グローバル市場での競争が激化する現代において、多言語での情報発信は企業の成長に不可欠です。しかし、複数の言語を扱う「多言語翻訳会社」を見つけることは、単一言語の翻訳会社選びとは異なる専門知識と戦略が求められます。
「多言語翻訳会社」と一言で言っても、そのサービス内容、得意分野、品質管理体制は様々です。どの会社を選べば、貴社のグローバル展開を成功に導き、費用対効果を最大化できるのか、迷われている方も多いのではないでしょうか。適切な多言語翻訳会社を選ばなければ、ブランドイメージの毀損、市場投入の遅れ、そしてビジネス機会の損失といったリスクを招く可能性があります。
この記事では、多言語翻訳の重要性から、どのような場面で必要とされ、どのような種類の文書が対象となるのかを解説します。さらに、様々な種類の翻訳会社やサービスと多言語翻訳との相性を深く掘り下げ、貴社に最適な多言語翻訳会社を見つけるためのポイントを網羅的にご紹介します。
貴社のグローバルビジネスを加速させるための、信頼できる多言語翻訳パートナー選びに、ぜひ本記事をお役立てください。
目次
・1. 多言語翻訳とは何か?なぜ今、多言語対応が重要なのか
・2. 多言語翻訳を必要としている業種・業界、法人、組織・団体など
・3. 多言語翻訳が必要となる場面とドキュメント
・4. 多言語翻訳の注意点:失敗を避けるために
・5. 多言語翻訳と翻訳会社【8分類】との相性、メリット・デメリット
・6. 多言語の翻訳見積もりを依頼する際のポイント
・7. 多言語の翻訳料金に関するよくある質問(FAQ)
・8. まとめ:多言語翻訳のパートナー選びは戦略的に
1. 多言語翻訳とは何か?なぜ今、多言語対応が重要なのか
多言語翻訳とは、単に複数の言語に文書を変換するだけでなく、それぞれの言語圏の文化、慣習、市場の特性を理解し、対象読者に響くようにコンテンツを最適化するプロセスを含みます。
1-1. 多言語翻訳の定義と目的
多言語翻訳は、一つの原文コンテンツを複数のターゲット言語に翻訳する専門サービスです。その目的は多岐にわたりますが、主なものとしては以下の点が挙げられます。
-
市場拡大と顧客獲得: 世界中の潜在顧客にリーチし、製品やサービスの認知度を高める。
-
ブランド力向上: ターゲット市場の言語と文化に合わせた情報提供により、企業への信頼と親近感を醸成する。
-
国際的な法規制・コンプライアンス対応: 各国の法律や業界規制に準拠した文書作成を可能にする。
-
社内コミュニケーションの円滑化: 多国籍企業におけるグローバルな情報共有と意思疎通を促進する。
-
競合優位性の確立: 競合他社に先駆けて多言語対応を進めることで、国際市場での競争力を高める。
1-2. 多言語翻訳に求められる要素
一般的な翻訳以上に、多言語翻訳では以下の要素が強く求められます。
-
言語間の整合性: 複数の言語間で用語や表現、ブランドメッセージが一貫していること。
-
ローカライゼーション能力: 単なる直訳ではなく、各ターゲット市場の文化、商習慣、そしてユーザーの行動様式に合わせてコンテンツを最適化する能力。
-
専門性: 各言語のネイティブスピーカーであるだけでなく、対象分野(IT、法律、医療など)の専門知識を持つ翻訳者が必要。
-
効率性と拡張性: 大量のコンテンツを複数の言語で効率的に、かつ将来的な追加ニーズにも対応できる柔軟性。
-
プロジェクト管理能力: 複数の言語ペア、翻訳者、工程を同時に管理し、全体的な品質と納期を確保する能力。
2. 多言語翻訳を必要としている業種・業界、法人、組織・団体など
グローバル展開を目指すあらゆる業種・業界で多言語翻訳のニーズが高まっています。特に、海外に製品やサービスを提供したり、多国籍の従業員を抱える企業にとって、多言語対応は必須となっています。
業種・業界 | 多言語翻訳が必要となる具体的な場面 |
IT・ソフトウェア産業 | グローバル向けウェブサイト、ソフトウェア・アプリのUI/UX、ヘルプコンテンツ、利用規約、プライバシーポリシー、クラウドサービスの契約書など。 |
製造業 | 製品マニュアル、技術仕様書、安全データシート(SDS)、海外工場向けトレーニング資料、部品供給契約、品質基準書など。 |
Eコマース・小売業 | 多言語ECサイトの商品説明、利用規約、FAQ、カスタマーサポートチャットボット、海外向けマーケティングキャンペーンなど。 |
金融・証券業 | 海外投資家向けIR資料、金融商品の説明書、規制当局への多言語報告書、国際間の取引契約書、AML(マネーロンダリング対策)関連文書など。 |
製薬・医療機器産業 | 国際臨床試験文書、医薬品・医療機器の許認可申請書類、多言語添付文書、治験薬概要書、研究論文など。 |
観光・ホスピタリティ | 多言語版の観光ガイド、ホテル・施設のウェブサイト、予約システム、案内表示、接客マニュアル、海外向けプロモーション資料など。 |
法律事務所・弁護士 | 国際訴訟関連文書、クロスボーダーM&A契約書、多言語の法的意見書、外国企業の日本進出支援文書、日本企業の海外進出支援文書など。 |
政府機関・国際機関 | 国際条約、協定文書、多言語版の政策報告書、投資誘致に関する法規、広報資料、外交文書など。 |
教育機関・研究機関 | 海外向け学校案内、留学プログラム情報、学術論文、国際共同研究契約、研究成果の多言語発表、国際会議資料など。 |
NPO・NGO | 国際的な人道支援や開発援助プロジェクトの報告書、資金提供者向け資料、多言語の広報活動、現地での活動に関する文書など。 |
3. 多言語翻訳が必要となる場面とドキュメント
多言語翻訳は、企業のグローバル戦略のあらゆるフェーズで必要となります。
3-1. 多言語翻訳が必要となる場面
-
海外市場参入時: 現地法人設立、製品・サービスの紹介、現地パートナーとの契約締結。
-
グローバル事業展開: 製品・サービスの多言語展開、国際的なマーケティング・プロモーション活動、海外拠点とのコミュニケーション。
-
国際的な法規制・コンプライアンス対応: 各国データ保護法(GDPRなど)への対応、製品安全基準の準拠。
-
国際的なイベント・会議: プレゼンテーション資料、配布資料、通訳手配。
-
多国籍チームの連携: 社内規定、行動規範、トレーニング資料、社内コミュニケーション。
-
海外からの問い合わせ対応: 多言語FAQ、カスタマーサポートの定型文。
3-2. 多言語翻訳が必要となるドキュメント例
多言語翻訳の対象となるドキュメントは多岐にわたります。
カテゴリ | 主なドキュメント例 |
ウェブサイト・デジタルコンテンツ | 企業ウェブサイト、ECサイト、ブログ記事、SNSコンテンツ、アプリ内テキスト、UI/UXテキスト、オンラインヘルプ、FAQ、動画の字幕・スクリプト |
マーケティング・広報資料 | 会社案内、製品カタログ、パンフレット、プレスリリース、広告コピー、展示会資料、セールスプレゼンテーション、メールマガジン |
技術・製造関連文書 | 製品マニュアル、取扱説明書、技術仕様書、設計図面説明、安全データシート(SDS)、保守点検マニュアル、トレーニング資料、特許明細書 |
法務・契約文書 | 各種契約書(売買、ライセンス、合弁、秘密保持など)、会社定款、規約、プライバシーポリシー、免責事項、法規関連文書、訴訟関連書類 |
財務・IR関連文書 | 決算報告書、アニュアルレポート、株主総会招集通知、IR資料、財務諸表、監査報告書、有価証券報告書 |
社内文書・人事関連 | 社内規定、行動規範、人事評価シート、雇用契約書、研修資料、福利厚生ガイドライン、社内報 |
証明書・公的書類 | 登記簿謄本、戸籍謄本、卒業証明書、成績証明書、パスポート、ビザ申請書類、公証書 |
4. 多言語翻訳の注意点:失敗を避けるために
多言語翻訳では、単一言語翻訳以上に注意すべき点が多く存在します。これらの点を見落とすと、ビジネスに大きな損失を与える可能性があります。
-
用語・表現の統一性:
-
厳密な用語集の活用: 複数の言語で、かつ長期にわたって翻訳を行う場合、企業独自の専門用語やブランド用語の定義をまとめた用語集(グロッサリー)を必ず作成し、翻訳者全員で共有・徹底することが不可欠です。これにより、誤訳や表記揺れを防ぎ、ブランドイメージの一貫性を保ちます。
-
翻訳メモリ(TM)の導入: 過去の翻訳資産をデータベースとして蓄積する翻訳メモリ(Translation Memory - TM)は、再翻訳のコストを削減し、一貫性を自動的に確保するために必須のツールです。
-
-
ローカライゼーションの深さ:
-
文化・商慣習の理解: 単なる言語変換だけでなく、各国の文化、商慣習、宗教的背景、ユーモアのセンスなどを理解した翻訳が求められます。例えば、色使い、画像、アイコン、日付や通貨の表記方法など、細部にわたる配慮が必要です。
-
法的・規制的準拠: 各国の法律、プライバシー規制(GDPR、CCPAなど)、業界固有の規制に対応した翻訳と表現が必要です。
-
-
品質管理とレビュー体制:
-
多段階の品質チェック: 翻訳者が翻訳した後に、別のネイティブ翻訳者や対象分野の専門家によるレビュー(リバイス、プルーフリード)を複数回行う体制が不可欠です。
-
現地レビュー(LQA)の推奨: 特に重要なコンテンツやマーケティング資料では、最終的にターゲット市場のネイティブスピーカー(可能であれば現地の担当者や顧客)によるレビューを取り入れることで、より自然で効果的な翻訳が実現します。
-
-
技術的な対応能力:
-
ファイル形式への対応: WordやExcelだけでなく、Webサイト(HTML、XML)、DTP(InDesign)、ソフトウェアのリソースファイルなど、多様なファイル形式に対応できる技術力が必要です。
-
翻訳支援ツール(CATツール)の活用: 翻訳メモリ、用語集管理、品質チェックなど、翻訳プロセスを効率化し、品質を向上させるためのCATツールを活用しているか確認しましょう。
-
-
機密保持とセキュリティ:
-
多言語翻訳の対象となる文書には、企業の戦略、未公開情報、個人情報などが含まれることが多いため、厳格な機密保持体制が必須です。
-
翻訳会社が情報セキュリティに関する認証(ISO 27001など)を取得しているか、機密保持契約(NDA)の締結が可能かを確認しましょう。
-
5. 多言語翻訳と翻訳会社【8分類】との相性、メリット・デメリット
多言語翻訳の特性を踏まえると、翻訳会社の選定は非常に重要です。ここでは、8つの翻訳会社・サービスの分類と、それぞれの多言語翻訳との相性、メリット・デメリットを解説します。特に、「取り扱い言語数」と「複数言語をまとめて依頼した場合の効率性・管理のしやすさ」に注目してください。
分類 | 多言語翻訳との相性 | 主な強み・特徴 | メリット | デメリット |
1.国内大手翻訳会社 | 非常に良い | 豊富な実績、専門分野特化、厳格な品質管理、大規模案件対応、各種認証取得 | 多数の言語ペアに対応し、多言語プロジェクトの同時進行管理、品質一貫性維持のノウハウが豊富。複数言語をまとめて依頼できるため、効率的で管理が非常にしやすい。 高い専門性と信頼性。 | 費用は最も高い傾向。小規模案件やニッチなニーズへの柔軟性は中小に劣る場合も。 |
2.外資系グローバル翻訳会社 | 非常に良い | グローバルな法務・市場知識、最新テクノロジー活用、多言語DTP、特定の法分野特化 | 各国の法制度や商慣習に精通し、法的なローカライズに強み。最先端技術で大規模かつ迅速な多言語翻訳が可能。多言語・複雑なプロジェクトの管理能力に優れる。 | 費用は国内大手と同様に高価。時差や文化的な違いからコミュニケーションに多少の障壁を感じることも。 |
3.国内中小翻訳会社 | 良い(ただし限定的) | 専門特化・ニッチな強み、柔軟な対応、細やかなサービス、コストパフォーマンス | 特定の言語ペアや専門分野での多言語対応が可能。大手よりリーズナブルな場合あり。特定の言語に特化している場合、大手では難しいニッチな言語ペアに対応できることも。 | 大規模な多言語案件や非常に短い納期には不向きな場合が多い。対応できる言語数に限りがあるため、すべての言語をまとめて依頼できない場合も。品質や専門性にばらつきがあるため見極めが重要。 |
4.その他新規参入会社 | 案件による | 競争力のある価格、スピード、特定のニッチ市場特化(AI活用など) | 費用を抑えたい場合に有効。新しい技術やビジネスモデルで効率的な多言語翻訳を提案することも。 | 実績が少ない場合、品質や安定性に不安が残る。法律翻訳などデリケートな分野では特に注意が必要。機密保持体制の確認が必須。多言語対応の経験や実績が不十分な場合がある。 |
5.個人翻訳者(フリーランス) | 不向き(多言語) | 深い専門性(特定の法分野)、費用交渉の余地、直接コミュニケーション | ほとんどの場合、一言語しか対応できない。 特定の専門分野の多言語翻訳(例:日英中)は可能だが、複数言語をまとめて依頼することは難しい。高品質な個別の翻訳は期待できる。 | 多言語プロジェクトの全体管理には全く向かない。 各言語のフリーランスを個別に探して管理する必要があり、多大な手間と時間がかかる。品質の一貫性維持も困難。納期遅延のリスクあり。 |
6.オンライン翻訳サービス(プラットフォーム型) | 限定的な用途 | 手軽さ、スピード、比較的安価、多言語対応 | Web上で手軽に依頼でき、多くの言語に対応。低コストで迅速な翻訳が可能。 | 多言語翻訳に必要な品質(専門性、一貫性、ローカライゼーション)が保証されにくい。 登録翻訳者のスキルにばらつきがある。機密保持体制が不十分な場合も。管理は依頼者負担が大きい。 |
7.翻訳支援ツール(CATツール) | 非常に良い(活用能力次第) | 翻訳メモリや用語集を活用、一貫性向上、効率化、将来のコスト削減 | 多言語間の用語や表現の統一に非常に役立つ。翻訳作業自体の効率を大幅に向上させ、長期的な多言語翻訳コストを削減できる。多言語プロジェクト管理の基盤となる。 | ツール費用や導入・運用ノウハウが必要。ツールのみでは翻訳作業はできない。 |
8.社内翻訳者・バイリンガル社員 | 不向き(多言語) | 社内情報アクセス、迅速な対応、企業文化・業界知識の理解、機密性 | 社内情報にアクセスしやすく、迅速な対応が可能。企業文化や業界知識を深く理解している。機密性の高い文書も対応可能。 | 対応できる言語数や専門分野に限界があるため、大規模な多言語翻訳や専門性の高い分野には向かない。一貫した多言語品質の維持は困難。 |
【ポイント】複数言語をまとめて翻訳会社に依頼するメリット
多言語翻訳のプロジェクトでは、個別の言語を複数の翻訳会社やフリーランスに依頼するよりも、対応可能な言語数の多い一つの多言語翻訳会社にまとめて依頼する方が、圧倒的に効率的で管理がしやすくなります。
-
プロジェクト管理の一元化: 窓口が一つになるため、進捗確認、品質管理、納期の調整、請求処理などが簡素化され、貴社の負担が大幅に軽減されます。
-
品質の一貫性確保: 翻訳メモリや用語集が共通で管理・更新されるため、各言語間で用語や表現、トーン&マナーが統一されやすくなります。
-
コスト効率の向上: 大量翻訳によるボリュームディスカウントが適用されやすくなるだけでなく、管理コストの削減にも繋がります。
-
納期の安定性: 専門のプロジェクトマネージャーが一元的に進捗を管理することで、各言語の翻訳がスムーズに進み、全体としての納期遅延のリスクを低減できます。
6. 多言語の翻訳見積もりを依頼する際のポイント
多言語翻訳では、依頼の段階でどれだけ詳細な情報を提供できるかが、プロジェクトの成否と費用対効果に直結します。
-
翻訳の「目的」と「ターゲット市場・層」を明確に:
-
なぜ多言語翻訳が必要なのか(例:海外ECサイト開設、グローバルIR情報発信、多国籍社員向け研修など)。
-
どの国の、どのような文化背景を持つ、どのような年齢層の読者に届けたいのか。
-
これにより、適切なローカライゼーションや表現の提案が可能になります。
-
-
対象言語の「優先順位」と「数」を具体的に伝える:
-
「まずは英語と中国語、その後欧州主要言語、最終的には10言語対応」のように、段階的な計画や最終目標を伝えます。
-
これにより、翻訳会社は最適なプロジェクト計画と費用を提案しやすくなります。
-
-
必要な「品質レベル」と言語ごとの要件を明示:
-
すべての言語でネイティブチェックを含む最高品質が必要か、あるいは社内確認用であればAI翻訳+ポストエディットで十分かなど、言語やコンテンツの種類ごとに品質要件を具体的に指定しましょう。
-
これにより、無駄なコストを削減し、費用対効果を高められます。
-
-
原稿の「形式」と「量」を正確に提示:
-
翻訳対象となるファイルの形式(Word, Excel, PowerPoint, HTML, XML, InDesignなど)を伝え、特殊な形式の場合は対応可否を確認します。
-
各言語の原稿の総文字数・単語数を正確に伝えることで、より正確な見積もりが得られます。画像内のテキストやDTP作業の有無も忘れずに伝えましょう。
-
-
「希望納期」と「全体スケジュール」を共有:
-
各言語の納品希望日だけでなく、プロジェクト全体の完了目標日も伝え、実現可能性について相談しましょう。多言語翻訳は複雑なため、余裕を持ったスケジュール設定が推奨されます。
-
-
「過去の翻訳資産」の有無を伝える:
-
既存の翻訳メモリ(TM)、用語集、スタイルガイド、過去の関連翻訳などがあれば、必ず提供しましょう。これらを活用することで、翻訳の一貫性が向上し、コストと納期の削減に繋がります。
-
-
「予算感」を伝える(任意):
-
可能であれば、貴社の予算感を伝えることで、翻訳会社が予算内で最適なプランや代替案を提案しやすくなります。
-
-
複数社から見積もりを取得し、徹底比較:
-
料金だけでなく、プロジェクトマネジメント体制、品質管理プロセス、担当者の対応の質、貴社の専門分野における実績、「原文ベースの見積もり」を提供しているかなどを総合的に比較検討し、貴社にとって最も信頼できるパートナーを選びましょう。
-
7. 多言語の翻訳料金に関するよくある質問(FAQ)
-
Q1. 多言語翻訳とローカライゼーションの違いは何ですか?
-
A1. 翻訳は、ある言語から別の言語へ、意味を正確に伝えることを主眼とします。一方、ローカライゼーションは、翻訳に加えて、ターゲット地域の文化的背景、商習慣、法規制、技術的要件などを考慮し、製品やサービス、コンテンツを現地のユーザーに最適化するプロセスです。例えば、日付の表記、通貨、単位、画像、色彩、ユーモアなどがローカライゼーションの対象となります。多言語翻訳では、このローカライゼーションの視点が非常に重要です。
-
-
Q2. 多言語翻訳の費用はどのように決まりますか?
-
A2. 主に以下の要素で決まります。
-
原文の総文字数・単語数: 基本的な料金算出基準です。
-
対応言語の組み合わせと数: 主要言語(英語、中国語など)と希少言語では単価が異なります。言語数が多ければ、総額は高くなります。
-
専門性・難易度: 専門性の高い分野(医療、IT、法律など)は単価が高くなります。
-
納期: 短納期や緊急の依頼は、特急料金が発生します。
-
品質レベル: ネイティブチェック、専門家レビュー、DTP作業、用語集作成など、品質保証や付加サービスが増えるほど費用は高くなります。
-
翻訳メモリ・用語集の活用度: これらを活用できる場合、割引が適用されることがあります。
-
-
-
Q3. 翻訳メモリ(TM)や用語集がない場合でも、多言語翻訳は可能ですか?
-
A3. はい、可能です。しかし、これらのツールがあることで、多言語翻訳の一貫性が格段に向上し、長期的なコスト削減に繋がります。もし現状お持ちでなければ、今回のプロジェクトを機に多言語翻訳会社と協力して作成することをお勧めします。初期投資はかかりますが、グローバル展開における重要な資産となります。
-
-
Q4. AI翻訳と人間の翻訳、多言語翻訳ではどちらが適していますか?
-
A4. 文書の重要度と目的によって使い分けるのが最適です。
-
AI翻訳(MTO): 大まかな内容把握、非公式なコミュニケーションなど、速度とコスト最優先で品質の許容度が広い場合に適しています。ただし、多言語コンテンツの品質を保つには不向きです。
-
AI翻訳+ポストエディット(MTPE): 大量の定型文書、マニュアル、FAQなど、コストを抑えつつ一定の品質と効率を求める場合に適しています。特に定型的な多言語コンテンツの更新に有効です。
-
人間翻訳: 企業の公式ウェブサイト、マーケティング資料、契約書、投資計画書など、信頼構築やブランドイメージに関わる重要な文書、専門性、自然さ、そして文化的背景への深い理解が極めて重要で、ビジネス成果に直結する場合に最適です。多言語翻訳では、特にこの人間翻訳の品質がブランドイメージを左右します。
-
-
-
Q5. 多言語翻訳会社を選ぶ際、最も重要なポイントは何ですか?
-
A5. 貴社のビジネスニーズに合致した**「多言語対応の実績と専門性」、そして「包括的な品質管理体制」を持つ会社を選ぶことが最も重要です。特に、貴社がターゲットとする言語ペアや業界(IT、製造、医療、法律など)における豊富な経験と、複数の言語間で品質と一貫性を維持できるプロジェクトマネジメント能力があるかを確認しましょう。また、「原文ベースでの見積もり」**を提供し、費用が明確であることも重要なポイントです。
-
8. まとめ:多言語翻訳のパートナー選びは戦略的に
多言語翻訳は、現代ビジネスにおいて不可欠なグローバル戦略の一環です。その料金は、言語ペア、専門性、納期、そして依頼する多言語翻訳会社の体制によって大きく変動します。単に価格の比較だけでなく、品質の一貫性、効率性、そして将来的なコスト削減を見据えた戦略的な視点を持つことが、費用対効果を最大化する鍵となります。
貴社は、主要言語から希少言語まで幅広く対応し、柔軟な価格設定と透明性の高い原文ベースの見積もりを提供されています。翻訳メモリや用語集の活用、MTPEの導入など、現代の多言語翻訳に求められるソリューションを積極的に提案できるパートナーを選ぶことが、貴社のグローバルビジネスを成功に導く第一歩となるでしょう。
多言語翻訳に関するご相談や無料見積もりをご希望の方はこちらからお問い合わせください。 貴社の多言語翻訳ニーズに合わせた最適なプランをご提案し、グローバル市場での貴社の成功を強力にサポートいたします。
ご予算やご要望、用途に応じて柔軟に単価を設定しご提案させていただきますので、まずはぜひ一度ご連絡ください。
まずは貴社のニーズや課題感など、簡単なお問い合せから始めてみませんか?
ご相談は無料です。いつでもお気軽にご連絡ください。
【無料】PDFダウンロード
一言に契約書といっても、業務委託契約書(Services Agreement)、独立請負人契約書(Independent Contractor Agreement)、秘密保持契約書(Non-Disclosure Agreement)、業務提携契約書(Business Partnership Agreement)など、様々なものがあり、契約の種類も多様化しています。
契約内容を正しく理解し、法的リスクを回避するには、適切な英訳が不可欠です。本記事では、契約書における基本用語の英訳50選をご紹介します。 >>PDFダウンロード(無料)
翻訳の発注に失敗しないためには、どうすればいいのか。
翻訳外注コストを抑えるには、どうすればいいのか。
これらの課題の解決策をお教えします。
翻訳発注に失敗しないためには、知らないではすまされない重要なポイント!
優れた翻訳会社ほど多忙で引く手あまたです。価格が相場に比べて格段に低い翻訳会社は、良心的なのか、それとも単に制作プロセスを簡単に済ませているだけなのかをよく見極めましょう。また、同じ翻訳会社でも、制作プロセス次第で翻訳料金は大きく上下します。希望するレベルを詳細に伝えることで、翻訳会社は最適なプロセスをデザインすることができます。 >>PDFダウンロード(無料)
契約書翻訳に役立つリンク集
・法務省大臣官房司法法制部「法令翻訳の手引き」(PDF)
・日本法令外国語訳推進会議「法令用語日英標準対訳辞書」(PDF)
・Publiclegal(英文契約書のテンプレートや書式を無料で提供)
・日本法令外国語訳データベースシステム(法務省が開設した日本の法令の英訳サイト)
・weblio 英和辞典・和英辞典
・英辞郎 on the web
契約書翻訳に関連する記事
・【2024年版】ビジネスで欠かせない「契約書翻訳」におすすめの8つのポイント
・契約書翻訳を依頼する際に知っておいていただきたいこと
・契約書の翻訳を外注するとき、特に注意すべき3点
・翻訳会社のプロの法律系翻訳者が選ぶ!契約書の英訳におすすめの書籍12選
・法律文書:AI翻訳時代における人力翻訳の価値とは?