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デザイン翻訳を成功させるには?料金、注意点、DTPの重要性をプロが徹底解説

作成者: WIP japan|Sep. 02, 2025

 
「デイン 翻訳」と聞いて、単に言語を置き換える作業だと思っていませんか?

それは大きな間違いです。デザイン翻訳とは、製品パンフレットやウェブサイト、広告など、デザインされたコンテンツを多言語に翻訳する際に、視覚的な訴求力と文化的背景を考慮する専門的なプロセスです。単にテキストを直訳するだけでは、元のデザインが持つ魅力やブランドイメージを損なってしまう可能性があります。

当社では、デザイン翻訳を成功させるための重要な要素として、以下の3つのポイントを重視しています。

  • 文化的背景に合わせた表現(ローカライゼーション)

  • デザインと調和するテキスト調整(DTP作業)

  • 言語に適したフォント選定

本記事では、デザイン翻訳の奥深さから具体的な依頼の流れまで、プロの視点で徹底的に解説します。

目次
1. なぜ言語が変わるとフォントも変える必要があるのか?
2. デザイン翻訳を成功させるための実践的ポイント
3. デザイン翻訳を依頼する際の具体的な流れ
4. 費用対効果とセキュリティ
5. デザイン翻訳のケーススタディ
6. デザイン翻訳をご利用いただいたお客様の声
7. デザイン翻訳に関してよくある質問(FAQ)

1. なぜ言語が変わるとフォントも変える必要があるのか?

日本語とアルファベット圏の言語では、文字の構造が根本的に異なります。そのため、日本語デザインで使っていたフォントをそのまま他言語に適用すると、読みにくくなったり、不自然に見えたりすることが多々あります。

文字の骨格と可読性の問題

日本語のフォントは、漢字・ひらがな・カタカナという複雑な文字を扱うため、文字の骨格(重心やバランス)が複雑です。一方、アルファベットは単純な骨格を持つため、日本語フォントをそのまま使うと、文字間が不自然に空いて見えたり、細すぎて読みにくくなったりしてしまいます。

文化的・美的感覚の違い

フォントには、言語圏ごとの文化的な美意識が反映されています。例えば、日本語の筆文字風フォントが持つ「和」の雰囲気は、英語に訳した際にそのニュアンスを伝えるのが非常に困難です。ターゲット国の文化に馴染んだフォントを選ぶことで、より自然に、かつ魅力的に情報を伝えることができます。

2. デザイン翻訳を成功させるための実践的ポイント

InDesignファイルを翻訳する際は、主に以下の3つの方法があり、それぞれの特性を理解することが重要です。

DTP作業の重要性

翻訳が完了した後も、レイアウトの調整は不可欠です。当社では、翻訳後のテキストを元のデザインに流し込み、フォント調整やレイアウトの最適化を行う多言語DTPの専門家が在籍しています。

  • 文字数の増減: 日本語から英語への翻訳では、一般的に文字数が1.5倍〜2倍に増加します。レイアウトに収まるよう、文字の幅が狭いフォントを選んだり、フォントサイズを調整したりする作業が重要です。

  • フォントの互換性: 使用するフォントが、翻訳する言語の文字セットに対応しているかを確認します。特に、アジア圏の言語(中国語、韓国語など)では、対応するフォントが少ない場合があるため注意が必要です。

  • 印刷用データの最終調整: 印刷物の場合、フォントの埋め込み(またはアウトライン化)や、画像のリンク・解像度の確認、カラースペース(CMYK vs. RGB)の調整など、専門的な作業が必要となります。

翻訳手法とフォント選定

  • ローカライゼーション: ターゲット国の文化や習慣を理解し、現地の読者に響く表現を提案します。

  • トランスクリエーション: キャッチコピーなど、デザイン性が高い部分の翻訳には、文化的背景も考慮したトランスクリエーションという手法が有効です。考案されたコピーに合わせて、視覚的なインパクトを持つフォントを選ぶことで、より効果的な広告物が完成します。

3. デザイン翻訳を依頼する際の具体的な流れ

お客様が当社にデザイン翻訳をご依頼いただく際の一般的な流れをご紹介します。

① お問い合わせ・ご相談

まずはお問い合わせフォームまたはお電話にて、翻訳したい内容、ターゲット言語、ご希望の納期などをお知らせください。

② お見積もり

ご提供いただいた原稿を拝見し、翻訳料金とDTP作業費用を含めたお見積もりを提示します。この際、元のデザインデータ(.ai, .psd, .inddなど)をご提供いただくと、より正確な費用を算出できます。

③ 翻訳・DTP作業

当社のDTP専門家が、翻訳支援ツール(CATツール)を使用してデザインデータからテキストを抽出し、専門の翻訳者が翻訳を開始します。その後、翻訳後のテキストを元のデザインに流し込み、フォントやレイアウトを細かく調整します。

④ 納品

ご希望の形式(印刷用PDF、編集可能な元データなど)で納品いたします。

4. 費用対効果とセキュリティ

費用対効果の最適化

デザイン翻訳の費用は、翻訳料金とDTP作業費用の合計となります。

  • 翻訳メモリの資産価値: CATツールで翻訳履歴を蓄積することで、今後の翻訳プロジェクト(例:改訂版マニュアルの翻訳)で大きなコスト削減と納期短縮につながります。

  • 変動要因: 料金は、言語の組み合わせ、専門性、納期、デザインの複雑性によって変動します。

厳格なセキュリティ管理

お客様の機密情報を含むデータを扱うため、当社では厳格なセキュリティ管理を徹底しています。機密保持契約(NDA)の締結はもちろん、翻訳者やDTP担当者にも機密保持を義務付けています。翻訳データは厳重なシステム下で管理され、お客様のご要望に応じて納品後に削除することも可能です。

5. デザイン翻訳のケーススタディ

海外向けブランドサイト

依頼主: ライフスタイル関連企業 目的: 新規ブランドの海外展開に際し、日本語ブランドサイトを多言語化したい。 翻訳対象言語: 英語、中国語(簡体字)、タイ語

当社の対応プロセス:

  • ご相談とデータ入稿: ウェブサイトのHTMLデータと画像データをご提供いただきました。サイトのコンセプトである「シンプルで洗練された世界観」を維持することが最重要課題として共有されました。
  • 専門翻訳: ターゲット市場の文化に精通した翻訳者が、サイト全体のコピーを翻訳。キャッチコピーはトランスクリエーションを用いて、各言語で同様のインパクトを持つ表現に調整しました。
  • DTP作業とフォント選定: 翻訳後のテキストを元のHTMLデータに流し込み、レイアウトを調整。特に、フォントについては各言語の可読性を考慮して選定しました。例えば、タイ語のフォントは、日本語サイトで使用されているフォントの雰囲気に近い、細身でモダンなフォントを提案し、承認を得て適用しました。
  • 納品と最終確認: 翻訳とDTP作業が完了したデータ一式を納品。お客様に最終的な表示を確認していただき、修正を経て公開となりました。

結果: お客様からは「デザインの雰囲気を損なうことなく、各言語で自然なサイトが完成した。特に、フォントまで細かく調整してもらえたことで、ブランドイメージがそのまま海外に伝わると確信できた」と高い評価をいただきました。

6. デザイン翻訳をご利用いただいたお客様の声

  • 「新製品のプロモーション動画の字幕翻訳でお願いしました。映像の雰囲気に合うように、言葉のニュアンスまで汲み取って翻訳していただき、非常に質の高い仕上がりに満足しています。」(30代 IT企業)

  • 「海外の展示会で配布する会社案内のパンフレットを依頼しました。専門用語が多く、デザインも複雑なため不安でしたが、翻訳からDTPまで一貫して対応してもらえたおかげで、スムーズに準備が進みました。」(40代 経営企画)

  • 「インバウンド観光客向けの案内サインの翻訳を依頼しました。フォントの選定についてもアドバイスをいただき、日本語のデザインと統一感のある、視認性の高いサインができました。」(50代 施設管理)

7. デザイン翻訳に関してよくある質問(FAQ)

Q1. 翻訳とDTP作業を別々の会社に依頼するメリット・デメリットは?
A1. 別々に依頼すると、翻訳後のテキストがデザインに収まらない、フォントが文字化けするといった問題が頻発します。一貫して当社にご依頼いただくことで、翻訳者とDTP担当者が連携し、高品質な翻訳物をスムーズにお届けします。

 

Q2. どのようなデザインツールに対応していますか?
A2. Adobe Illustrator, Photoshop, InDesignを中心に、さまざまなデザインソフトウェアに対応しています。FigmaやCanvaといったウェブベースのツールにも対応可能ですので、ご相談ください。

 

Q3. トランスクリエーションとは何ですか?
A3. 「Translation(翻訳)」と「Creation(創造)」を組み合わせた造語です。単に言葉を置き換えるのではなく、元のメッセージの意図や感情を、ターゲット文化に響くように再創造する翻訳手法です。特に、広告コピーなど、創造的な要素が強いコンテンツの翻訳で用いられます。

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