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世界に挑戦する企業を応援するニュースレター



ニュースレター:2026年9月号

名言語録

「人生では何も悪いことをしていないのに、思いがけない災難に遭うことがある。“なぜこうなったのか”と思い悩めば、心の中に新たな二次災害を引き起こしてしまう。だから、とにかくいまやることだけに心を集中し、過ぎ去ったことは考えないようにしなさい。辛い出来事にも深い意味があったと、いつか気づく日が必ず来るはずだから」
(過失致死で悶々と悩む青年に、同じ経験を持つある弁護士が諭した言葉)

社長よりごあいさつ 「四千年前の粘土板が教えること」

 

先月、千葉県を観測史上最多の豪雨が襲いました。気象庁はこれを「令和八年八月千葉豪雨」と命名しました。名を付けるのは、忘れないためです。

人類最古の文学『ギルガメシュ叙事詩』にも洪水の記憶が刻まれています。神が大洪水の前に一人の男へ告げた言葉、「家を壊し、船を造れ。家財を捨て、命を救え」。旧約聖書のノアの箱舟とよく似たこの物語は、チグリス・ユーフラテス流域で繰り返された氾濫の恐怖が起源とされています。生き延びた者が語り、次の世代が受け継ぎ、四千年が経ちました。

日本各地の津波石碑も、水にまつわる地名も、先人が忘れっぽい子孫に残した印です。物語とは、そういう記憶のしくみではないでしょうか。その教訓はいつも同じ。ものは諦めろ、命だけを持って逃げろ。四千年前の粘土板に刻まれた助言は驚くほど単純ですが、それだけが水から学び続けてきた、たった一つの教訓なのかもしれません。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

(上田輝彦)

世界の商談:米国・南部編(独断と偏見シリーズ)

 米国南部編 

九月、アメリカ南部が一年で最も熱くなる季節が来ました。カレッジフットボールの開幕です。テキサス、ジョージア、アラバマ等、この地域で商談をするなら、相手母校のチーム事情くらいは頭に入れておいて損はなし。

ニューヨークが「分速」で動くとすれば、南部の時計は「日速」。伝説の「サザン・ホスピタリティ」が支配する土地です。まず礼儀がすべて。相手が誰であろうと「Yes, Sir」「Yes, Ma'am」を添えるのが鉄則。これを怠ると無作法者として心のシャッターを静かに下ろされます。商談もいきなり本題には入らず、天気、家族、そしてフットボールで場を温め、BBQと頭が痛くなるほど甘いスイートティーで胃袋を満たしてから、ようやく仕事の話へ。

ただし「Bless your heart(お大事に/神のご加護を)」、微笑みながらこう言われたら、最上級に婉曲的でエレガントな「No」かも。ニコニコと甘い紅茶を飲みながら、腹の底は見せない。アメリカで最もタフな交渉相手は、案外この親切な南部人なのです。

「もっとグローバルに考える」: 世界の「バス」事情

 世界のバス事情 

1903年(明治36年)9月20日、京都で日本初の乗合自動車が運行されたことから、この日が「バスの日」に制定されました。時間に正確で整然とした日本のバスに対し、世界の車窓にはその土地ならではの人間味が映し出されます。

フィリピンの派手な乗合バス「ジプニー」では、乗客同士がバケツリレーのように運賃を手渡しする助け合いがマナー。中米グアテマラの「チキンバス」も鮮やかな装飾が名物で、街を彩る動くアートとして親しまれています。イギリスの二階建てバス「ダブルデッカー」は、かつて好きな場所で飛び乗り・飛び降りするワイルドな光景が見られました。

旅先でユニークな乗り物に目を留めてみると、その国の素顔がふと見えてくるかもしれません。(汐)

WIPライブラリー:今月のおススメ本 『存在しない女たち:男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』

 存在しない女たち 

スウェーデンのカールスクーガ市では、毎冬転倒事故にかかる医療費が6億円相当にまで上っていた。しかし、幹線道路より歩道を優先して除雪する方式に変えたところ、半分程度の費用で対処することができた——。歩行者や公共交通利用者に女性が多いというデータが軽視され、車中心の設計が「標準」とされてきた結果です。似た構図は各所にあります。自動車の衝突安全テストは長年、身長177センチ・体重76キロという「平均的な男性の体格」をもとにしたダミーで行われてきました。しかし、女性ドライバーや助手席にいる女性に関するテストは乏しく、事故にあった女性が重傷を負う確率は男性より47%高く、死亡率も17%高いという結果に。臨床試験の被験者が男性に偏っていれば、女性に効きにくい薬が「有効」と判定されることも。

客観的に見える統計やインフラの土台に、いかに大きなデータの空白が潜むかを本書は緻密に解き明かしています。AIの学習モデルも同様。見落とされがちなデータを可視化し続けることの重要性を鋭く突きつける一冊です。

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