世界で影響力のある言語ランキング

現在、世界にはおよそ3千から7千の言語が存在するといわれていますが、その中の2千の言語には1千人未満の話者しかおらず、世界の人口の半分はたった15種類の言語を話しています。

一方で、人々の様々な社会的・経済的活動において、話者人口のみでは測れない言語自体の重要性を把握することも大事です。どのような言語が「影響力」を持つかは、地理的な広がり、世界経済に対する影響力(各国のGDPや成長率など)[ i ]、言語取得の簡単さ、第二言語としている人の数、国際機関でどのくらい使用されているか、など、様々な視点から全体的に見ていく必要があります。[ ii ]

そこで、地理、経済、コミュニケーション、知識/メディア、外交、の5つのポイントを数値化して言語を分析する試みを紹介したいと思います。(Table 1: Global Competitiveness Index)002

上から、1ポイントが最も評価が高く、数字が大きくなるほどマイナスになります。項目名の下の括弧内の数字は、各観点の評価比率であり、外交(Diplomacy)のみ10.0%となっています。

地理(Geography)の観点では、旅行先や地域などの言語の通じる範囲によって評価されます。

経済(Economy)についてはGDPや国民1人あたりのGDPや輸出額などから、コミュニケーション(Communication)に関しては、母語話者数、第2外国語話者数などから判断されます。

知識/メディア(Knowledge & Media)の点では、インターネット上での情報量や映画・アカデミック論文などでの使用度、外交(Diplomacy)については国際通貨基金(IMF)や国連(UN)、またそのような個々の国家よりも権力を持つ組織(Supranational organizations[ iii ])などで見られる国際力が問われます。

以下は、これらの観点から調査した、2016年の世界で影響力のある言語のランキングです。[ iv ]

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結果的に、上位6個の言語は全て国連の公用語となっています。

1位となった英語ですが、G7(先進国7か国)のアメリカ・イギリス・カナダの3か国が公用語としていることや、世界中の最も多くの国で話されている言語[ v ]であり、第二言語とする人が最も多い言語[ vi ]とされ、全ての項目で1位を取っています。また、これら評価対象以外の教育[ vii ]や医療・科学など様々な分野・業界で大きな影響力を持っており[ viii ]、今後しばらくは英語の世界的影響力は衰えないでしょう。

言語が世界に与える「影響力」は、単純に話者や話されている国・地域の数が多いことだけで決めることはできません。図の「NATIVE」(ネイティブスピーカー=母語話者)の数を上から見ても、「言語の影響力」は一概に母語話者数に比例しないことが分かります。

例えば、2位の中国語[ ix ]に次ぐフランス語ですが、母語話者数が中国の1/10以下でありながら、外交に関して1位を獲得し、地理的観点でも2位となって総合3位にランクインしています。現在、アフリカ地域の広範囲で話されており、将来的に予想されるアフリカの人口爆発に伴って、地理的観点や外交についてはこれからも世界のトップを継続しつつ、他項目についてもランクが上がっていくと考えられます。

GDP世界ランキングでアメリカ・中国に続く日本とドイツ[ x ]、それぞれの言語が7・8位に、さらに、近年急速に経済発展を遂げているBRICs[ xi ](ブラジル・インド)の言語であるポルトガル語とヒンディー語も9・10位となっています。

今後、ビジネス・組織・地域を多言語化する上で、こうした分析の観点やランキングを参考にしてはいかがでしょうか。

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参考:

https://etoninstitute.com/blog/10-most-powerful-languages-in-the-world

※脚注

[ i ] World Economic Forum: Global Competitiveness Report 2017-18
p.13 Table 1: Global Competitiveness Index 2017–2018 rankings and 2016–2017 comparisons
http://www3.weforum.org/docs/GCR2017-2018/05FullReport/TheGlobalCompetitivenessReport2017%E2%80%932018.pdf

[ ii ] the Word's 10 Most Influential Languages
http://french.server276.com/bulletin/articles/promote/advocacy/useful/toplanguages.pdf

[ iiihttps://en.wikipedia.org/wiki/Supranational_union

[ iv ] POWER LANGUAGE INDEX(PLI)-p.3 Table 2: Power Language Index ranking
http://www.kailchan.ca/wp-content/uploads/2016/12/Kai-Chan_Power-Language-Index-full-report_2016_v2.pdf

[ v ] List of languages by the number of countries
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_languages_by_the_number_of_countries_in_which_they_are_recognized_as_an_official_language

[ vi ] Second Languages Around the World
https://www.movehub.com/blog/global-second-languages/

[ vii ] THE ENGLISH EFFECT
https://www.britishcouncil.org/sites/default/files/english-effect-report-v2.pdf

[ viiihttps://www.salon.com/2011/11/06/whats_the_language_of_the_future/

[ ix ]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%95%B0%E3%81%8C%E5%A4%9A%E3%81%84%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

[ x ] The world's biggest economies in 2018 from the International Monetary Fund (IMF)
https://www.weforum.org/agenda/2018/04/the-worlds-biggest-economies-in-2018/

[ xihttps://ja.wikipedia.org/wiki/BRICs

翻 訳

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