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世界に挑戦する企業を応援するニュースレター
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名言語録
「情報獲得の手段を多種多様にしておくこと。何故ならそれはどんなに不完全で、前後撞着していても構わない、真実はしばしばそれらの情報からふるい分けることができるからである。」
アントワーヌ・アンリ・ジョミニ(ナポレオン時代の戦略家)
先日、非エンジニア向けのAI合宿に参加してきました。受講生は約30人。会場を見渡すと、私が圧倒的に年上で、しかも、受講前夜に慌ててAppleのノートブックを購入したばかり。初日の午前中は、画面操作についていくだけで精一杯で、正直、冷や汗ものでした。それでも、講師の説明を聞き、周囲の参加者に刺激を受けながら手を動かしてAIの力を借り、自分で指示を出して簡単なアプリが完成した瞬間は、素直にうれしいものでした。
同時に、AIの能力には改めて舌を巻きました。専門知識が十分でなくても、考えを言葉にし、試行錯誤を重ねれば、これまで専門家に頼らなければ難しかったことにも近づいていける。仕事の進め方そのものを変える変化だと感じました。
WIPも、翻訳、通訳、多言語人材、海外調査、海外営業支援などの分野で、AIと人の専門性をどう組み合わせ、お客様により良い価値を提供できるのか、模索していきたいと思います。(上田輝彦・下記はAI画像です)
中東屈指の親日国イラン。しかし、商談にはペルシャ数千年の歴史が育んだ一筋縄ではいかない「作法」があります。まず避けて通れないのが「タアロフ」という独特の文化。これは日本語の「建前」をさらに複雑にした社交辞令です。タクシー代を「いらない」と言われたり、過剰な歓迎を受けたりしても、額面通りに受けてはいけません。二度、三度と辞退し、相手の「本音」を探り合うプロセスこそが礼儀なのです。
商談の場では、熱いチャイと山盛りのフルーツが欠かせません。いきなり本題に入るのは野暮。家族や歴史の話でじっくりと「人間関係の土台」を築くのがイラン流です。彼らは世界屈指のタフ・ネゴシエーター。バザール文化で鍛えられた交渉術は粘り強く、丁寧な物腰の裏で熾烈な条件闘争が繰り広げられます。ここで必要なのは、熱量に負けない「忍耐」と、声を荒らげない「優雅さ」。ペルシャ絨毯を織るような緻密な議論を楽しみ、何度もチャイを酌み交わす。その先に、絶大な信頼関係が待っています。
5月21日は、国連が定める「対話と発展のための世界文化多様性デー」です。世界には言語、宗教、食文化、価値観など多様な違いがあります。海外取引や外国人材受け入れが進む日本企業にとって、こうした違いへの理解は身近な課題です。たとえばイスラム圏のお客様には、豚肉・アルコールフリーの食事や礼拝時間の配慮が欠かせません。欧米ビジネスでは会議で黙っていると「意見がない」と見なされやすく、一方で高文脈文化では面子を保つため、はっきり断らず遠回しに表現します。広告やWebサイトでも注意が必要です。「高品質」「安心」といった日本的な訴求だけでは弱く、価格や実績などの具体的な根拠が求められます。
また、色やジェスチャーにも文化的違いがあり、白は欧米の一部で葬儀を連想させ、OKサインはブラジルなどで侮蔑の意味になる場合があります。多文化共生とは、一方的に合わせることではなく、違いを理解した上でより良い接点をつくること。文化の背景まで想像する姿勢が、グローバルな取引や協働を強くします。
「国の場所や面積はどのような影響を与えるのか」「なぜ国は消えたり、新しく生まれたりするのか」…。地政学には、当たり前のようでいて答えづらい、奥深い疑問が数多くあります。本書は、勉強が得意な兄、流行に敏感な妹、そして謎の店主「カイゾク」の三人による会話形式で、政治や歴史の仕組みを驚くほど分かりやすく解き明かしてくれます。もちろん、地政学は非常に広範な分野であり、一冊ですべてを把握することは難しいのですが、本書は、入門編としてまず一読してみるのに最適な一冊です。
また、本書が出版された2022年から現在までの4年間で、世界情勢は大きく変動しました。物語の中で語られる要素が、現実世界でどのように形を変えて現れているのか。今の視点で読み直すことで、より深い「考えるきっかけ」を与えてくれる一冊でもあります。読者が選ぶビジネス書グランプリ2023「リベラルアーツ部門賞」受賞作。(汐)