フロム・エー関西版(No.18)
人生の先輩が語る…25歳→35歳
■ 触覚を培ったあの10年間
翻訳コーディネーター
高木敬二45歳
翻訳・通訳・海外情報収集を手がけるWIPジャパン株式会社のプロジェクトマネージャー。大学院博士課程在学中、文部省(当時)からの派遣留学生として仏、パリ第四大学で現代フランス文学とディスクール理論を研究。帰国後、広島大学、大阪大学などで非常勤講師を務めた後、仏政府公認の仏語語学学校、大阪日仏センター・アリアンスフランセーズ常勤を経て、’01年、現会社に入社。主に翻訳を扱う言語事業部にて、大手企業〜個人客までをクライアントに、あらゆる翻訳プロジェクトの進行統括を担当している。
25歳の頃は実はまだ学生で、大学院仏文科の修士〜博士過程に在籍し、“言葉”について研究していました。「なぜその道に?」とよく聞かれますが、単純に言葉に興味があっただけ。対象はどの言語でも良く、たまたまフランス語だったというか。知人の仏人の言葉を借りれば「恋愛に似ている」(照)。好きになるのに理由はなく、直感的。私にとってフランス語は、そんな感覚に近いと思います。それから、学業と並行して27歳で大学の仏語講座の非常勤講師に。この時期は語学力、或いは言葉についての考えを掘り下げていくことに精一杯。だから会社で働くとか全然考えてませんでした。非常勤講師もアルバイトのしにくい立場だった貧乏学生の救済措置でしたし(笑)。
それが変わったのは30歳。結婚を機に現実的に人生を考えるようになり、35歳でフランス語語学学校の常勤になりました。その時たまたま現会社から翻訳の仕事ももらっており、そのご縁で2年後、会社に誘って頂いて。30代半ばで会社デビュー(笑)。全然違う世界なのでとても面白かったですが、同時にビジネスの厳しさもすぐ痛感しました。入社後のほうが学んだことは多いのですが、でも今思うとそれまでの経験は、お客様がなぜ翻訳を必要とするのかとか、その辺りをお聞きする時のひとつの“触覚”みたいなものを磨いていた時期だったのかもしれません。
どんな仕事でも言葉を扱っていますが、翻訳の仕事はより身近に言葉があります。言葉って自分のパーソナリティや在り方の基底をなす部分があると思うんですけど、仕事はそれに似ている気がします。どう生きているかは仕事に表れるし、どんな仕事をしているかは生き方に反映してくる。言葉と仕事と生き方は、もの凄く深くリンクしている。これまでの人生、ずっと言葉について考えて来ましたが、私にとって会社は、今まで考えてきたことが実践できる場所。より広いフィールドで、必要としてくださるお客様がいて、また「役に立った」というお言葉を頂くなど喜びも味わえる。そんな中で生きているという意味で、この仕事に出あえて本当に良かったと思いますね。
それから10年…
翻訳には社会インフラと同等の重要性があると実感。
業界の世界的な発展に貢献することを最大目標に、日々、自己の能力&スキルアップに磨きをかけている。
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