日本に翻訳者会社は、一体何社あるのか?
日本翻訳連盟(JTF)が発行している「翻訳通訳白書」によれば、日本の翻訳会社数は2,500社あるとされています。
その中から、どうやって翻訳会社を選べばいいのか?
ここでは、翻訳で困っているみなさんが、どうやって翻訳会社を選べばよいのか、参考になるような情報をお届けしたいと思います。
「至急翻訳して欲しいが、AI翻訳では内容に間違いがないか不安だ」という方には
日本翻訳連盟(JTF)とは、翻訳に関わる企業、団体、個人の会員からなる産業翻訳の業界団体で、内閣府からの認可も受けています。翻訳業界内では権威ある団体となり、翻訳会社が登録するには審査等も必要となります。ですので、まずは、日本翻訳連盟(JTF)に所属している翻訳会社から探してみるというのがいいかもしれません。
JTFのサイトでは、翻訳会社リストという一覧ページがあり、対応言語や分野などによる翻訳会社検索も可能です。
セキュリティを気にしている場合は、翻訳会社に原稿を送る前に、NDA(秘密保持誓約書)等について、確認しておいたほうがいいでしょう。現在、ほとんどの翻訳会社で、申し入れれば、NDA締結に応じてもらえますが、NDAを気にしない業界のお客様も多いので、必ず最初に締結するという業界の風土ではありません。ですので、NDAがマストの場合は、事前に翻訳会社に伝えておきましょう。
また、翻訳会社と翻訳者の間でもNDAが結ばれているかを確認しておいたほうがいいでしょう。
先ほどご紹介しました日本翻訳連盟(JTF)の翻訳会社リストで、Pマーク取得済みの翻訳者会社だけを検索することが出来ますので、こちらで検索を行うと約30件の翻訳会社がヒットします。(2025年1月現在)
ちなみに、PマークとISOの両方を取得している翻訳会社で検索すると、約20件まで翻訳会社が絞り込まれます。(2025年1月現在)
最近はPマークやISOを取得している翻訳会社も増えて来てはいますが、まだまだ、それほど多くはないというのが現状です。
初めて、翻訳を依頼をする場合には、相手(翻訳会社)のことがよく分かりませんから、やはり第三者からの評価を参考にするしかありません。そこは、買い物をする際に、ユーザーレビューを参考するのと何ら変わりはありません。また、翻訳会社も、サイトに様々なページを用意していますので、一度そうしたページに目を通してみるとよいでしょう。
検索エンジンで『翻訳会社』というキーワードで検索すると、他の業界と同様に、【おすすめ●●社】などの表記で、多くの比較ランキング、おすすめサイトが、上位に表示されてきます。
純粋な第三者からの評価とは言い難い部分もありますが、Google検索で上位に表示されている以上、Googleに有益な情報ページとして認められたということですから、でたらめということはありませんし、参考にされてみてはいかがでしょうか。
2025年1月現在、『翻訳会社』というキーワードで検索して上位に表示されるおすすめサイト
翻訳業界にもやはり、他の業界と同様に、相見積りサイトも存在しています。相見積りサイトのエージェントが仲介してくれて、利用者が依頼したい内容を事前にヒアリングの上、案件にマッチしそうな複数の翻訳会社に紹介するという仕組みです。
利用するメリットとしては、自分で一々複数の翻訳会社に相見積もりを取る必要がないということで、手間が省けますし、同じ説明を何度もせずに済みます。
デメリットとしては、仲介するエージェントが必ずしも翻訳の専門家ではないので、内容の伝達に齟齬が生じ、伝言ゲームみたいなことになってしまうかもしれません。
翻訳会社というカテゴリーに対応している相見積もりサイトとしては、PRONIアイミツ、EMEAO!などがありますので、そちらを利用されるかは別として、掲載されている翻訳会社を参考にしてみるのもよいかもしれません。
医学や法律、経済・金融などの分野にこうした特定分野専門の翻訳会社が多く見られます。
とりわけ、学会に提出するような学術論文、特許関連の翻訳などは、こうした特定の専門分野に特化した翻訳会社に頼んだほうがよいかもしれません。
日本翻訳連盟(JTF)翻訳会社リストで条件指定した検索結果
【特許翻訳】+【ISO】+【Pマーク】の検索結果
出版翻訳や映像翻訳、吹き替えといった分野もまた専門の翻訳会社のほうが手馴れていると言えるでしょう。
ただ、最近では、YouTube動画の字幕用など、低価格での動画翻訳もありますので、用途と予算に応じて、使い分けてみてはいかがでしょうか。
レイアウトされている原稿を送った場合でも、翻訳会社の見積りには、原則レイアウト等の料金は含まれていません。翻訳のみのお見積りであり、レイアウトは別途費用になることがほとんどです。
中には、DTP(デザイン・レイアウト・組版など)で印刷用のデータ形式で納品出来る会社もあります。ウェブサイト制作の場合、HTML・CSSのコーディングによるデザイン・レイアウトの作成のほか、データベースシステムの構築などを請け負う翻訳会社もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
ホームページ制作まで請け負っている翻訳会社もあります。ホームページ制作会社の依頼・相談・比較が出来るサイトでWeb幹事などで、そうした会社を探すことも出来ます。
先ほども触れましたが、映像翻訳は通常の翻訳と異なり、若干特殊な分野となります。テキストの原稿が存在せずに動画しかない場合、音声を聞いて文字を起こすところからはじまりますので、経験がある翻訳会社か、専門の翻訳会社に頼んだほうがよいでしょう。
無料のAI翻訳では、Google翻訳がよく知られていますが、翻訳業界の中でこれまでは、DeepL翻訳が最も翻訳の品質が高いと評価されていました。
従来のAIが、人間から与えられた大量の学習データをベースにして結果を予測していたのに対し、生成AIでは深層学習(ディープラーニング)によって、AIが自ら学習を重ね、人間がインプットしていない情報やデータすらも取り込んで、回答を導き出します。現在その生成AIの代表格がChatGPTになります。
ChatGPTは何にでも活用できますが、もちろん翻訳に使うことも可能です。2024年の時点で最新ヴァージョンのChatGPTでは、DeepL翻訳の翻訳品質を超えたとの評判もあり、特に、原文が日本語から中国語等のアジア言語に翻訳する場合は、Google翻訳、DeepL翻訳よりも訳質が良いと言われています。
また、ご存知かとは思いますが、ChatGPTは質問(指示)となるプロンプトの内容によって、回答の質が大きく左右されます。ChatGPTを翻訳に利用するのであれば、事前にネットなどで翻訳のプロンプトについて調べておいたほうがよいでしょう。
生成AIのサービスは日々増え続けていますが、最近では和訳で利用した際の日本語の流暢さなどからAnthropic社 の Claude(クロード)も注目を集めています。
無料で利用できる代表的なサービスとしては以下があります。
AI翻訳などで自動的に出された翻訳結果を、人間が修正して訳文を完成させるという手法です。「ポストエディット(通称PE)」と呼ばれています。最終的には、人間がチェックして作業を行うために、翻訳料金が劇的に安くなる訳ではありませんが、3割前後のコストカットも可能です。予算を少しでも抑えたいという場合は、翻訳会社に相談してみるといいかもしれません。
また、実際にポストエディットはどれぐらいの翻訳品質なのか?やはりみなさん、疑問に思われるかと思います。WIPジャパンでは、英語原文のブログ記事をポストエディットで日本語に翻訳した記事をアップしていますので、ご覧になってみてください。
実は、翻訳会社が言う納品訳文とは、担当の翻訳者が翻訳した訳文を、第三者のチェッカーがチェックして納品しており、そこまでが1セットになっています。
担当翻訳者によるセルフチェックのみで、チェッカーによるチェックがない場合は、その分を安くすることが出来ます。途中工程が減りますので、納品スピードも当然速くなります。
「納品された翻訳文を社内でチェック出来る人材がいる、体制がある」「品質はそれほど重要ではなく、あくまでコストとスピード重視」といった場合は、一度翻訳会社に言ってみるといいかもしれません。
「至急翻訳して欲しいが、AI翻訳では内容に間違いがないか、まだ不安だ」という方々も多いかと思います。
そんな場合は、365日・24時間対応で、依頼から納品までがサイト上で完結出来るというコンセプトのオンラインのクラウド翻訳サービスというものもあります。サイトへの会員登録は必要になりますが、いずれも納品スピードの早さと低価格な料金というのが特徴ですので、とにかく至急で翻訳して欲しいという場合はこちらを利用するのもいいかもしれません。
AI翻訳普及の影響を受けて、オンライン翻訳のサービス終了が相次いでおり、2025年1月現在でも利用できるサービスは以下となっています。
こちらはサービス提供終了となりました。
・クラウド翻訳「訳す」
・GMOスピード翻訳
・Conyac
特別に急いでいる、安く済ませたいという場合以外は、以下の条件に該当する翻訳会社から探した方が間違いが少ないと言えます。
1)下記条件をもとに翻訳会社を絞り込みます。
2)上記を満たした翻訳会社で絞り込んだら、その会社のサイトで以下の情報を確認しましょう。
3)急ぎであったり、コストを抑えたい場合は、以下対応してもらえるかなど、翻訳会社に相談してみましょう。
さらに、原稿が特許や論文などの場合は、専門の翻訳会社を条件に加えて探してみましょう。
★翻訳会社を検索して探せるサイト
通訳・翻訳会社リスト
★ビジネスマッチングサイト
IPROS ものづくり
翻訳会社の製品一覧(全787件)
翻訳 - 企業45社の製品一覧とランキング(全126件)
Metoree
翻訳サービスカテゴリー(全18件)
★アウトバウンド向けの翻訳会社を探せるサイト
独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)
JS-Links 海外ビジネスに係るサービスプロバイダーリスト
Digima〜出島〜
海外進出 サポート企業検索
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翻訳の発注に失敗しないためには、どうすればいいのか。
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これらの課題の解決策をお教えします。
翻訳発注に失敗しないためには、知らないではすまされない重要なポイント!
優れた翻訳会社ほど多忙で引く手あまたです。価格が相場に比べて格段に低い翻訳会社は、良心的なのか、それとも単に制作プロセスを簡単に済ませているだけなのかをよく見極めましょう。
また、同じ翻訳会社でも、制作プロセス次第で翻訳料金は大きく上下します。希望するレベルを詳細に伝えることで、翻訳会社は最適なプロセスをデザインすることができます。
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