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補助金・助成金で翻訳料金は対象になる?【専門解説/実際の事例と注意点】

作成者: WIP japan|May. 23, 2025

 

 

「翻訳料金」が対象となる「補助金」「助成金」への関心が高まる理由

グローバル社会への対応やDX(デジタルトランスフォーメーション)、インバウンド需要、海外展開など、ビジネス環境が大きく進化するなかで、「翻訳サービス」のニーズは企業規模や業種を問わず急拡大しています。

その一方で、「翻訳料金や翻訳業務が補助金や助成金の対象経費となるケースがある」ことを知らず、本来活用できる制度を見逃してしまう事例も少なくありません。

そこで本記事では、補助金・助成金で翻訳費用が認められる実際の制度や過去事例、申請・実務運用のコツや注意点をまとめてみました。

目次
1. 補助金・助成金と「翻訳」の関係
2. 翻訳費用が対象となる主な補助金・助成金制度
3. 過去に採択された実例とパターン
4. 補助金・助成金で翻訳経費OKとなる「基準」一覧〈比較表〉
5. 申請書類で必要となるドキュメントの深掘り・具体例
6. 利用上の注意点と落とし穴
7. 翻訳会社としてできるサポート
8. よくある質問(FAQ)
9. まとめ:これからの企業と翻訳費用の補助金活用法



1. 補助金・助成金と「翻訳」の関係──なぜ対象になるのか?

グローバル化・多言語市場戦略

補助金や助成金は、国や自治体、関連団体が「社会的・産業的な目標」を推進するための公的支援です。

とりわけ、海外展開、インバウンド対応、IT化・デジタル化、多文化共生などグローバル志向の事業分野では、「翻訳」「多言語対応」「外国語資料作成」は必須経費として明確に認められてきました。


→ 例:海外展示会出展時のカタログ翻訳、海外向けECサイト・LP・商品説明書の英語翻訳、グローバルHRマニュアルの多言語化など。

 

自社負担軽減&国際競争力強化の理論的背景

単なるコスト抑制ではなく、

  • 業務の国際化
  • 外国人雇用や海外投資拡大
  • 多様性対応の社内体制/ガバナンス強化

などが推進目的となる場合、「翻訳」はその政策意義のコアに位置づけられることが多くなっています。


 

2. 過去に翻訳費用が対象となった主な補助金・助成金制度

国・自治体主導の補助金・助成金

これらの詳細内容やタイミングは毎年変化するため、常に最新情報を各実施団体HP等で確認しましょう。

名称 翻訳経費の扱い 概要
小規模事業者持続化補助金 主経費の一部として認められる 販路開拓・海外展開など多目的、中小企業向け。
ものづくり補助金 導入経費に一部該当 新製品開発・IT化・多言語マニュアル等にも活用可。
JETRO「海外展示会出展助成」 ブース装飾や翻訳資料経費が認められる 海外出展時の通訳・翻訳・現地PR費用に。
IT導入補助金 Webサイト・EC・業務支援ソフトの多言語化が対象 説明書・マニュアル・HP翻訳なども該当。
東京都「海外市場開拓支援事業」 マーケティング・翻訳とも幅広く対象 広告、現地商談資料、販促用サンプルまで対象範囲が広い
各県市自治体の「インバウンド対応・多言語化補助」 多言語対応費用が幅広く支援 観光案内、公共インフラ、メニュー、自治体PR資料等。
各種業界団体や商工会議所の補助金 内容に応じて翻訳費用対応の場合あり 業界独自のグローバル展開・IT化推進補助も注目



3. 過去の実例:翻訳が補助対象となった主なケース一覧

海外展示会・商談会への参加

  • 展示会用カタログやパンフレットを英語・中国語などに翻訳。ブースパネル、POPなども支援の対象。
  • 事例:自動車部品メーカーA社が欧州展示会に出展、カタログ・会社案内・技術資料すべて多言語化し補助金対象に。

 

WebサイトやECサイトの多言語化

  • コーポレートサイト全体を英語化。商品ページ、FAQ、規約、フォームも翻訳経費適用。
  • 事例:日本酒蔵B社が海外通販サイトを英語・中国語・韓国語で開設、IT導入補助金を活用。

 

技術文書・マニュアルの他言語展開

  • 製品マニュアルやサービス取扱説明書、取り付け手順、技術仕様書などを翻訳。
  • 事例:医療機器メーカーC社が欧米市場進出に際し10万文字以上のマニュアル英訳、ものづくり補助金+JETRO同時活用。

 

企業・サービス紹介動画字幕、プレゼン資料翻訳

  • 海外バイヤー商談用動画に多言語字幕、現地向けIR用PowerPoint資料など。
  • 事例:食品メーカーD社が多言語動画で新規取引開拓実現、東京都海外展開補助適用。

現地規制・認証取得向け技術資料

  • 各国法規・認証対応文書(CE、FDA、RoHSマーク申請用資料等)
  • 事例:電子機器メーカーE社、海外安全規格のため申請書・規格書を翻訳、費用を補助金計上。

 

4. 補助金・助成金申請で、過去に翻訳経費が認められた基準と比較一覧

補助金・助成金名 翻訳経費の認可範囲 対象となるドキュメント例 補足・参考
小規模事業者持続化補助金 販路開拓の範囲で「翻訳・多言語資料」が対象 カタログ、パンフレット、Web、提案書、メールテンプレ、見積書 制度ごと詳細要確認
IT導入補助金 多言語対応に関連する翻訳作業 ECサイト、FAQ、管理画面、アプリ、マニュアル、顧客対応資料 HPのUI翻訳等も含まれる場合有
JETRO助成 展示会・商談会で利用する翻訳資料全般 商品案内、POP、現地語SNS投稿、ブローシャー、契約書等 申請単価・明細付与厳格
ものづくり補助金 製品・技術の海外展開の範囲で対象 技術仕様書、製品マニュアル、品質管理文書、申請資料 文書のビジネス関連性必須
自治体の多言語化支援 公共インフラ・観光・産業振興向けに幅広く認可 ガイド、看板、観光案内、患者案内、イベント情報、地域紹介 「多文化共生」強化傾向

 

5. 申請に必要な書類・翻訳対象ドキュメントの深掘り

取扱説明書、設計書、技術マニュアル

  • 専門用語、規格名、法規制条件対応が求められる。
     

会社概要・アニュアルレポート・IR資料

  • 定訳がブレないよう、社歴や沿革も含めて統一。

 

EC・ホームページ、SNS発信内容

  • キーワード選定や検索対策も含めて“現地最適化”が重要。

 

プレゼン資料/商談時Q&A

  • 現地相手の文化・商習慣に則した自然な文章力や意訳力が求められる。

 

動画字幕・ナレーション台本

  • 字数制限、見やすさも含めたプロ仕様翻訳が推奨。

 

6. 利用時の注意点・失敗事例・よくある落とし穴

申請前後での計画・事前相談不足

  • 申請内容作成前に、どのドキュメントがどこまで翻訳対象か確認しておく。

明細・見積・財務計上の仕組みミス

  • 翻訳費用についても明細や契約書への明記を。→ 後からの補助対象否認リスク。

納品支払いタイミング

  • 「活動期間内の納品・支払い」が鉄則。申請期間外作業は対象外となる。

使用実績報告の対応不備

  • 翻訳実績が報告書や証憑・成果物で証明できない場合、経費否認あり。

適格ドキュメント・証明の弱さ

  • 認証翻訳(翻訳証明)や納品物の品質が合致しない場合、審査に影響。



7. 翻訳会社としてサポートできること

  • 制度ごとの「翻訳経費対応可能範囲」アドバイス
  • 見積・契約書類の柔軟な作成、明細分け
  • 補助事業専用の証明書類(納品書・検収書・翻訳証明書)の発行
  • 専門分野ごとの”経費根拠”資料や実績対応の解説
  • 短納期や打ち合わせベースの個別最適化対応
  • 運用・実績報告時のフォロー(改訂履歴の提出、各種証明含む)
  • IT/DTP/ローカライズ等一括処理で事務局との無駄なやり取り省力化

 

8. Q&A:よくある質問

Q. 翻訳費全額が必ず補助金になるの?
A. 制度ごと・事業内容ごとに「全額」or「一定割合」の上限がある。対象経費・成果物範囲もしっかり確認を。

Q. 翻訳会社をどう選ぶべき?
A. 実績・見積の柔軟さ、納品物品質、補助金対応経験、証明書発行の有無などで選ぶのが安全。


Q. 複数言語への同時翻訳も対象?

A. 多言語翻訳の場合、事業目的(海外複数市場展開等)に合致していれば原則対象に。

 

 

まとめ:補助金・助成金時代の翻訳活用術

企業の多言語化・国際展開を本気で志すなら、「翻訳経費の補助金・助成金対象化」は重要な武器となります。

  • 補助金 翻訳・助成金 翻訳の知見とサポート力を持つパートナーと組む
  • 事前計画と明細整理で無駄なく経費負担を最小化
  • 専門性と運用力で事業のグローバル競争を加速

翻訳サービス・補助金申請に関する個別相談や無料見積もりも歓迎です。
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