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無料AI翻訳でおすすめの翻訳サービス5選【2024年最新版】

作成者: WIP japan|Sep. 27, 2024

 

 

現在、業務で翻訳が必要な際に使えそうな無料AIのサービスには、従来の「ニューラル機械翻訳サービス」である「Google翻訳」「DeepL翻訳」の2種、「生成AI」であるChatGPT」「Gemini」「Claude」の3種の合計5種があげられます。(2024年9月現在)

 

いずれのサービスも、サービスごとに特徴がありますが、特に言語によって翻訳の精度に差がありますので、言語によって使い分けるのがいいのではないでしょうか。

 

AIサービスの対応言語数

  Google翻訳 DeepL翻訳 ChatGPTGPT-4) Gemini Claude
対応言語数 約250 32 40以上 40以上 100以上

 

各AIサービスの言語ペアごとのストロングポイント

  Google翻訳 DeepL翻訳 ChatGPTGPT-4) Gemini Claude
英語から欧州言語      
日本語から英語      
日本語からアジア言語(中国語簡体字・繁体字、韓国語など)        
英語から日本語        

 

※上記はあくまで2024年9月現在の評価となります。AIは日々飛躍的に進歩しているため、短期的に大幅な変動がある場合もありますので、ご了承ください。

 

 

従来のAI翻訳(ニューラル機械翻訳サービス)

従来のAI翻訳は、人間がAIにデータを学習させることで、そのデータの中からAIが適切な回答を探して提示するという性質のものでした。従来のニューラル機械翻訳の代表的なサービスが「Google翻訳」や「DeepL翻訳」となります。

 

従来のAI翻訳における優位性

  • 非常に手軽に利用できる(利便性
  • すぐに翻訳結果が表示される(即時性
  • 無料版であればコストが全くかからない(コスト削減
  • 「英語から欧州言語への翻訳」に関しては、非常に精度が高い
従来のAI翻訳における注意点

  • 訳抜け、誤訳の可能性がある
  • アジア語同士の翻訳」に関しては評価が低い(日本語⇔アジア言語など)
  • 訳文の文章表現を指定できない(業界特有の言い回しなどの文章表現)
  • スタイルガイドに基づく文章スタイルの指定ができない
  • 高度な専門用語などを含んだ文章の翻訳に課題
  • 品質要求が高い案件にはまだ難しい
 

Google翻訳 

https://translate.google.co.jp/

 

Google翻訳」の優位性

  • 約250言語に対応(2024年7月時点)
  • 地名などの固有名詞の翻訳が得意
  • Webサイト全体の翻訳やリアルタイム音声翻訳など、多様な機能を提供
Google翻訳」の注意点
 
  • 2024年時点、翻訳業界の中では「DeepL翻訳」のほうが評価が高い
  • イギリス英語とアメリカ英語の指定ができない

Google翻訳」無料版と有料版の主な違い

無料版「Google翻訳
 
  • セキュリティの懸念
    - 入力されたテキストデータは、サービスの改善や機械学習モデルの訓練に使用される可能性がある
    - 個人情報や機密情報を含むテキストの入力は推奨されていない
  • カスタマイズオプションが非常に限定的
  • 用語集の設定や分野の選択ができない
  • 特定の専門分野や企業固有の表現に対応することが困難
有料版「Google翻訳

  • セキュリティの向上
    - より厳格なデータ保護ポリシーが適用
    - 企業のニーズに合わせたセキュリティ設定が可能
  • カスタム翻訳モデルの作成が可能
  • 用語集を設定できる
  • コーパス(過去の翻訳データ)を活用してエンジンをカスタマイズできる
  • 特定の分野や企業独自の用語や表現を使った翻訳が可能に

 

DeepL翻訳


https://www.deepl.com/ja/translator

 

DeepL翻訳」の優位性

  • 2024年前半時点で、翻訳業界の中で評価が高い
  • 英訳の流暢な訳文の仕上がりが特色
  • イギリス英語とアメリカ英語の指定ができる
  • word, power point, PDF形式のファイルも翻訳(使用回数等の機能制限有)
  • DeepL Writeで文体を数パターンの中から選んでAIに推敲させることができる
DeepL翻訳」の注意点

  • 対応言語が32言語のみ
  • 訳抜けの発生頻度Google翻訳」に比べると高い

無料版「DeepL翻訳」と有料版「DeepL Pro」の主な違い

無料版「DeepL翻訳

  • セキュリティの懸念
    - 無料版のDeepL翻訳で入力した内容はサービス向上を目的とした学習データとして利用
  • 文字数制限がある
  • ファイル翻訳には、月単位での利用回数制限
  • ファイル翻訳では、翻訳結果の編集不可
有料版(DeepL Pro)

  • 文字数制限がない
  • セキュリティの向上
    - 翻訳の作成と送信に必要な範囲でのみ一時的に保存され、翻訳文を受け取った後は削除される
  • ファイル翻訳で、月に利用できる回数が増える
  • ファイル翻訳では、翻訳結果の編集が可能に
  • 日本語の敬体・常態にも対応可能に
  • 従来型ではない、次世代翻訳(LLM系)も登場

 

生成AIを使った翻訳

生成AIで翻訳する際の優位性

  • 手軽に利用できる(利便性
  • すぐに翻訳結果が表示される(即時性
  • 無料版であればコストが全くかからない(コスト削減
  • イギリス英語とアメリカ英語の指定ができる
  • 訳文の文章表現を指定できる
  • スタイルガイドに基づく文章スタイルの指定ができる
  • 対話形式で翻訳の修正指示などが可能
  • 「アジア語同士の翻訳」に関しても一定の評価を得ている
生成AIで翻訳する際の注意点

  • プロンプト(ユーザが入力する指示や質問)が、訳文の品質に大きく影響する
  • 品質管理(毎回、出力結果が異なることがある)
  • 訳抜け、誤訳の可能性がゼロではない
  • 高度な専門用語などを含んだ文章の翻訳に課題
  • 品質要求が高い案件にはまだ難しい
 

ChatGPT

ChatGPT」の優位性

  • ChatGPTのインターフェースは50以上の言語に対応(翻訳対応言語数は不明)
  • 「GPT-4」の翻訳精度が翻訳業界でも高評価
  • 文脈を理解し、説明や言い換えを加えながら翻訳できる
ChatGPTの注意点

  • 「GPT-3.5」と「GPT-4」で翻訳品質に大きな差がある
  • 無料版だと「GPT-4」の使用回数制限がある
 

Gemini

Gemini」の特徴

  • ウェブアプリとモバイルアプリでは40以上の言語に対応(翻訳対応言語数は不明)
  • マルチモーダル機能により、テキストだけでなく画像や音声も含めた翻訳が可能
  • まだ発展途上のサービスであり、機能や精度の向上が期待される
 

Claude(クロード)

Claude」の特徴

  • 100以上の言語をサポート
  • 非常に流暢で自然な日本語をアプトプットすることで評価が高い
  • 倫理的な配慮がなされており、不適切な内容の翻訳を避ける傾向がある

 

AI翻訳+AIによる校正チェック

一度AIが翻訳した翻訳結果を「生成AI」に校正チェックさせることで、翻訳の品質を向上させることができます。言語によっていろいろな組合せが考えられますが、以下は現時点でおすすめする言語ペアとAIの組合せです。

 

日本語から英語

DeepL翻訳+「ChatGPT(GPT-4)による校正チェック
ChatGPT(GPT-4)」による翻訳+「ChatGPT(GPT-4)による校正チェック

「日本語から英語」の翻訳に関しては、DeepL翻訳ChatGPT(GPT-4)」 の精度がかなり高いので下訳にはこちらをおすすめします。

翻訳結果を
ChatGPT(GPT-4)」 校正チェックを行えばかなりの翻訳精度が期待できます。

 

日本語からアジア言語(中国語簡体字・繁体字、韓国語など)

ChatGPT(GPT-4)」による翻訳+「ChatGPT(GPT-4)」による校正チェック

「日本語から中国語簡体字・繁体字などのアジア言語」に関しては、最初にAIが翻訳する段階でChatGPT(GPT-4)が飛び抜けていますので、「ChatGPT(GPT-4)」による翻訳+「ChatGPT(GPT-4)」による校正チェックがおすすめです。

 

 

英語から日本語

ChatGPT(GPT-4)」による翻訳+Claude」による校正チェック

Claude」は流暢な日本語のアプトプットを強みとしていますので、「英語から日本語の翻訳」に関しては、まず最初にChatGPT(GPT-4)で翻訳を行い、Claude」で文章表現を含めて校正チェックを行うのでおすすめです。
 

 

AI翻訳+人間によるチェック

 

AI翻訳+社内スタッフによるチェック

とはいえ、専門性の高い原稿内容や、厳密性の要求が高い場合などは、やはり人間によるチェックが必要となります。そういう場合の翻訳では、社内で校正チェックができる人がいるのであれば、必ず人が最終チェックを行ったほうがいいでしょう。

AI翻訳+翻訳会社によるチェック

AIが翻訳し訳文の校正チェックを翻訳会社に依頼することも可能です。最近はそうしたご要望も多く、どこの翻訳会社でも対応をしてくれますので、気になる場合は一度相談されることをおすすめします。

 

 
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参考文献: