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プレスリリース

キーパーソン視点 WIPジャパン会長上田輝彦

2016.12.30

福井新聞に掲載されました

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古き良き福井 発信を

訪日客の地方ニーズ増

変化が激しくて先が読めない時代だが、インバウンド(訪日外国人客)市場が伸びることは確実だ。日本の人口は減っていくが、日本の観光資源は世界一。何度訪れても飽きないコンテンツがあり、訪日客はリピート率が非常に高い。訪日客が年間1億人を超える可能性は十分ある。地方志向の訪日客も菜違いなく増える傾向にあり、福井においても訪日客をビジネスに生かす打ち手は無数にある。

今年の訪日客は(10月時点で)2千万人を超えた。政府は東京五輪がある2020年の目標を4千万人としているが、五輪後も失速することはないだろう。

現在、訪日客で最も多いのは中国人、それでも海外に旅行する中国人のうち、日本を訪れる人は1割未満、韓国や台湾、香港からの訪日客に比べると、中国人はリピーターもまだまだ少ない。今後、中国からのリピート率が上がってくると訪日客年間1億人は夢の数字ではない。

訪日客が増えるにつれて、東京や京都観光だけでは物足りず、日本をもっと深く知りたいというニーズは間違いなく増える。多くの訪日客がすでに地方の人と触れ合い、地方の生活を体験したいと思っている。

そうした中、福井は日本で最も日本らしいものが残っている地域。豊かな田園風景はもちろんだが、浄土真宗を中心とした仏教文化が生活に根付いている。家族で仏壇にお参りするような昔は当たり前だった風景が、まだ残っている福井は全国的に珍しい。大家族で家も大きい。山や海も近い。福井に住んでいると当たり前だか、それこそ日本らしい。幸福度ナンバーワンの福井はこのままでいい。古き良き日本が福井には残っている点を強く打ち出すべきだ。

インバウンド市場において打ち手は無限にあるが、発信しないと始まらない。ホームページでも紙媒体でも構わない。まずは自分たちのメディアを持って発信を始めることだ。お金をかけなくても留学生らに話を聞くだけでも現地の情報は手に入る。呼びたいお客が何に関心をもって、何から情報を得ているのか知らないと商売人でなない。会員制交流サイト(SNS)が有効なら、現地で人気のSNSを実際に使ってみること。そうして自分たちのメディアで発信する内容を調整しながら、現地のメディアに広報していくも大事だ。

今の日本は、基本的にはリピート購入してもらう前提で組み立てられているビジネスモデルばかりなので、一度だけ観光客に来てもらってもそうもうからないはず。訪日客のメールアドレスをどう知るか、帰国後もどうSNSで関係性を保つのか。リピーター獲得やインターネット通販につながるような設計が必要。インバウンド誘致は訪日前、訪日中、訪日後とつながっていく戦略を描いて進めていかないといけないだろう。

(聞き手・構成 高島健)


うえだ・てるひこ
福井市出身。大東中、藤島高を経て上智大法学部卒業後、都銀に入行。都銀を退職後、英国・ケンブリッジ大大学院に留学。1995年に創業し、2000年に多言語ビジネスを支援するWIPジャパン(本社東京)を設立。13年から同社代表取締役会長を務めている。51歳。