個人プロフィール
YOSHIDA Shion
アメリカ合衆国ハワイ州出身。幼少期(1歳〜5歳)を日本で過ごした後、渡米、高校卒業までハワイで育つ。2018年に大学進学のため帰国し、国際基督教大学(ICU)にてメディア・コミュニケーション・文化を専攻。卒業後、同大学院に進学し、公共政策・社会研究専修(メディアと言語専攻)を修了。言語への情熱と国際的な業務への関心から、WIPジャパンに入社。
取得資格:TOEIC990点、JLPT1級(日本語)、DELE C1(スペイン語)
趣味:言語学習、イラスト制作
好きな言葉:Life is about using the whole box of crayons.
(順次更新)
社内研修の一環として見たビデオや読んだ図書の感想を記しました。
小宮謙一 著、紫垣樹郎 著
出版社:集英社
出版年:2012年7月
第三章『伝説の新人は当事者意識が違う』が特に印象的でした。例えば、最近担当させていただいた作業では、「他の社員が使いやすいか」や、クライアントに「情報の管理・整理を徹底していると思ってもらえる」ことを意識していました。しかし本書を読み、それだけでは不十分だと気づきました。WIPの一員として「会社全体の売上や案件獲得にどう貢献できるか」「業界内でのポジショニングをどう高められるか」といった、会社全体の成果に直結する視点も取り込んで業務を遂行すべきだと学びました。
公方俊良
出版社:ダイヤモンド社
出版年:1994年9月
人生の大半を海外で過ごしてきましたが、日本独自のマナーやリスペクトについては、むしろ自発的に学んできた方だと思います。しかし、やはり社会に出て初めて遭遇する場面もあり、マナーについての知識や経験が完全とは言えませんでした。この本はイラストをふんだんに使っており、席を立つときの動作や、階段を下りながら会釈する際のしぐさといった、文章だけではイメージしづらいシチュエーションを非常にわかりやすく紹介してくれていて、非常に参考になりました。
世代を追うごとに価値観・常識というものはアップデートされていきます。リモートワークの普及や飲み会文化の廃止など、本書で紹介されているマナーをそのまま実践する機会が減ったり、あるいはまったく異なるルールや慣習へと置き換えられているケースもあるかもしれません。しかし、どのように時代が変わっていっても、マナーの根底にある「相手を思いやる気持ち」や「自分の言動で恥をかくのは避けたい」という気持ちは不変の価値を持つのだと感じました。本書を読むことで改めてマナーがコミュニケーションを円滑に進めるうえで欠かせないものだと再認識し、常に自身の振舞いを意識していきたいと思いました。
竹本幸之佑 原作、大野志信 漫画
出版社:PHP研究所
出版年:2019年6月
物語の冒頭では大作が楽をしようと考え、父親が烏帽子親を務める音松さんの家に鍋蓋を押し売りしようとする場面が描かれていました。その際、印象に残ったのは、木材の加工や日々の生活の中でボロボロになった音松さんの手と、まだ大きな苦労をしたことのない大作のきれいな手の対比です。しかし、物語の終盤でようやく大作が鍋蓋を売ることできるようになった頃には、お客さんの老婦人に心配されるほど、大作自身の手もボロボロになっていました。仕事に対する姿勢や考え方だけではなく、熱心に取り組む中で知らず知らずのうちに自身の体にも変化が表れるのだと気づかされました。
大作の時代とは異なり、現在の私たちはもはや行商人どころか生産者と直接顔を合わせる機会もなかなかありません。Amazonなどのインターネット通販はもちろん、普段行くスーパーマーケットなどにおいても店舗や店員は我々と商品の間を繋ぐ単なる「ハブ」であるという印象を受ける時があります。『てんびんの詩』を読んで感じたのは、物を売る側の視点だけでなく、買う側の私たちの価値観がどれほど変化したかという点です。WIPのような言語サービスにおいても、クライアントの立場からすれば、依頼する文章を送れば翻訳されて返ってくるという、ブラックボックスのように捉えられうるかもしれません。だからこそ、我々がどのような思いで業務に取り組み、どんな点に気を遣っているかを知ってもらうことが重要なのだと思いました。
『人を動かす』
D・カーネギー 著、山口博 訳
出版社:早川書房
出版年:2000年12月
本書を読む中で私が特に印象に残ったのは、多種多様な業種の方々や、私とは大きく異なる日常を送っている方がどのような人生を歩んでいるのかを垣間見ることができた点です。社会人としてキャリアを歩み始めた者として、他の人々がどのようにして現在の生活や仕事に至り、日々どのような姿勢で取り組んでいるのかに非常に興味を抱いています。セールス業や教師、さらには大統領や軍の司令官など、幅広い業界・立場の方々の実例をこれほど豊富に集め、効果的にまとめ上げたカーネギーの手腕に深く感銘を受けました。
「笑顔を忘れない」「命令をしない」「誤りを認める」など、日々のコミュニケーションで私自身も意識的に実践しようとしている行動や姿勢が本書の中でも取り上げられていた点に、非常に共感を覚えました。また、課題として自覚していた点や、課題だと気づいていなかった点(例:誤りを指摘しない、誠実な関心を寄せる等)を改めて認識することができました。これから仕事を通じて様々な人と関わる中で、自分の考え通りに円滑なコミュニケーションが取れない場面も多々あると思います。そうした状況で本書の教えを生かすことで、関係構築を進めるうえで他の人より一歩先を行けるのではないかと感じています。
『FISH !』
スティーブン・C. ランディン 著、ジョン クリステンセン 著、ハリー ポール 著、相原 真理子 訳
出版社:早川書房
出版年:2000年12月
一番印象に残ったのは、メリー・ジェーンが「3階」の仲間を魚市場へ連れていこうとした際、歯医者や他の予定を理由に断ろうとした社員たちに対し、「必ず参加してほしい、予定のある人はそちらを変更してほしい」と強く主張したシーンです。本書は従業員一人一人が内省し、仕事との向き合い方を変えていくプロセスの大切さを伝える内容がメインのテーマでしたが、周囲に変化を促したいと思うときには、時に強引であっても人を巻き込む行動力とカリスマが必要だと、思わぬところで自分の課題が浮き彫りとなったシーンでした。
また、社会人になりたての私にとって、まだ「停滞」を感じうる状況にはありません。ゲームでいえば序盤であり、選択肢がどんどん広がっていく感覚にワクワクしています。同時に、責任が増え、日々の生活が繰り返しになってしまう未来に対する漠然とした不安もあります。その不安を解消し、仕事を「しなければいけないもの」から「もちろんしなければいけないが、自分からやりたいと思えるもの」と感じ続けるためには、どのようなマインドセットが必要なのかをこの本を通して知ることができました。仕事を始めた今の段階で読むことができてよかったと思える一冊です。
『多言語社会がやってきた』
河原 俊昭 (編集)、山本 忠行 (編集)
出版社:くろしお出版
出版年:2004年7月
私は日頃から言語が社会に与える影響について考えているのですが、本書を読んで改めて言語政策の重要性に気づかされました。言語は社会の実状を映す鏡であると同時に、社会(政府や国民)が特定の言語をどう扱うかで、その社会が目指す方向や価値観が示されます。多様性を改めて認識し始めた現代社会の中で、日本の言語政策や言語利用をより良くするために、自分が何をすべきなのかを問われた一冊でした。
また、帰国生受け入れ校の例として国際基督教大学(ICU)が紹介されていたのは、とてもうれしく感じました。単に日本語能力を上達させるためではなく、日本語を「第一言語・継承語」として学ぶ生徒たちにとって、日本語教育はアイデンティティの根幹にかかわる重要な要素である場合が多いです。多様な背景を持つ生徒を積極的に受け入れているICUだからこそ実現できる取り組みなのかもしれない、と感じました。
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