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翻訳・通訳 シゴトnavi (2008.8.18)

実務翻訳者を目指すなら必須



■ 翻訳支援ツールを使ったシゴト
  〜SDL TRADOSが広げる実務翻訳の世界〜

実務翻訳者にとって、翻訳支援ツールを使えるかどうかが仕事の受注を左右する。読者の中には翻訳支援ツールのことを知らない人もいるかもしれない。でも、これから実務翻訳者を目指そうというのなら、要チェック。今回、業界でも高いシェアを占めているSDL TRADOSを例に、翻訳支援ツールの基礎知識、そして実際に翻訳支援ツールを使っている翻訳会社の方のお話を紹介したい。

翻訳の取扱分野はIT等のマニュアル関係を中心に、多岐にわたっています。法律・医薬・金融・製造・半導体・通信・化学・建築不動産等です。

翻訳メモリーシステムTRADOSの導入も早く、自社でオンラインネットワークに対応したTMサーバを持ち、納期短縮、クオリティの向上を実現しています。最近は、システム関係を受け持つ協力会社との提携により、ローカライズを一括して請け負う体制も整いました。


● 翻訳支援ツールって何?

「翻訳支援ツール」というと、「機械が自動的に翻訳してくれるもの」と思ってしまう人がいるようだが、それは翻訳支援ツールの中の「翻訳ソフト」のこと。プロの翻訳者の多くが使っている翻訳支援ツールは、「翻訳メモリツール」と呼ばれ、実際に訳文を作るのではなく、訳語の統一など、文字通り翻訳を助ける役目を果たす。例えば、Close the window. は「ウィンドウを閉じる」とも「ウィンドウをクローズする」とも訳すことができるが、Close the window. =「ウィンドウを閉じる」という訳文を翻訳メモリに登録しておけば、次にClose the window. という英文が出てきたとき、以前にどういう訳文を使っていたかがわかり、訳文のぶれをふせぐことができるのだ。

現在よく使われているのは、「SDL TRADOS」という翻訳メモリツール。これが特に役に立つのは、コンピューター関連のマニュアルなど、定型文がたくさん含まれる文書の場合だ。1人の翻訳者が、訳文や用語にぶれが出ないように利用することができるだけでなく、一つの文書を複数の翻訳者が訳す際にも、文章の統一性を保ち、質の高い翻訳を作り上げるのに役立つ。プロの世界では、個人の翻訳者が、自分の翻訳の質を高めるために利用していることもあれば、翻訳会社などが主導してチームで翻訳に取り組む際、SDL TRADOSを使えることを翻訳者への条件としている場合もある。いずれにせよ、プロを目指すならぜひともそのメリットを知っておきたいツールである。


■ 納期と効率、そして料金を左右します

「クライアントから依頼が来た際に、まずコーディネーターが、SDL TRADOS( 以下、便宜上TRADOS) を利用することができる案件かどうかを、判断します。それによって、納期や翻訳料金が大きく変わってくるのです」と、WIP ジャパンの日高宏ディレクター。「文脈を読み取る必要があまりなく、単文の繰り返しが多いものは、TRADOS を使ったほうが、はるかに効率的です。例えば、コンピューターのマニュアルがそうですね。特に既存のマニュアルを改訂する場合など、TRADOS を使うことで大幅なコストダウン、納期の短縮が見込めるのです」。

TRADOS を利用するにあたり、WIP ジャパンは、「TM サーバー」といって、複数の翻訳者たちが、ネットワークを通じて1つの情報を同時に利用できるシステムを構築している。訳文を統一するための翻訳メモリがWIPジャパンのサーバーの中に常駐。翻訳者たちは、例えば自宅からインターネットでそのサーバーにアクセスすることで、必要な情報を常に参照することができるのだ。「弊社は1995 年から翻訳業を始め、98 年からTRADOS を利用していますが、3年ほど前にTM サーバーを入れてから、飛躍的に効率がよくなりました。TRADOSのTM サーバーを使って短期間で質のよい翻訳を仕上げられることが、クライアントへのよいアピール材料にもなります」。

例えば、80 万語のソフトウェアのマニュアルを翻訳する場合、1人の翻訳者が手がけると約8カ月はかかるそうだが、TRADOS のTM サーバーを利用すれば14、5 名で同時進行することも可能になり、わずか3週間で完成させることも夢ではなくなってくる。「ゲームソフトの翻訳をする際など、大量にある登場人物の名前を統一させるのにも役立ちます。もちろん、TRADOS が万能というわけではなく、前後の流れを意識するべき文章の場合、翻訳後にライターが手直しをしなければならないこともありますが、利用法をきちんと判断することができれば、非常に強力なツールです」。翻訳会社ではどう使っている?翻訳支援ツール「SDL TRADOS」活用術実務翻訳の世界ではほぼ欠かせない存在とされている翻訳支援ツール「SDL TRADOS」。翻訳会社では、実際にどのような使われ方をしているのだろうか。IT や金融、ビジネスなど幅広い分野を手掛けている翻訳会社WIP ジャパンに話をうかがった。


■ 翻訳支援ツールを必要とする案件は急増

こんな環境にあっては当然、TRADOS を使いこなせるかどうかが、翻訳者にとって重要な技能の一つとなってくる。「弊社に登録している翻訳者は、なんらかのかたちでTRADOS を知っている、もしくは使ったことがある、という方が大半です。実際、TRADOS が使えるということは、登録にあたって有利に働きますね」。専門的なツールだけに操作が難しいのではないかと思われがちだが、「普段仕事でパソコンを使いこなしている人なら、容易に取り入れられるレベルのものです」とのこと。ちなみに、1本12 万8000 円とやや高価ではあるが、SDL TRADOS のホームページでデモ版やトライアル版を無料でダウンロードすることができる。「これからTRADOS を必要とする案件はどんどん増えてくるはず。翻訳者を目指す方は、ぜひ一度体験してみてほしいと思います」。






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