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1. 翻訳業界について

翻訳業界/会社についてまず、翻訳業界は幅が広く、「出版」「映像」「産業」の3つに大きく分けられます。「出版」「映像」とは、本や映画の字幕などの翻訳サービスのことです。翻訳サービスと聞いて、パッと浮かぶイメージは普段目にすることの多い「出版/映像翻訳」ですが、市場の5%を占めるのみで、市場の95%は「産業翻訳」が占めています。

「産業翻訳」とは、様々な会社の翻訳依頼を対象にした翻訳サービスのことです。例えば、製品マニュアル、カタログ、会社案内、仕様書、契約書、研究論文、アニュアルレポート(年次報告書)、社内規則、臨床試験関連文書の翻訳などが産業翻訳に当たります。

では、翻訳料金の相場としくみはどうなっているのでしょうか。以下、産業翻訳の翻訳料金に関して述べたいと思います。

2. 翻訳料金のしくみ

翻訳料金のしくみ翻訳料金は「a. 翻訳外注費、b. 校正チェック外注費、c. 作業外注費」の3つに分けられます。

a. 翻訳外注費

翻訳会社または翻訳者に翻訳を依頼する料金で、価格は交渉して決定します。翻訳のプロセスは以下のような作業に分かれます。

   1. 翻訳担当者による翻訳

   2. セルフチェック(翻訳担当者本人が最後に訳文にミスがないか確認)

翻訳担当者に原文ネイティブ(日英翻訳であれば日本人)をあてるか、訳文ネイティブ(日英翻訳であれば英語ネイティブ)をあてるかによっても料金が変わります。自社内の翻訳者の場合、その方の人件費等がコストになります。

b. 校正チェック外注費

翻訳会社または外部の翻訳チェッカーに校正チェックを依頼するための料金です。校正チェック作業には以下のような種類があります。

   ✔ 原文照合チェック(バイリンガルチェック:原文と訳文を照らし合わせ、正確で用途に適した訳文になっているかを確認)

   ※翻訳会社で「校正」「校閲」「チェック」と言われるものはこの作業を指すことが多い。

   ✔ 訳文チェック(モノリンガルチェック:訳文のみを見て用途に適しているかを確認)

   ✔ プルーフリード(納品用フォーマットに加工された最終成果物のみを見て、誤字脱字や体裁不備などを確認)

上記のいずれの作業を依頼するか、それは外注か自社内か、両方のケースが想定され、外注の場合、料金は交渉して決めます。自社内の場合はその方の人件費等がコストになります。

c. 作業外注費

翻訳と同時に、WordExcelPowerPointHTML、用語集作成、翻訳メモリ等の調整作業などがある場合の作業料金を指します。

3. 翻訳料金を参考にするときのポイント

翻訳料金を参考にするときのポイント

a. 依頼原稿の難しさ

「産業翻訳」は、ビジネス、技術、法律、医療、IT、特許など、様々な分野に渡り、専門的な知識が必要なものが多く存在します。

そのため、事前に翻訳を依頼したい翻訳会社が依頼する原稿の分野に対応しているかどうか、を確認することが大切です。取扱分野に慣れていない会社に依頼すると、費用や時間がよりかかってしまうことがあるからです。実際の取扱事例があることや、取引先を見てみるとより安心です。

なお、特定の分野の文章は専門的な知識や経験が求められるため、一般的な文章の翻訳よりも料金は必然的に高くなります。

b. サービス(品質/正確性)

個人翻訳者の場合、その訳文をそのまま使うことにはリスクがあります。一度の翻訳だけでは、なんとなく意味が通じていなかったり、誤訳やスペルミスがあったりと、訳文の校正が必要になる場合が多いからです。

ネイティブや専門家がスムーズに読めるかどうか、違和感のある言い回しは無いかなど、チェックをすること(ネイティブチェック)で、より品質の高い翻訳文が出来上がります。特に英語の場合は、イギリス英語とアメリカ英語では言い回しが変化するため事前に翻訳会社に伝えておくことが大切です。

この訳文へのチェック・サービス体制によって、納品物の品質が大きく変わってきます。確認作業が行われずに納品された文章は、自分で書き直さなければならない場合もありますし、改めて修正依頼をする場合は時間とやり取りが面倒になります。

納品物に正確さを求めるほど、求められる翻訳者の実力も高くなり、それに伴って料金も上がります。また、ネイティブチェックの回数や人数を増やすなど、品質向上のためのサービスを充実させるほど、料金は上がります。

 c. 翻訳原稿のボリューム(分量)

案件によって、翻訳原稿の分量が異なるのは当然ですが、どの案件にも見積り・受注確認・納品・請求・支払確認までの事務的な作業は必ず発生します。この事務作業には翻訳分量が多くても少なくても一定の時間がかかります。つまり、原稿の分量が多いほど、依頼者の支払う料金に対する事務作業の割合が低くなります。

また、翻訳の作業の性質上、翻訳者が原稿に慣れるに従って作業効率が上がることから、原稿の分量が増えれば増えるほど、1ページもしくは1文字あたりの単価は下がっていきます。

また、依頼する文章のボリュームが多い場合、割引サービスを行っている会社も多くあるため、翻訳を依頼するときには一度で多くの原稿を依頼すると、単価的にはより安くできます。

 d. 納品のスピード

品質の高い翻訳を生み出すためには、段階を踏まえ、時間をかけて作業する必要があります。

納期に余裕がある場合には、翻訳から校正まで時間をかけて作業することができるため、品質の高い翻訳ができます。

一方で、納期が短い場合、品質を落とさずに通常よりも迅速に作業を行わなければならず、他社の翻訳作業を中断せざるを得なかったり、予め多人数の翻訳スタッフのスケジュール確保を図ったり、ケースによっては徹夜での作業になったりするなど翻訳スタッフへの負担が大きくなります。

また、多人数の翻訳者が一つの案件を分担して翻訳作業にあたるようなケースでは、文章全体の語尾や言い回しや用語などを統一するため、校閲・編集を行う費用が別にかかることがあります。このため、納期は短いほど料金は上がります。

つまり、翻訳料金の単価は、「納期が短く、1ページのみ」が最も高く、「納期に余裕のある、大量翻訳」が最も安いということになります。

また、翻訳の品質の高さと料金の高さは一般的に比例します。納品物の読み手はその翻訳を翻訳文として読むわけではなく、オリジナルの文章として読むことが多いので、品質は非常に大切になってきます。

4. 本当の翻訳料金とは、外注費と社内人件費の合算

このa~dの4点だけでなく、納品物に対するあなた(の会社側)の校正・チェック・修正と、さらに必要であればレイアウト・書式・図表整理にかかるあなた(の会社側)の時間コストを総合的に判断して、外注する翻訳会社を決めることが大切です。

5. 翻訳料金の相場

翻訳料金を参考にしたい際、各企業のWebサイト等に記載されているものもありますが、おおよその目安として、一般社団法人日本翻訳連盟[i]が提示している翻訳料金、というものがあります。

   (出典:日本翻訳連盟 webサイト[ⅱ]

文書の分野・難易度・種類など案件によって料金は異なりますが、日→英翻訳では1文字20円~30円が目安となっています。

翻訳会社のWebサイトには単語あたりの料金や簡易な見積りツールを公開している翻訳会社もありますが、実際の詳細な料金を明示しておらず、問い合わせが必要な会社も多く存在しています。

それは、1つの案件によって翻訳したい原稿や必要な時間、お客様の要望、翻訳会社の作業量、翻訳者のレベル、必要となる専門知識など、分野・難易度・種類の様々な要素の違いによって、各案件に沿ったプランや最適なスケジュールを提案する必要があり、案件ごとで単価が大きく異なるためです。

同じ翻訳会社でも扱う分野によって料金が変化することもあります。また、翻訳の対象となる分野を限定してサービスを行っている会社もあります。

なお、上記の日本翻訳連盟の料金目安とは別に、実際の相場を見てみますと、翻訳会社によってまちまちの状況です。条件次第では安価な料金で翻訳できるかもしれませんよ、という意味で「○○円~」と安く見せることで、問い合わせを増やしたいという企業努力が見えます。

日本語→英語 翻訳料金例
法律 原文1文字あたり 14円~ AK翻訳会社)
医療 原文1文字あたり 15円~ JA翻訳会社)
金融  原文1文字あたり 16円~ GL翻訳会社)
IT 原文1文字あたり 8.75円~ GI翻訳会社)
建設/電気/機械 原文1文字あたり 12円~ HO翻訳会社)

 

このように、5社の比較ですが、専門の分野によっておおよその料金は異なってきます。1文字あたりでは小さな違いですが、例えば同じ5,000文字でも、IT関連の文章では43,750円、医療分野では75,000円と結果的に大きく異なってきます。但し、上記の単価はおおよそ最低ラインと考えておく方が無難でしょう。

他にも、社内メールなどの一般文書として扱われる文書ではまた料金が異なり、これよりも安い翻訳が可能です。

WIPの料金はこちら

6. トライアルとは?

翻訳会社を選ぶときにも、スーパーの試食や車の試乗のように「お試し」が多く存在します。

このお試し(トライアル)では、トライアル用の原稿を依頼したい翻訳会社に送り、試訳(お試しで翻訳をしてもらう)を提出してもらうことで、その翻訳会社の実力をみることができます。

実際に翻訳されたものを見ることができ、無料もしくは通常料金の半額などの特別価格で利用できる会社が多いため、翻訳の品質レベルとその品質と金額とのバランスがきちんととれているかを確認するには非常に有効です。

しかし、このトライアルにも注意が必要です。トライアル時の翻訳者と実際に依頼したときの翻訳者が異なり、実際に納品されたものがトライアルに比べ品質が大きく劣る、というリスクが存在しています。

トライアル時と実際の依頼時で翻訳者が同一人物であるかどうか、会社のWebサイト等に翻訳者の経歴が可能な範囲で公開されているかどうか等、事前に翻訳会社にきちんと確認することも重要です。

WIPのトライアルはこちら

※脚注

[i] 翻訳に関わる企業、団体、個人の会員からなる産業翻訳の業界団体、JTF

[ⅱ] 一般社団法人日本翻訳連盟 http://www.jtf.jp/jp/useful/report_bk/price.html 

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