|
ビジネス発展リアルストーリー50 〜実例にみる飛躍のヒント〜
大阪産業創造館発行 2004年2月18日
「基本」の中に眠っている成長の礎石
■ WIPジャパン株式会社 代表取締役/福島良雄
国内外の翻訳家と契約を結び、世界約100カ国語の言語翻訳や海外マーケティングなどを手がけているWIPジャパン。「翻訳とは言語を置き換えることではなく『別の言語で著述すること』と認識しています」と福島氏は言う。
顧客との綿密な打ち合わせを元にオーダーメイドでつくりあげる翻訳業務のプロセスが同社の売りだ。業種別に専門知識を持った翻訳家を選べるので、たとえば「中国語相手ならではの交渉術」など、顧客が求める翻訳業務の枠を越えた情報も提供している。微妙なニュアンスまで表現するクオリティの高い翻訳と独自のサービス展開によって、創業以来、売上げは前年比150から200%と順調に伸びている。
新規顧客の獲得対策において、尽力しているのはホームページの充実。翻訳注文時の注意点、翻訳サンプルの公開に加え、見積もり依頼には1時間以内で返答するなど、初めての発注を試みる人に安心感を与える情報が満載だ。なかでも印象が強いのは「お客様の声」。同社のサービスに対する顧客の感想が実名入りで掲示されており、新規顧客の信頼を得る効果は計り知れない。ホームページの充実をはかったことで、月商は1,200万円から2,600万円へと爆発的に伸びたという。
そんな同社の最大の強みは、徹底した社員教育。「お客様は会社を選べるが、社員はそうはいかない。それなら、彼らがどの会社でも通用する力を身につけさせたい」と同氏。「最も重点をおいているのは礼儀作法。一流ホテルの接客を手本にしています。『不愉快な印象を与えない』のは大事なことだから」。急な問合せにもきめ細やかな応対をする、作業の進捗を電話やメールで随時顧客に知らせるなど、全社員が徹底。結果、「翻訳の質も良かったが、担当者のマナーが良くて嬉しかった。次もお願いしたい」と顧客満足度は非常に高い。実際に顧客に接する社員の質を高めたことも、右肩上がりの成長を続ける大きな要因の一つだという。
ほとんどの業務を社員に任せている同氏は、マネジメントに徹している。そのため自己改善にも余念がなく「経営の基礎を学びたい」と「なにわあきんど塾」に参加した。貸借対照表の見方など、実務に使える知識はすぐに社員教育に応用。また、ここで「相手に自分を知ってもらうことの大切さを知った」と、自社の名刺に企業理念と個人の写真・プロフィールを掲載した。このような柔軟さが、迅速な対応に定評のある同社を支えているのだろう。
サービスに自信があるからこそ、実力を発揮できる環境を整えなければいけない。「環境とはあらゆる場面における基本事項」と同氏は語る。
|