翻訳してほしい!とWIPジャパンにたどり着いた方々は、「品質が良い翻訳をしてほしい!」とお望みの方が多いのではないでしょうか?
品質を求めてWIPジャパンにたどり着いた方、大正解です!何しろWIPジャパンの最大の売りは「品質の良さ」なのですから。
この品質は何もアウトプットだけの品質を指すのではありません。翻訳に従事するスタッフ全員の人間的な資質も指して「品質」と呼んでいます。
今回は翻訳の品質担保の中核を担う「バイリンガルチェック」を担当するチェッカーの皆さんに、お仕事の内容や今後の野望などを聞いてみました。
リンギストとしての彼らのプロフェッショナリズムに触れてもらうとともに、人間性をも垣間見てもらい、よりWIPを身近に感じていただければと思います。
WIPに対する信頼性をさらに増していただけること間違いなしです!
※この記事は後編です。前編はこちらからご覧ください。
Q6. チェックをする際に、大切に/気を付けていることは何ですか?
『分量が多い案件の場合には、ミスが散見されたりするので、特に注意するようにしています。特に最後の方には、タイポ(誤字脱字)や数字のミスが生じやすいので、気を引き締め直してチェックしています。
また、協力先に質問や修正をお願いすることに関しては、常に相手へのリスペクトを忘れないようにコミュニケーションを心掛けています。心を込めてお礼を言うことで、お互いに気持ちよくやり取りができると思います』
『自分の英語力と日本語力を過信しないようにしています。多種多様な英文を読めるようになるために努力はするべきだとは思いますが、「日本語と同じように英語を理解できる」という奢りは持たないように気をつけています。
具体的には、少しでも疑問を感じたり違和感を覚える英語に出会ったなら、協力先に問い合わせたり、英語ネイティブに確認したりしています。
特に日英翻訳で難度が高い案件の場合は、十分に気をつけるようにしています。内容が複雑だと、英語を理解するのに頭の中で日本語を介在させてしまうため、仮に訳文が直訳調で不自然なものであっても、気付きにくいことがあるためです。
英語力と同じように日本語力についても、過信しないように注意しています。英日翻訳のチェックをしていると、軽い気持ちで訳文の日本語に手を加えてしまいがちですが、「なんとなく変」という理由で修正するのではなく、ちゃんと根拠をもって修正するようにしています。
協力先の方々はそれぞれ専門分野をもって翻訳をしています。訳文中に一般的には不自然な表現があったとしても、業界に精通しているがゆえに意図して使ったものかもしれません。深く考えずに修正してしまうと、最悪の場合は改悪してしまっている可能性もあります。』
『謙虚な気持ちを忘れないようにしています。また、読者の立場に立って訳文を読むことを心掛けています』
『一番は、「クライアントの重要視する要件を外さないようにする」ようにすることですね。対象読者は誰なのかを常に意識すること、原文も訳文もできるだけ客観的に読むこと、正しい情報を可能な限り調べるようにしています』
『原文通りで、読みやすく、お客様の要望に沿った文章に訳されているかに気を付けてチェックしています。
また、納期を守るために、どの順番で作業を行うと一番効率的かを考え、実行するようにしています』
WIPのチェッカーは、皆さん非常に謙虚な気持ちを持ち、作業に関わる人全員へのリスペクトを忘れません。仕事を安心してお願いできますし、気持ち良いコミュニケーションが取れるのがとても嬉しいです!
Q7. 仕事をしていて楽しいと感じる瞬間は何ですか?
『日英翻訳の場合には、素晴らしいと感じる英語表現を目にしたとき、日本語では長くて煩雑だな、と感じた内容が英語では非常にわかりやすくシンプルに表現されていたときに、英語という言語の良さを感じ、楽しさを感じます。
英日翻訳の場合には、英語の原文を読んでいてもいまいち理解できなかったことが、訳文を読むと完璧に理解できたときに協力先さんの力量に感動しますね』
『翻訳の仕事が好きなので基本的にはいつも楽しいという前提で、特に楽しさを覚えるのは素晴らしい翻訳文に出会ったときですね。
英日翻訳のチェックの時には、「自分だったらどう訳すか」を考えながら英文を読み訳文を見ていくのですが、今の自分のスキルではまったく思いつかないような素晴らしい訳文に出会うと、チェックの疲れも吹き飛びます。日英翻訳のチェックの際も、日本人でも解釈が難しい原文が見事な英文になっているのを見ると、感嘆のため息すら出ます(笑)。』
『協力先さんによる訳文が非常に考え抜かれていて素晴らしい、と感じるときにはチェックしていてとても楽しいと感じます!』
『これまで知らなかった新しい情報や考え方について書かれた原文を読んで発見があったときや、新しい英語表現や用法を知ることができるのが楽しいです。また、担当者さんや協力先さんとやりとりをするのも好きですね。お客様から好評のフィードバックをいただけたときは、この仕事をしていて良かった!と思います』
『チェックを通して、自分が知らなかった世界や情報を知れるのが楽しいです!』
皆さん知識欲が非常に高いですね!日々様々な文章をチェックしているので、インプットできる機会は非常に多そうです。
Q8. 今後の野望(?)を教えてください(どんな分野のものをやりたいなどなんでもOK)
『英語の論理をさらに深く学びたいです。最近は、翻訳前に原文を翻訳するのに最適化するようにリライトする「プレエディット」という手法があります。日英翻訳用に、日本語の原稿を自分でリライトできるようになりたいと思っています』
『自分の興味のある分野(環境、心理、教育など)で、書籍の翻訳チェックにチャレンジしたいと思っています。
過去に国際政治学関連の書籍の翻訳チェックに携わったことがあります。最初の「はじめに」から最後の「あとがき」まで、まるまる一冊通してチェックをしました。
通常の実務翻訳と比べて書籍翻訳は翻訳する分量が多いため、文章の構成や訳語統一などに、より細心の注意を配る必要があります。また、分量が多いとどうしても最初と最後で品質が一定しないことがありますが、その品質の統一もチェッカーの重要な役割の一つです。
担当した国際政治学関連の書籍の案件では、翻訳者、英語ネイティブ、チェッカーの私がチームを組み、時にはクライアントも巻き込んで、完成までこぎつけました。
わざわざ一冊の本を書いてまで執筆者が伝えようとしていること、そして一冊の本を通じて執筆者がつくるストーリーを、いかにして過不足なく別の言語に書き換えるか。難しいチャレンジではありますが、高い品質に向けて妥協無く翻訳をつくるプロセスは、やりがいと同時に翻訳チェッカーとしての成長ももたらしてくれると思っています』
『あまりこれ!といった野望はありません。目の前の作業をひとつひとつ、誠実に丁寧に行っていきたいと思っています』
『どんな内容・依頼内容でも対応できる、視野が広くてジェネラリストなチェッカーになることが野望です!』
『苦手分野のないチェッカーになりたいです。日頃からいろんなことに興味を持ち、知識を得ていき、どんな分野でも私に任せてください!と言えるようになりたいですね』
繰り返しになりますが、皆さんの知識欲が半端ないですね!
言語そのものをもっと深めたい方、専門知識を広げたい方、深めたい方、いろんな知識欲を持った方がWIPに在籍しています。目の前の仕事を全力で丁寧にこなすことも非常に大切ですよね。そういった方は、とても信頼できます。
翻訳の世界も日々変化しています。皆さんのたゆまぬ努力によって、WIPのサービスは常に進化し続けていけると確信しています!
(川嶋)