「せっかく海外まで行くのだから、できるだけ多くの場所を見て回りたい」
「数日間の視察で、海外市場についてできるだけ多くの情報を集めたい」
海外市場の調査では、実際に現地を訪れることで、オンラインでは把握しにくい売り場の状況や商品、顧客の動きなどを確認できます。
一方で、現地に行くだけで有益な情報が得られるとは限りません。限られた日数の中で何を見るのか、どのように記録するのかを事前に決めておかなければ、視察後に「いろいろ見たが、結局何が分かったのか整理できない」ということも起こります。
そこで今回は、海外現地視察・市場観察を有意義なものにするために、事前に準備しておきたい項目を解説します。
結論:海外現地視察は「現地で何を見るか」を出発前に決めておくことが重要です。
特に、次の6項目を事前に整理しておくと、限られた視察時間を有効に使いやすくなります。
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① 調査目的と視察後に判断したいこと
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② 事前に確認しておく情報と仮説
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③ 現地で観察する項目とチェックポイント
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④ 視察ルートと時間配分
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⑤ 言語・通訳・現地での対応方法
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⑥ 記録・写真・メモ・視察後の分析方法
大切なのは、視察する場所を増やすことだけではありません。「何を確認するために、どこを、どのように見るのか」を決めておくことで、現地で得られる情報を調査結果につなげやすくなります。
なお、工場や店舗、代理店候補などの訪問先そのものを選定したり、候補企業をリストアップしたり、アポイントを取得したりする業務は、ここでいう市場観察・現地視察とは別の論点です。これらについては「海外現地訪問調査」として整理すると分かりやすくなります。
1. 最初に「何を知りたいのか」を明確にする
現地視察の準備で最初に行いたいのは、視察の目的を明確にすることです。
「海外市場を知りたい」「現地の状況を見たい」というだけでは、視察中に何を確認すべきかが曖昧になってしまいます。
例えば、新商品の海外展開を検討しているのであれば、次のように具体化できます。
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現地ではどのような商品が販売されているのか
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競合商品はどのような価格帯なのか
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商品はどのような売り場に置かれているのか
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どのような顧客が商品を手に取っているのか
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日本国内で想定している販売方法と違いがあるのか
さらに、「現地視察の結果をもとに何を判断するのか」まで決めておくと、観察項目を絞り込みやすくなります。
例えば、「この市場への参入可能性を検討する」「販売方法を見直す」「現地向けの商品仕様を検討する」など、視察後の意思決定を意識して目的を設定します。
2. 現地に行く前に、公開情報などを確認しておく
現地視察だからといって、すべてを現地で初めて確認する必要はありません。
むしろ、出発前に公開情報や既存の調査資料などを確認しておくことで、現地でしか確認できないことに時間を使いやすくなります。
例えば、競合商品の価格や店舗情報など、オンラインである程度確認できる情報については事前に整理しておきます。
そのうえで、「実際に現地へ行ったら確認したいこと」を仮説としてまとめます。
例えば、「オンラインで見る限り、この商品カテゴリーは普及しているように見えるが、実際の売り場ではどの程度目立っているのか」といった形です。
このように、事前情報と現地での観察を分けて考えることで、「すでに分かっている情報」を現地で繰り返し確認することを避けられます。
3. 現地で「何を見るか」をチェックリストにする
現地視察では、事前に観察項目を整理しておくことも重要です。
例えば、店舗や売り場を観察する場合は、次のような項目が考えられます。
| 観察対象 | 確認するポイントの例 |
|---|---|
| 商品 | 種類、サイズ、デザイン、仕様、価格帯など |
| 売り場 | 陳列場所、売り場の広さ、POP、競合商品の配置など |
| 顧客 | 客層、商品の見方、手に取る行動、滞在状況など |
| 販売環境 | 店舗の特徴、立地、営業時間、周辺環境など |
チェックリストを作るときは、項目を増やしすぎないこともポイントです。
確認したいことをすべて盛り込むと、現地でチェック作業に追われ、想定していなかった発見を記録する余裕がなくなる可能性があります。
「必ず確認する項目」と「余裕があれば確認する項目」を分けておくと、限られた時間でも対応しやすくなります。
4. 視察ルートと時間配分を事前に決める
現地視察では、移動時間も含めてスケジュールを考える必要があります。
「この店舗を見たい」「このエリアを歩きたい」と視察先を増やしていくと、移動時間が想定以上に長くなり、一つひとつの場所を見る時間が短くなることがあります。
そのため、視察前に地図上でルートを確認し、各場所でどの程度の時間を使うのかを決めておくことが重要です。
また、すべての時間を予定で埋めてしまうのではなく、予備時間を確保しておくことも考えられます。
現地では、移動の遅れや施設の混雑、営業時間の変更など、事前の予定どおりに進まないことがあります。さらに、現地で見つけた新しい情報を追加で確認したくなる場合もあります。
視察の目的を達成するためには、訪問場所の数だけでなく、観察に使える時間を確保することも重要です。
5. 言語・通訳・現地での対応方法を決めておく
海外での現地視察では、言語面の準備も必要です。
単に「通訳を手配するかどうか」だけではなく、現地でどのようなコミュニケーションが発生するのかを整理しておきます。
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現地スタッフへの簡単な確認が必要なのか
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専門的な内容を説明してもらう必要があるのか
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現地の案内者に同行してもらうのか
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写真撮影や資料確認について現地で確認が必要なのか
特に、現地の言葉でしか得られない情報を確認する場合は、誰が質問し、誰が記録し、必要に応じて誰が翻訳するのかを事前に決めておくとスムーズです。
なお、施設によっては写真撮影や資料の持ち出しなどに制限がある場合もあります。現地で確認したい情報について、事前にどこまで取得可能かを確認しておくことも準備の一つです。
6. 視察中の記録方法と、視察後の分析方法を決めておく
現地で多くの情報を集めても、視察後に整理できなければ調査結果として活用することは難しくなります。
そのため、視察前の段階で「何をどのように記録するか」を決めておきます。
| 記録する情報 | 準備しておきたいこと |
|---|---|
| 写真 | 撮影する対象、場所、撮影可否などを確認する |
| メモ | 観察項目に沿って記録できるフォーマットを準備する |
| 価格・商品情報 | 後から比較できるよう、単位や通貨なども記録する |
| 気づき | 事前仮説と異なった点や予想外の発見を記録する |
さらに、視察後にどのような形で情報を整理するかも決めておきます。
例えば、「事前に想定していたこと」「現地で確認できたこと」「想定と異なったこと」「追加で調べる必要があること」に分けて整理すると、単なる視察記録ではなく、次の調査や意思決定につなげやすくなります。
現地視察は、現地で情報を集めることだけが目的ではありません。得られた情報を、事業上の判断に使える形に整理するところまでを一つの調査プロセスとして考えることが重要です。
海外現地視察の事前準備チェックリスト
最後に、海外現地視察の前に確認しておきたい項目をまとめます。
| 準備項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 調査目的 | 視察によって何を知り、何を判断したいのか |
| 事前情報 | 公開情報や既存調査から何が分かっているのか |
| 観察項目 | 現地で必ず確認する項目は何か |
| ルート・時間 | 移動時間を含め、十分な観察時間を確保できているか |
| 言語・現地対応 | 通訳、案内、質問、撮影などの対応方法が決まっているか |
| 記録・分析 | 写真・メモなどをどう記録し、視察後にどう整理するか |
まとめ:海外現地視察は「行く前の設計」で得られる情報が変わる
海外現地視察を有意義なものにするには、現地でできるだけ多くの場所を見ることだけを考えるのではなく、出発前に「何を知りたいのか」「何を見るのか」「どう記録するのか」を整理しておくことが重要です。
特に、次の6項目を事前に準備しておくと、限られた視察時間を調査に活かしやすくなります。
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調査目的と視察後に判断したいことを明確にする
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公開情報などを事前に確認し、現地で確認する仮説を整理する
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現地で観察する項目をチェックリスト化する
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視察ルートと時間配分を事前に決める
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言語・通訳・現地での対応方法を準備する
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記録方法と視察後の分析方法を決めておく
また、現地視察で得られた情報だけで市場全体を判断するのではなく、オンライン調査やインタビューなど、別の調査手法と組み合わせることも重要です。
なお、視察先そのものの選定や候補企業のリストアップ、アポイント取得まで必要な場合は、単純な市場観察・視察同行とは異なる準備が必要になります。
海外現地視察について、調査目的に合わせた視察項目の設計や現地での情報収集方法などを検討されている場合は、WIPジャパンまでご相談ください。
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