobe Sensei)などを備えており、DTP作業の効率化に貢献しています。
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注意点: AI翻訳はまだ完璧ではないため、必ず専門家による最終確認が必要です。特に、専門用語や文化的ニュアンスを含む表現は、人間によるポストエディットが欠かせません。
3. テキスト情報を手作業でコピー&ペーストする
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仕組み: InDesignファイルからテキストを手作業でWordなどにコピー&ペーストし、翻訳後、再び手作業で元のファイルに戻す方法です。
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注意点: 非常に手間がかかり、ミスが発生しやすい非効率的な方法です。大規模なドキュメントや専門的な内容には不向きです。
InDesign翻訳を成功させるための実践的ポイント
1. 翻訳前に準備すべきこと
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編集可能なデータの提供: 翻訳会社に依頼する際は、PDFではなく、元のInDesignファイル(.indd)とその関連ファイル(画像、フォントなど)をすべて提供してください。これにより、スムーズなDTP作業が可能になります。
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IDML形式の活用: InDesignのバージョン間での互換性を高めるため、IDML(InDesign Markup Language)形式でデータを書き出すことを推奨します。多くのCATツールがIDMLに対応しており、バージョンによるトラブルを回避できます。
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翻訳メモリと用語集の共有: 過去に翻訳したファイルがあれば、翻訳メモリや用語集を共有することで、翻訳の品質と一貫性が向上し、コスト削減にもつながります。
2. 翻訳後のDTP作業の重要性と具体的項目
翻訳が完了した後も、レイアウトの調整は不可欠です。
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文字数の増減: 日本語と外国語では文字数が大きく異なるため、翻訳後のテキストが枠に収まらなかったり、空白ができたりします。
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フォントの変更と埋め込み: 翻訳先の言語に対応したフォントに変更し、印刷会社で正しく表示されるよう、フォントを埋め込むかアウトライン化する必要があります。
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画像のリンクと解像度: InDesignファイルに画像が正しくリンクされているか、印刷に必要な解像度(通常300dpi以上)があるかを確認します。
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カラースペースの確認: 印刷用データは通常CMYKカラースペースで作成されるため、RGBで作成された画像やデザインをCMYKに変換する必要があります。
InDesign翻訳のケーススタディ:海外向け製品カタログ
依頼主: 大手製造業メーカー
目的: 新製品の海外販売に際し、既存の日本語カタログを多言語に翻訳したい。
当社の対応プロセス:
- ご相談とデータ入稿: ご担当者様から、カタログのInDesignファイル(IDML形式)と関連画像をご提供いただきました。
- CATツールによるテキスト抽出と専門分野翻訳: CATツールでテキストを抽出し、製品の専門知識を持つ翻訳者が翻訳。翻訳メモリと用語集を活用することで、多言語間での用語の一貫性を保ちました。
- DTP作業: 翻訳後のテキストを元のInDesignファイルに流し込み、レイアウトを調整。文字の増減に合わせてフォントサイズや行間を調整し、元のデザインの魅力を維持しました。
- 納品: 印刷会社に入稿可能な高品質なPDFファイルと、InDesignの編集可能なデータ(.indd)を納品しました。
結果: お客様からは「翻訳からDTPまで一貫して任せられたので、部門間の連携がスムーズで助かった。納品されたデータも高品質で、すぐに印刷に回すことができた」と高い評価をいただきました。
InDesign翻訳をご利用いただいたお客様の声
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「製品マニュアルの多言語化でお願いしました。専門用語が非常に多い文書でしたが、用語集を作成してくれたおかげで、内容に一貫性があり、安心して海外展開を進められました。」(50代 製造業技術担当者)
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「年に一度の会社案内を毎年多言語で翻訳しています。過去の翻訳資産を翻訳メモリに登録してもらうことで、翻訳コストが年々下がっており、非常に助かっています。」(40代 経営企画担当者)
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「デザインにこだわりがあるパンフレットだったので、翻訳後のレイアウト崩れが心配でしたが、当社の要望を丁寧に汲んでいただき、元のデザインを損なうことなく翻訳していただけました。」(30代 広告代理店)
InDesign翻訳の料金目安と費用対効果
InDesign翻訳の料金は、翻訳料金とDTP費用の2つで構成されます。
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翻訳料金:
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日本語文字数に基づいて算出されます。
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目安: 1文字あたり10円〜30円(言語や専門性によって変動)
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DTP費用:
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翻訳後のテキストをInDesignファイルに流し込み、レイアウト調整を行う費用です。
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目安: 1ページあたり5,000円〜20,000円(ページの複雑さや文字量によって変動)
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費用対効果と納期の最適化
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翻訳メモリの資産価値: 初回はコストがかかるが、翻訳メモリに蓄積された資産は、今後の翻訳プロジェクト(例: 改訂版マニュアルの翻訳)で大きなコスト削減と納期短縮につながります。
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納期とコストのバランス: 翻訳品質を重視する場合、時間とコストをかける必要があります。緊急の依頼では特急料金が発生することを事前に把握しておきましょう。
InDesign翻訳に関してよくある質問(FAQ)
Q1. InDesignのデータがないのですが、翻訳は可能ですか?
A1. PDFや画像データからでも翻訳は可能ですが、DTP作業を行う場合は、一からレイアウトを作成する必要があるため、費用と時間が余分にかかります。元のInDesignファイルをご提供いただくのが最もスムーズです。
Q2. 翻訳とDTP作業を別々の会社に依頼するメリット・デメリットは?
A2.
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メリット: 翻訳とDTPの専門会社を個別に選ぶことができます。
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デメリット: 翻訳者とDTP担当者間の連携が難しく、翻訳後のレイアウト調整で問題が生じやすくなります。最終的な品質管理が複雑になり、コスト増に繋がることもあります。
Q3. 翻訳メモリとは何ですか?
A3. 翻訳メモリとは、過去に翻訳した原文と訳文のペアを蓄積したデータベースのことです。同じような文章が再び現れた場合、自動で翻訳文を呼び出すことで、翻訳の効率化と一貫性の向上に役立ちます。
Q4. InDesignのバージョンは重要ですか?
A4. はい、重要です。InDesignはバージョン間の互換性が完全ではないため、翻訳を依頼する際は、必ず元のInDesignのバージョンを伝えてください。IDML形式でデータを書き出しておくと、バージョンによるトラブルを回避できます。
翻訳に関する無料個別相談や無料見積もりも行っております。
まずは貴社のニーズや課題感など、簡単なお問い合せから始めてみませんか?
ご相談は無料です。いつでもお気軽にご連絡ください。
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