— ホルムズ海峡封鎖・燃料危機が日本企業の海外ビジネスに与える影響と、WIPジャパンが提案する「3段階の意思決定支援」
2026年4月20日 / WIPジャパン株式会社 海外リサーチ事業部
2026年2月末、中東情勢の急変がビジネス渡航の常識を塗り替えました。ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、世界の石油消費量の約20%に相当する原油・石油製品の輸送ルートが影響を受け、ジェット燃料価格は3月に前月比で約83%、前年比では約94%増の水準まで跳ね上がりました。JAL・ANAは6月発券分から国際線の燃油サーチャージを北米・欧州便で現行比約1.7倍、韓国線では約2倍への引き上げを見込んでいます(各社広報の見通しベース)。
「海外出張に行くべきか、やめるべきか」。多くの経営者・担当者がこの判断を迫られているいま、コロナ禍に海外出張代行サービス「TFY(Travel For You)」を立ち上げた私たちWIPジャパンとして、改めてこの問題を整理し、ご提案できる解決策をまとめます。
本稿の結論:今回必要なのは、「行く/行かない」の二択ではなく、「行く価値を検証 → 行かずに業務完結 → 行かずに対面商談」という3段階の意思決定プロセスです。
1 何が起きているのか — 燃料危機の実態
IATA(国際航空運送協会)によれば、2026年3月のジェット燃料価格は前月比約83%上昇、前年比では約94%増に達し、1バレル175〜197ドル台という異例の水準にまで急騰しました。航空データ分析大手Ciriumの集計によれば、4月6日には世界全体で約7%にあたる7,049便がキャンセル。前年同日の4.7%と比較すると、キャンセル率は約1.5倍に膨らんでいます。北米発便に限れば、同日のキャンセル率は14.6%に達したと英Telegraph紙が報じています。
周辺国の状況も深刻です。韓国ではKorean Air・Asiana Airlinesが「緊急管理体制」を宣言、中国は燃料輸出を禁止し国内供給を優先、東南アジアではベトナムが10〜20%のフライト削減を警告し、フィリピンは国家エネルギー非常事態を宣言しています。
WIPジャパンが日常的にお取引のある多くのお客様の出張先、とりわけアジア各国においては、「行けるが、行きにくく、費用が高い」という状況が常態化しつつあります。
2 日本企業が直面する3つの課題
課題① 出張コストの急騰
JAL・ANAの発表見通しによれば、北米・欧州便の燃油サーチャージは2026年6月購入分から大幅に引き上げられます。JALは北米便で29,000円から50,000円へ、ANAは31,900円から55,000円へと、片道で2万円超の上昇。往復+家族分となれば、出張1件あたり数万円〜十数万円単位で負担が増える計算です。年間数十件の海外出張を行う企業では、出張費予算の大幅な見直しが急務となっています。
課題② 欠航・減便によるスケジュールの不確実性
燃料不足は単なる価格問題にとどまらず、フライトそのものの確保を難しくしています。成田空港でもアジア系航空会社6社・週57便に影響が出ているとの報告があります。「重要な商談や工場視察のために日程を押さえたのに、フライトがキャンセルされた」というリスクが現実になっています。
課題③ ロシア迂回ルートとの二重苦
実はこの問題には、もう一つの要因が重なっています。ロシア上空の迂回飛行により、アジア〜欧州路線では既に燃料消費が15〜20%増加しています。燃料供給の逼迫と消費増の「ダブルパンチ」が、欧州便のコストを特に押し上げています。
3 コロナ禍との比較 — 今回はより広い範囲に影響する
2020年のコロナ禍では、「国境閉鎖・入国制限により物理的に渡航できない」という絶対的な制約がありました。WIPジャパンはその時、TFY(Travel For You)という出張代行サービスを立ち上げました。
今回の燃料危機は、コロナ禍とは性質が異なります。渡航は物理的に可能です。しかし「コスト的に正当化できるか」「スケジュールが組めるか」「そもそも行く価値があるか」という経済合理性の判断が難しくなっています。
これはある意味、より広い範囲の企業に影響します。コロナ禍では「どうしても行かなければならない」案件だけが問題でしたが、今回は「行くべきか迷っている」すべての海外出張が対象になるからです。
だからこそ、これまでのように「行く/行かない」の二択で考えるのではなく、「出張の要否判断そのもの」を支援する新しい仕組みが必要になります。私たちが「燃料危機対応パッケージ」として3段階の意思決定支援を設計した理由はここにあります。
4 WIPジャパンが提案する3段階の意思決定支援
燃料危機下の海外出張について、WIPジャパンは以下の3段階で意思決定を支援します。
ステップ① 行く価値を検証する 〔新メニュー〕
燃油サーチャージが往復10万円を超える案件では、「出張前にどこまで情報収集できるか」が費用対効果を左右します。WIPジャパンの海外リサーチサービスを燃料危機対応メニューとして再編成し、出張判断の材料を事前にご提供します。
・現地パートナー候補のリスト化・事前スクリーニング
「調査結果を踏まえて、本当に重要な商談だけ出張する」という選択が、今後の出張コスト最適化の王道になると考えています。
ステップ② 行かずに業務完結させる
WIPジャパンの現地スタッフ(世界89か国・414都市)が、出張先で行うはずだった業務を代行します。商談のアテンド・通訳、工場や拠点の視察・報告、展示会への代理出展、パートナー企業への訪問・折衝など、現地でしかできない業務を、渡航コストゼロで実施できます。
コロナ禍(2020年〜)に立ち上げたサービスなので、立ち上がりが早いことも強みです。「今すぐ誰かに現地へ行ってほしい」というご要望にも柔軟に対応します。
ステップ③ 行かずに「対面商談」を実現する
ステップ②の代行を一歩進めたモデルです。現地スタッフが出張先に赴き、スマートフォンやタブレットでオンライン通訳サービス「YOYAQ」に接続。クライアント企業のご担当者様も同じオンライン上に同席いただくことで、「現地対面+オンライン同席+多言語通訳」が一体化した商談が実現します。
経営層・決裁者が渡航することなく、現地対面商談の意思決定に直接関与できる — これが、従来の「代行」と一線を画す本プランの核心です。
このモデルのメリットは、次の3点に集約されます。
海外パートナーとの商談、工場視察、技術確認、契約交渉など、従来「担当者が行かなければ判断できない」とされてきた場面に特に有効です。
5 こんな企業様にご相談ください
・アジア(韓国・中国・東南アジア)の工場・仕入れ先の確認が急務な製造業・商社の方・海外進出・販路拡大を検討中だが、現地調査のための出張コストを抑えたい方
・夏の欧州展示会シーズンに向けて、渡航を迷っている方
・出張費予算の見直しを迫られ、海外ビジネスの継続方法を模索している方
・経営層・決裁者の海外出張を減らしつつ、海外取引先との関係は維持・強化したい方
6 最後に
「海外に行けなくても、海外ビジネスは止めない」。WIPジャパンがコロナ禍に掲げたこのコンセプトは、燃料危機という形で再び必要とされています。
ただし、今回はコロナ禍とは異なります。物理的に行けないのではなく、「行く価値があるのか」を問われる時代です。だからこそ、出張を削減するだけでなく、意思決定プロセスそのものを再設計する必要があります。
WIPジャパンは2000年の設立以来、世界89か国・414都市の現地スタッフネットワークと139言語対応の情報収集インフラを通じて、数千件の海外ビジネス支援実績を積み上げてきました。渡航コストの最適化、現地情報の収集、出張代行、そして現地対面+オンライン同席のハイブリッド商談 — あらゆる手段で、お客様の海外ビジネスを支援します。まずはお気軽にご相談ください。
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※本記事に記載の燃油サーチャージ関連数値は、2026年4月20日時点の各種報道および各社広報の見通しに基づくものであり、正式発表額とは異なる可能性があります。最新の確定額は各航空会社公式サイトをご確認ください。












Apr. 20, 2026