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失敗しない日本語翻訳品質管理術

作成者: WIP japan|Nov. 20, 2025


グローバル展開を進める企業にとって、翻訳は必須の投資です。しかし、「安さ」や「スピード」を優先し、海外の翻訳会社に一括発注していた結果、「ウェブサイトの日本語が不自然」「マニュアルの専門用語がバラバラ」「現地の顧客からクレームが来た」といった課題に直面していませんか?

その問題、翻訳者の能力だけの問題ではありません。

日本語という特殊な言語の品質を、海外拠点が中心となってコントロールすること自体に構造的な限界があるからです。私たちは、貴社が海外ベンダー経由で発注していた時代に失っていた「日本語の品質保証」を取り戻すための具体的な戦略と、国内での品質管理の重要性をご提案します。

目次 

 

問題の核心:なぜ海外ベンダーの日本語品質は安定しないのか

1. 構造的な問題:日本語の品質管理が抱える「3つのギャップ」

海外の翻訳ベンダーや、多言語を一括で請け負う大手LSP(Language Service Provider)が提供する日本語翻訳が、なぜ日本の市場で通用しないのか。それは、品質の最終責任を負うべき機能が海外にあるため、以下の3つの重要なギャップが埋められないからです。

 

1.1. 文化的・敬語的ギャップ

日本語の品質は、単なる文法ではありません。相手への敬意や関係性を表現する敬語(Keigo)、そしてビジネス上のトーン(丁寧さ、フォーマルさ)がすべてを決定します。

  • 最終チェック機能の欠如: 海外のチェッカーは、日本語を母国語としない、あるいは日本でのビジネス経験が乏しい場合があります。彼らは「文法ミス」は見つけられても、「日本の顧客や取引先が違和感を覚えるかどうか」という文化的・商習慣的な適合性を判断できません。

  • 信頼性の致命的な損傷: 不適切な敬語や、日本のビジネス文書として通用しないトーンは、御社のプロフェッショナリズムを一瞬にして損ない、ブランドへの信頼性を致命的に低下させます。

1.2. 用語の統一性ギャップ

技術マニュアル、契約書、ソフトウェアのUIなど、専門性の高い文書では、用語の統一性が製品やサービスの品質そのものに直結します。

 

  • 現場知識の不在: 海外ベンダーは、日本の業界特有の慣習や、JIS(日本産業規格)に基づく専門用語の使われ方、和製英語の正確な英訳・和訳基準などを把握していません。

  • データベースの分断: 海外の翻訳メモリ(TM)や用語集は、グローバルでの統一を目的としていますが、しばしば日本の現場で実際に使われている「生きている用語」との間に乖離が生じます。この乖離が、マニュアルの分かりにくさや、現場の混乱を引き起こします。

1.3. 説明責任とスピードのギャップ

品質に問題が発生した際、海外のベンダーとの間でフィードバックのやり取りを行うと、時間と労力が大きく消耗します。

  • 責任の所在の不明確さ: 日本の品質問題に対し、海外のPM(プロジェクトマネージャー)が最終的な責任を負いにくく、フィードバックが翻訳者に届くまでに時間がかかり、問題解決が遅延します。

  • コストの転嫁: 結局、日本語の品質管理や最終チェックのタスクは、社内の日本語ネイティブスタッフ(日本の拠点)に戻ってきてしまい、本来の業務ではない「翻訳の校正」にリソースが割かれることになります。

 

日本の翻訳会社に依頼する「本質的な価値」

2. 唯一の解決策:日本語の品質を「国内で」コントロールする

日本語の品質を真にコントロールするには、翻訳プロセスではなく、品質保証(QA)の最終的な責任を日本国内の法人に置くことが不可欠です。

当社のサービスは、単なる翻訳の提供ではなく、「日本市場で通用する品質の保証」をコアバリューとしています。

 

2.1. 最終承認を担う「ネイティブ・ゲートキーパー」の設置

当社の品質管理の最大の特徴は、日本のビジネス現場と文化を熟知したプロの校正者が、最終的な「ネイティブ・ゲートキーパー」として機能することです。

  • ビジネス・トーンの監査: 文法的な正確さに加え、「この表現は、日本の取引先に送って失礼に当たらないか」「このウェブサイトのトーンは、ターゲットとする日本の顧客層に響くか」という、商習慣に基づいた適合性を厳しく監査します。

  • 日本市場目線の最終検証: 海外ベンダーの翻訳品質に疑問を感じる企業様には、最終検証(ポストエディット/QA)のみを当社にアウトソースいただくことで、貴社の既存のフローを維持しながら、日本語の信頼性だけを飛躍的に向上させることが可能です。

2.2. 企業専用「生きた用語集」の構築と運用

品質を一貫させるために、御社専用のカスタム用語集を構築し、当社のTM(翻訳メモリ)システムと連携させて運用します。

  • 現場の声の反映: 貴社の日本の拠点や現場部門と連携し、実際に使用されている「生きた専門用語」を用語集に組み込みます。これにより、海外のTMシステムが拾い上げられない、日本の現場に根ざした用語の不統一を徹底的に排除します。

  • 全コンテンツの一貫性保証: マニュアル、ウェブサイト、プレスリリース、契約書など、異なる種類のコンテンツであっても、用語・表記の揺れをゼロに近づけ、企業としてのブランドの一貫性を保ちます。

2.3. 迅速かつ明確な「国内アカウンタビリティ」

当社のPM(プロジェクトマネージャー)は、すべて日本の商習慣とスピード感で対応します。

  • シームレスなコミュニケーション: 品質に関するフィードバックや修正依頼は、海外の時差や文化的な障壁なく、迅速かつ直接的に当社のPMに届きます。これにより、問題発生時の対応時間を大幅に短縮できます。

  • 責任の明確化: 当社が日本語の品質に関する最終責任を負うため、貴社内のスタッフが「翻訳の校正」に貴重なリソースを割く必要がなくなり、本来のコア業務に集中できる環境を提供します。

 

貴社の日本語コンテンツは「安さ」ではなく「信頼性」で評価されるべきです

海外ベンダーに一括発注するコスト効率の裏側には、「日本語品質のコントロール放棄」という大きなリスクが潜んでいます。この構造的な問題は、日本語の品質管理を日本国内の専門法人に移管することによってのみ解決できます。

御社のブランドと製品の信頼性を守るためにも、今こそ日本語のコンテンツ戦略を見直す時です。

貴社が現在抱える「翻訳品質の課題」や「専門用語の不統一」について、まずは私たちにご相談ください。

 

翻訳に関する無料個別相談や無料見積もりも行っております。
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