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世界に挑戦する企業を応援するニュースレター
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名言語録
「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。」
アインシュタイン(理論物理学者)
“Common sense is the collection of prejudices acquired by age 18."
ミラノ・コルティナ冬季五輪の興奮が、まだ胸の中に残っています。正直に申し上げると、りくりゅうペアの金メダルの瞬間、思いがけず涙が止まりませんでした。ショートプログラム5位という崖っぷちから、フリーで世界歴代最高得点を叩き出しての大逆転。演技を終えた木原選手が氷上に膝をつき泣き崩れる姿に、こちらまで感情が溢れてしまいました。
ふたりの背景には、長年にわたるカナダでの練習があります。日本での「当たり前」を手放し、世界最高の環境と競争の中に飛び込んで技を磨き続けました。言語も文化も異なる地で信頼関係を築きながら、ただひたすらに世界一を目指してきたのです。私はその姿に、真のグローバル人材を見た気がしました。
グローバルとは語学力や海外経験のことではありません。世界を舞台に戦うために何が必要かを自ら問い、環境を選び、結果で証明することではないでしょうか。彼らの挑戦を他人事にせず、自分たちの仕事にも重ねていきたいと思います。

冬季五輪のメダル獲得数で圧倒的トップだったノルウェー。人口わずか560万人の快挙に、ただただ脱帽です。さぞかし鼻高々だろうと思いきや、現地で「王者の風格」を探しても無駄です。「ヤンテの掟(Janteloven)」という不文律が徹底されており、「お前は特別ではない」「他人より優れていると思うな」が国是。五輪の金メダリストだろうが石油企業のCEOだろうが、ランチの列に割り込めば白い目で見られます。「偉そうにすること」が最大の罪なのです。
そして彼らのビジネスにおける真の「ゴール」は、契約成立ではありません。「16時にオフィスを脱出し、森へ帰ること」です。金曜日ともなれば14時頃から「良い週末を!」と言い残し、スキーを担いで山小屋へ消えていきます。緊急案件で夕方に電話しても、応答するのは森の静寂だけです。しかしこの「短時間集中」こそが彼らの強さ。限られた時間で驚くべき生産性を叩き出し、涼しい顔で勝ってしまう。そして金曜の夜はなぜか国民食となっている「タコス」を家族で食べるのが彼らなのです。

日本では三月の雛祭りに、自分の災厄を身代わりに託す「流し雛」というお清めの伝統がありますが、世界を見渡すと、この時期は各地で「淀みを払い、春を呼ぶ」儀式が行われています。
欧米で親しまれている「スプリング・クリーニング」は、まさに春の大掃除。冬の間に暖炉の煤で汚れた家を徹底的に磨き上げ、爽やかな春風を迎え入れます。また、イランでは春分の日(新年)に合わせ、「ハネ・テカニ(家を揺らす)」という、古い悪運を追い出すための徹底的な掃除を行い、この行事がスプリング・クリーニングの元となったとも言われています。さらに、タイの新年の伝統行事「ソンクラーン」では、仏像や年長者の手に聖水をかけ、一年の汚れを清める静かな儀式が古くから大切にされてきました。
「年末」に掃除をする日本に対し、世界では「春」こそが心身や家を清める絶好の機会。形は違えど、光溢れる季節を清らかな状態で迎えたいという願いは、万国共通のようです。(汐)

今月は、アメリカの名門大学院で教科書として使われている一冊を紹介します。この本の最も大切なメッセージは、「交渉とは、限られたお菓子を奪い合うケンカではない」ということ。お互いの情報を出し合って、お菓子そのものを大きくし、全員が満足できる結果を作る方法を教えてくれます。
著者は、交渉を「性格の強さ」や「直感」に頼るのではなく、「科学」として捉えています。例えば、話し合いが決裂したときの「次のプラン」を準備しておくこと、相手の「要求」の裏にある「本当の理由」を見つけることなど、論理的に考えることが成功のポイントです。
また、「率直に主張する欧米」と「空気を読む日本」を比べ、日本人のスタイルが劣っているわけではないとはっきり伝えています。大切なのは、相手に合わせてやり方を変える「柔軟さ」。「日本人は交渉が苦手」という思い込みを捨て、世界中の誰とでも、お互いに「やってよかった」と思える関係を築く自信をくれる、そんな必読の一冊です。