世界には現在、3千万以上 ものECサイトが存在するといわれています。利用率の上位1~3位はAmazon、Alibaba、eBayです。しかし、これは世界全体で見た場合で、実は国ごとに利用率トップのECサイトは異なります。
また、ECサイトは、インバウンド需要においても一役買っています。旅行後に越境ECで日本の商品を購入する「旅アト購入」がその例です。10月は国慶節や開天節があり、中華圏や韓国からの外国人観光客の増加が予想されますが、旅アトの消費活動の活発化も見込まれています。
ここでは、訪日外客数 上位1~10位の国における、人気ECサイトをご紹介していきます。
<2023年10月訪日外客数 (JNTO推計値)>
①韓国、②台湾、③中国、④アメリカ、⑤香港、⑥タイ、⑦フィリピン、⑧オーストラリア、⑨シンガポール、⑩カナダ
出典:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20231115_monthly.pdf
世界各国で人気のECサイト
それぞれの国で人気のECサイトは以下のとおりです。
<2024年各国で人気のECサイト>
・韓国:Coupang(クーパン)
・台湾:Shopee(蝦皮購物/ショッピー)
・中国:Taobao(淘宝/タオバオ)
JD.com(京東商城/ジンドン)
Tmall Global(天猫国際/テンマオ・グローバル)
・アメリカ:Amazon.com(アマゾン)
・香港:Taobao(淘宝/タオバオ)
・タイ:Shopee Thailand(ショッピー)
・フィリピン:Shopee Philippines(ショッピー)
・オーストラリア:Amazon.com.au(アマゾン)
・シンガポール:Shopee Singapore(ショッピー)
・カナダ:Amazon.ca(アマゾン)
韓国(Coupang)・中国(Taobao、JD.com、Tmall Global)・香港(Taobao)を除いて、その他の国や地域はShopeeもしくはAmazonがトップになっています。また、Shopeeは台湾および東南アジアで、Amazonは欧米圏で強いことも分かります。
中国については、Taobao、JD.com、Tmall Globalと3つあります。中国は世界のEC市場における売上高の半分近くを占めていることもあり、ECサイトが非常に身近な国です。Taobaoは若年層がユーザーに多いことでも有名です。また、Tmall Globalはブランドやファッションアイテムの、JD.comは家電製品の購入に使われる傾向があるともいわれています。
世界のECサイトにおける対応言語
それぞれのECサイトについてもう少し見ていきましょう。BtoC(企業→消費者)やCtoC(消費者→消費者)など取引形態はどうか、対応言語は何か。
Coupang(クーパン):
・BtoC中心
・主な対応言語は韓国語、英語
Shopee(蝦皮購物/ショッピー):
・BtoCおよびCtoC
・主な対応言語は英語、中国(簡体字)、中国(繁体字)、マレー語、タイ語、
フィリピン語、ベトナム語
・スタッフによる日本語サポートのサービスはある
Taobao(淘宝/タオバオ):
・CtoC中心
・主な対応言語は中国語(簡体字)
・シンガポールとマレーシアのサイトには英語のサポートもある
JD.com(京東商城/ジンドン):
・BtoC中心
・主な対応言語は中国語(簡体字)、英語
Tmall Global(天猫国際/テンマオ・グローバル):
・BtoC中心
・主な対応言語は中国語(簡体字)、英語
・卸売形態(BtoBtoC)のTmall Direct Importは英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語(簡体字)、韓国語、日本語のサポートがある
Amazon(アマゾン):
・BtoC中心
・Amazonストアは世界約20ヶ国にある
(アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、イギリス、ドイツ、フランス、
イタリア、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポーランド、日本、インド、
オーストラリア、シンガポール、アラブ首長国連邦、トルコなど)
主な対応言語に日本語が含まれるものは、意外に少なかったのではないでしょうか。インバウンドにおいて多言語対応の事前準備は重要といわれていますが、ECサイトへの出品や出店に関しても同様となります。
ターゲットにしたい国における人気や流行、また、売りたい商品はどの国で好まれそうかなども考えると良いでしょう。
ECサイトは消費活動だけでなく、文化と文化、人と人のつながりを広げているといえます。外国は思ったより遠くないのかもしれません。