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Sep. 17, 2020

翻訳会社に用語集を支給するメリットと作り方

 

翻訳の品質を左右するものとして、8割は翻訳者のスキル、残りの2割はチェッカーのスキル、調査力、用語集や参考資料の引用、過去訳との整合、翻訳支援ツールの使用、原稿の明確性などが挙げられると以前お伝えしました。

 

今回は、この中の用語集についてお伝えできればと思います。

 

用語集を支給するメリット

依頼者が用語集を支給することで、どのようなメリットがあるでしょうか。端的に言えば、以下の2点になるでしょう。

 

1 翻訳サイドで調査にかかる時間を短縮できる

2 揺れが生じない

 

順に説明します。

 

1 調査にかかる時間を短縮できる

原文に固有名詞(人名や会社名、地名、商品名など)が記載されている場合、WIPでは必ずインターネットなどを通して訳語の正式名称があるか調査を行います。例えば固有名詞が非常に多い観光案内などの原稿は、翻訳作業よりも調査の方に時間がかかることもあります。

 

お客様から用語集をご支給いただくとその調査の時間を短縮できるため、翻訳作業に集中することができ、翻訳品質が低下したり、納期が延びるリスクを回避することができます。

 

特にインターネットではなかなか見つからない用語で、お客様ならすぐにお分かりになるようなものに関しては、作業者の負担を大幅に軽減することができ、翻訳料金を安くする要因にもつながります。

 

2 揺れが生じない

複数の翻訳会社を利用する時はもちろん、一つの翻訳会社に依頼される場合でも、毎回同じ翻訳者が対応するとは限りません。翻訳者が違えば、同じ用語でも別の訳文に翻訳される可能性があることは想像していただけるかと思います。

 

用語集があればそういった言葉の揺れが生じるリスクを低減することができます。特に、同時に複数の翻訳者で作業を進める場合などは、用語集のありなしが訳文の品質を大いに左右します。

 

 

用語集の作り方

では、支給する用語集はどのようなものが良いでしょうか。注意点を以下に示します。

 

1 支給はExcelファイルで、シンプルな構造に

2 余分なスペースや連番などは含めない

3 揺れそうな用語を記載

 

順に説明します。

 

1 支給はExcelファイルで、シンプルな構造に

用語集を支給する際、PDFファイルで支給すると、翻訳作業の際に使いづらいため、結局、翻訳会社の方でExcelファイルにまとめ直す必要があります。元はExcelファイルで作られている可能性が高いと思いますので、できるかぎりExcelファイルで支給すると、納期短縮、翻訳料金節減の可能性が高まります。

 

また、Excelファイルに何列も情報を記載すること、行や列を結合することはできれば控える方が良いでしょう。こちらも同じく、結局は翻訳会社の方でA列に原文、B列に訳文、C列に補足情報(多くてもD列まで)にまとめ直し、結合している行や列は、結合を解除することになり、納期が延びる要因につながります。

 

なぜなら、5個程度の用語であれば翻訳者やチェッカーも覚えられますが、それ以上になると、やはりコンピュータの力を借りなければ用語の確認は難しくなり、迅速な処理をする上でこのような形にするためです。

 

翻訳会社では、該当する用語が原文に出てきた場合、その訳文を自動的に画面表示することでモレを防いでいます。

 

2 余分なスペースや連番などは含めない

支給する用語集でよくあるのが、余分なスペースが入っていたり、箇条書きの連番などがそのまま記載されていたりするケースです。

 

たとえば、「WIPジャパン」という用語を原文の欄に記載するとします。元の原稿がレイアウトの関係で、「W I P ジャ パ ン」と文字の間にスペースが入っている場合、そのまま用語集にスペースが入った状態で記載されることがあります。

 

あるいは、元の原稿がインデントなどで、「  WIPジャパン」と用語の前にスペースが入っている場合や、逆に用語の後ろにスペースが入っている場合もそのまま記載されることがあります。

 

また、元の原稿が「1. WIPジャパン」と箇条書きなっているため、連番も含めた状態で用語集に記載されることもあります。

 

こうした状態ですと、機械処理をかけたときに、スペースや連番などが邪魔をして、同じ用語でも、機械が別の用語と判断しヒットしないため、翻訳会社の方であらかじめ余分なスペースや連番などを削除する必要があります。

 

3 揺れそうな用語を記載

用語集に含める用語は、訳文が揺れそうな用語のみで問題ありません。例えば、「大阪」という用語を英訳する場合、「Osaka」としか訳せません。ですので、こちらは用語集には記載していただく必要はありません。

 

ただし、「大阪市」の場合は、「Osaka City」あるいは「Osaka-shi」などに訳出できるため、もし揺れると問題がある場合は、いずれかの訳文で用語集に記載していただく必要があります。

 

まとめ:品質低下リスク、納期延長、翻訳料金アップを回避

以上、いかがでしたでしょうか。

 

用語集の作成には手間がかかりますので、お時間をとっていただくことは少々難しいかもしれませんが、品質低下リスク、納期延長、翻訳料金アップを回避できることを考えれば、検討していただく価値はあるかと思います。

 

また、依頼者が最後に訳文をチェックし用語を確認する場合、翻訳の納品後に確認するよりも、発注前に用語集をまとめていただいた方が効率が良いかと思われます。

 

同じ用語でも原稿に記載されている箇所は、1か所とは限らないため、1つ間違っていればすべて修正する必要があるからです。そのような点からも用語集を作成していただくことをオススメいたします。(中後)

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