個人プロフィール
ICHIHASHI Mizuha
文学修士
北海道札幌市出身。北海道大学文学部を卒業後、同学科の修士課程に進む。学部時代は英米文学、特にアメリカ文学について研究し、交換留学生としてオハイオ州立大学へ留学。大学院進学後は、通信教育で映像翻訳について学びながら英語映画の日本語字幕について研究。幼いころからの夢であった翻訳業界に入り、より多くの人を繋ぐ手助けがしたいという志のもと、2016年WIPジャパンに入社。
趣味:映画・舞台鑑賞、読書、寺社巡り、美術館巡り
座右の銘:人の振り見て我が振り直せ
(順次更新)
社内研修の一環として見たビデオや読んだ図書の感想を記しました。
『てんびんの詩 第1部 原点編』
VHSカラー 90分
出演:下元勉、吉野隆三、長内美那子、栗塚旭、他
制作販売:有限会社 日本映像企画
この作品は、商売をするうえでの基本中の基本である、買い手への接し方と取り扱う商品に対する思いについて描いていました。
さまざまなメッセージが込められている作品ですが、そのなかでも買い手の立場になって考えること、そして買い手の信頼を得ることの重要性が強調されていたように思います。本作の主人公である大作は最初、あまりにも身勝手で自分の都合を他人に押し付けてばかりいました。相手のことを考えずに商売をしているわけですから、当然売れるわけがありません。ですが、いろんな人に諭されていくうちに心構えが変化し、買い手の立場になって、鍋蓋を必要としている人は誰なのかを考えられるようになりました。しかし、最終的に鍋蓋が売れたのは、鍋蓋を必要としている人に出会ったからではありません。大作の行いや話に感動した女性が、彼から物を買ってあげようと思ったからです。さらに、大作自身を信用したので他のお客を紹介し、皆が彼によくしてくれました。これは、買い手に信頼されてはじめて取引をすることができるのだということを示しています。
また、取り扱う商品に対して誇りと愛着をもつことの大事さも本作は描いています。最初は鍋蓋なんてつまらないと思っていた大作ですが、最後には誰か他の人が売った鍋蓋まで大事に思うようになりました。誰でも売り手の熱意が感じられない商品を買おうとは思いませんし、この大作の気持ちが女性を感動させるので、自信と愛着をもって商品を扱うことは非常に重要なのだと思いました。
本作のメッセージは不変かつ普遍的なもので、自分の業務にも適応していけるものです。自分本位にならずに、自信をもってお客様にサービスを提供できるよう、研鑽を積んでいかなければならないと思いました。
『にんげんだもの』
VHSカラー 90分
出演:山下智子、勝部演之、門田裕、草川裕馬、早川雄三
制作販売:有限会社 日本映像企画
この作品は、商売とは金銭的な利益を追求することだけに腐心してはならず、まずはどうすればお客様に満足していただくことができるかを考え、行動し、それの対価(金銭とは限りません)をいただくことで成立するものなのだと伝えていました。そして、お客様に満足していただくために必要なこととして描かれていたのが、他人への共感と、思いやりの気持ちを素直に表現できる心だと思います。商売をするうえでの他人への共感というのは、ただ相手の立場について考えるのではなく、その人が何を必要としているのかを見極め、最も適切なサービスを提供することではないでしょうか。そして、それが打算的なものと捉えられるのか、それとも好意的なものと捉えられるのかは、いかに素直に思いやりの気持ちを発揮できるかにかかっていると思います。主人公の女性は、自分と似た境遇にいる男性に心から共感し、店の代表として自分にできる精一杯のおもてなしをしました。この行為は彼女の純粋な気持ちから生まれたものであり、だからこそ男性の心を打ったのだと思います。
しかし、こうした彼女の姿勢を「媚び」だと言う人もいました。配慮と媚びの区別が付かない、とてもさもしい人なのだと思います。せっかく他人から思いやりの気持ちを示してもらっても、自分がそれを受け取ることができなければまったく意味がありません。そのため、サービスを提供する側としての姿勢を今一度見直すことはもちろんですが、自分が買い手、サービスの受け手になったとき、思いやりの気持ちを素直に受け取れる人になりたいとも思いました。
『人を動かす』
D.カーネギー 著、山口博 訳
出版社:創元社
出版年:1999年10月 新装版
この本のタイトルを初めて目にしたとき、自分の思うように人を動かすために、どう相手を変えたらいいのかが書かれているのだと思っていました。もちろん、相手に自分の思うように行動してもらうための方法が書かれていますし、第四部は「人を変える9原則」という名前になっていますが、その内容は一貫して人を動かすために「自分を変える原則」が書かれている本でした。
この本に書かれている理想の人間とは、寛容で相手の話をよく聞き、プラスの感情を素直に表現できる人のことだと理解しました。私は誰かの話にうまく質問をして会話を広げることが苦手なのを自覚しているので、時にグサリとくるような内容もありましたが、改めて自分の短所と向き合う機会と、それを改善するためのヒントを与えてくれたと思います。
また、この本の構成の特徴として、同じような内容を言い回しや例を変えて何度も繰り返していることが挙げられますが、これは遠まわしに読者の注意を喚起し、何が大事なのかを読者自ら発見させるという、作者が提唱している人を動かすための原則を実践した結果なのではないかと思いました。
『FISH !』
スティーブン・C. ランディン 著、ジョン クリステンセン 著、ハリー ポール 著、相原 真理子 訳
出版社:早川書房
出版年:2000年12月
この本には、仕事に対してどういう姿勢で臨めば人生をより充実させることができるのかという、多くの人が知りたいと思っていることに対する答えが書かれていました。主人公のメアリー ジェーンや「3階」の仲間たちがそうであったように、多くの人にとって仕事を楽しむことはなかなか難しいのだと思います。ですが、仕事に対してただ不平不満を述べるよりも、本の中で勧められているように自分自身で何か楽しめる要素はないのか模索しながら働くほうが前向きでよいと思いました。
また、読んでいて一番心に残ったのはジョン ガードナーの話でした。彼は学び成長することをやめてしまった人は衰えていくと言っています。私は、生きるとは新しくなっていくことだと考えています。身体のことだけではなく、内面も学びを通じて新しくなっていかなければ、停滞して死を迎えるのだと思います。そのため、積極的に多くのことを吸収して自分の力にしていきたいと改めて感じました。
『多言語社会がやってきた』
河原 俊昭 (編集)、山本 忠行 (編集)
出版社:くろしお出版
出版年:2004年7月
この本は、英語だけを重要視する世界、特に日本の社会に対して警鐘を鳴らすことを目的として書かれたものだと思いました。やはり日本では、「外国語教育」といえば「英語教育」というイメージが強く、本書が著されてから10年以上が経過した現在でも、その傾向はあまり変化していないように思われます。私自身も、今までずっと英語を勉強しつづけてきましたが、他の言語学習に対する興味もあります。この本を読んで、それを実際に行動に移そうと思いました。
また、本書で繰り返し強調されている多様性と共生というキーワードですが、これを実現するためには自分の母語である日本語もまた大事にしていかなければならないのだと感じました。日常で使用している日本語ですが、それでも知らないことというのはたくさん存在します。私は留学中に日本語学の授業を選択し、日本の学校ではあまり学ぶことのできない日本語の文法について学習しました。「~してもらう」と「~してあげる」の関係性など、今までに意識したことのなかった日本語のルールについて論理的に説明するという機会を得て、改めて日本語とはどんな言語なのかを考えることができました。本書では日本語を母語としない人たちに対する日本語教育についてのみが扱われていましたが、さまざまな言語を受容しながらも日本語を守っていくために、日本語を母語とする人たちへの試みについてもまた考えていくべきだと思います。
言語がアイデンティティと密接に結びついていると述べられているように、言語はその人の思想、文化的背景、生活と強く影響しあっています。言語が起因となった論争や紛争についても本書では触れられており、改めて言語の重要性を感じました。言語サービスに携わる者として、言語とはコミュニケーションの根幹であり、扱いには注意が必要であるという意識をもち、真摯に仕事に取り組んでいきたいです。
『できるセールスマンはマナーが違う』
公方俊良
出版社:ダイヤモンド社
出版年:1994年9月
本書は、ただビジネスシーンで求められるマナーについて教授するのではなく、マナーとは何か、どうしてマナーを守らなければならないのかという基本の考えを最初に提示している点がよいと思いました。ただの形式的な行為は、どんなに気をつけていてもその空虚さが相手に伝わってしまいますし、気持ちのよいものではありません。思いやりをもった対応をされれば、こちらも同じものを返そうと自然に思うはずなので、人間関係も円滑にすすむと思います。
マナーの細かい作法を覚えることもたしかに大事ですが、マナー=相手への思いやり、ということが理解できていれば、自然とあまりにも無作法に振舞うことはないでしょう。しかし、今までに経験することのなかったシーンでは、何が相手への思いやりになるのかわからないこともあるかと思います。特に、席次や名刺交換のマナーは今まで意識することがほとんどありませんでした。本書からそうした知識を得るとともに、周りの人の様子から学び、そして自分がしてもらったらうれしいことを相手にもする、ということを心がけたいです。
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